リナと禁断の魔導書
魔法、それは光、闇、炎、水、風、土の6属性に大きく分類される。この、当たり前のように魔法が使える世界では、魔素と魔力によって魔法が発動されると信じられていた。しかし、真の魔法の真理に気づくことのできる者は、未だ現れていない。そう、魔法とは単なる力ではなく、世界そのものを紐解く鍵だったのだ…。
魔法を発動させるには、主に詠唱、魔道具、そして魔法陣がある。魔法陣は、召喚魔法のような高度な魔法や大規模魔法に使用されることが多いため、人々が日常で目にすることはほとんどなかった。
「ねえ、奥さん、聞いた?」
「なに、なに?」
「噂なんだけど、身体に変な模様の入った怪しいフードの男が出るんだって!」
「ええ、怖い!変質者かな…」
「それが、暗闇から急に現れて、人を拐っては身体に魔法陣を刻みつけるんだって…」
「何それ…怖すぎなんだけど…」
「その後、どうするのかしら?」
「それは、あんた…決まってるでしょ!」
「キャーーー怖い!ハハハ…」
「ハハハ…」
そんな恐ろしい話が、町中で噂になっていた。
詳しい話は分かっていないが、噂ではその男を【魔法陣使い】と呼んでいて、人の身体に直接魔法陣を刻み付けることによって、特殊な魔法を発動させることができるらしい…。果たして本当に、そんなことが可能なのであろうか?
リナは、魔法学院高等部の薄暗い図書館でひとり本を読み漁っていた。図書館の中は静まり返っていて、リナの本のページをめくる音だけが静かに響いていた。そして、その周りだけがボーッと灯りが広がっていて、いかにも何かが出そうな雰囲気を醸し出していた。
•••••••••
「リナ、聞いた?」
「何を?」
「なんか噂で【魔法陣使い】とかいう異常者がいて、生徒を拐っては身体に魔法陣を刻むんだって!」
「何それ、凄いんだけど!へへへ…」
「ええ、気持ち悪いよ…」
「ああ、ごめん…ちょっと、興奮しちゃって…へへへ…」
「うう、怖!」
•••••••••
リナは、友達から聞いた噂で【魔法陣使い】のことを知ってしまい、無性に調べずにはいられなくなっていたのだった。もちろん、高等部にある本なんかで分かるはずもなかったが、それでも、本を片っ端から読んでいった。
そこに、一枚の薄汚れた紙切れが、花びらが空を舞うようにひらりひらりと、リナの机に舞い降りてきた。
「何かしら?」
リナが、紙切れを拾い上げると、
「うん…【MACOK】!?」
次回 忘れられた研究室の呼び声
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頑張って続きを書いちゃいます!