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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン7 【悪魔男爵激闘編】(サリエル戦)

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友情の石板:光と闇の終焉

ハーベルが目を開けると、そこは穏やかな光に満ちた空間だった。窓からは、遠くに町並みが見える美しい景色が広がり、小鳥の囀が聞こえる。


それは、ハーベルの師匠の家だった。とても懐かしい風景だった。目の前には、木製のテーブルがあり、サリエルがその前に腰かけている。


「ここはどこだ…?」

サリエルは信じられないといった様子で、周囲を見回した。

「師匠の家さ、お茶でも飲むか?」

ハーベルは、何食わぬ顔でカップに紅茶を注ぎながら言った。


「確かに漆黒の翼は破壊したはず…何をした?」

サリエルは、未だ状況を把握できないでいた。

「まあ、今ごろ…。」

ハーベルは、窓の外に目をやり、宮殿に残された仲間たちの奮闘を想像していた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


宮殿に残された仲間たち。


ハーベルとサリエルが消えた空間には、真っ赤なグレーターデーモンと真っ黒な魔導騎士を討伐した仲間たち…。そして、【神器:ソウルレンダー】を携えたレオンがいた。


「ハーベル?」

「やったのか?」

仲間たちの声が響く。


「みんな今のうちに石板へソーサリーエレメントを…!」

レオンが叫んだ!


状況を理解した仲間たちは、一斉に石板へと駆け寄る。

彼らの目には、勝利への希望が宿っていた。


「分かったでござる!」

フウマが、焦る様子もなく、むしろ落ち着いた手つきで、自身のソーサリーエレメントを石板の窪みに嵌めた。


続いてホムラ、そして他の仲間たちも次々と自分のソーサリーエレメントを石板に嵌め込んでいく。


「これでいいのか?」

不安げに問いかけるタオに、レオンは静かに頷く。


「レオン、助けてくれたのね?」

リヴァイアが優しい笑みを浮かべる。


「ああ、実はルナシェイドが来てから騙されていることは分かっていた。でも、これを利用すれば、サリエルを倒せる隙を作れるかもと思ったんだ…。」

レオンは、ハーベルと交わした「アスラ」の合図が、サリエルを別空間に閉じ込めるためのサインだったことを語る。


そして、彼の「隠蔽」スキルが、サリエルを完全に欺いていたのだ。レオンは、サリエルの支配下にあるふりをしながら、この瞬間のために虎視眈々と機会を窺っていたのだと…。


「でも、ハーベルは、なんでレオンが、味方だって分かったの?」

「ああ、僕とハーベルしか知らない合い言葉があるのさ!」

レオンは、少し照れたように説明しながら、自身の闇のソーサリーエレメントを石板の窪みに嵌めた。


これで全てのソーサリーエレメントが石板に揃う。

「最後は、私が!」

その瞬間、リーフィアがそう言って、光の大精霊の姿から純粋な精霊石へと姿を変え、最後の穴へと吸い込まれていった。


石板は眩いばかりの光を放ち、宮殿全体が神々しい輝きに包まれていく。


石板が、急に激しい光を放ち始めた。やがて静かに、まるで光の粒のように、粉々に砕け散った…!


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


師匠の家では…。


「サリエル、俺たちの勝ちだ!」

ハーベルの言葉が、サリエルの耳に届く。

その瞬間、彼の顔から血の気が引いていく。


「馬鹿な! まだ、レオンが…!」

サリエルは、レオンが自分を裏切ったことを理解し、最後の足掻きのように叫んだ。


「レオンは、俺の親友だぜ?」

ハーベルの言葉は、サリエルにとって最後の、そして最も強力な楔となった。


サリエルは、人間たちの絆と友情という、彼が理解できなかった感情に打ち破られたのだ。

「ううっ…。」

サリエルの身体が、まるで砂のように崩れ始める。


彼の存在そのものが、この人間界から消え去ろうとしていた。

全てのソーサリーエレメントが揃い、石板が砕け散ったことで、サリエルという悪魔の存在は完全に消滅したのだ。


「今ごろみんながやってくれているはず…。最後にお茶でも飲んでいけ………。」

ハーベルは静かにそう言って、カップに紅茶を注ぎ、サリエルの前に差し出した。


しかし、サリエルの姿はすでに薄れており、ハーベルの手からカップが滑り落ちる前に、そこにはもう奴の姿はなかった…。


悪魔サリエルは消滅したのだ。静かに、そして確実に…。


ハーベルとレオン、そして仲間たちの絆と、彼らの信じる心が、絶望的な状況を打ち破ったのだ。


宮殿に、再び平和な光が満ちていくのが分かる。

彼らの戦いは、ついに終わりを告げたのだった。

次回 終わらない物語

続きの気になった方は、

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頑張って続きを書いちゃいます!

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