知将ブロッサムとの遭遇:究極の頭脳戦
ハーベル一行の前に現れたのは、優雅な笑みを浮かべるブロッサムだった。ブロッサムは、大きな真っ黒い翼をゆっくりと動かして降りてきた。
「あらま、ブッチャさんでは役不足でしたか。私はブロッサムと申します。以後お見知りおきを…。」
「新手か!」
ホムラの警戒心が最大に高まる。
「禁呪まで使いこなすとは、恐れ入りました…。」
ブロッサムは、感心しながら手をゆっくりと叩く。
「今度の敵は、頭脳派のようね」
リヴァイアの瞳がブロッサムを分析する。
「私は、力だけでは倒せませんよ」
ブロッサムは不敵に微笑む。
その時、塵となって消滅したはずのブッチャが姿を現した。
その目はまるで死んだ魚のようだ。
「ほー、ネクロマンシーですか」
ブロッサムがハーベルを見つめる。
「ハーベルなのか?」
ホムラが驚きに声を上げる。
「これで少しは時間が稼げるだろ!」
ハーベルは【神器:シックスセンス】を構え、ブッチャに命じる。「闇の精霊に感謝する。冥府の底より蠢きし朽ちゆく骨肉の徒、この現世に顕現せよ!ブッチャ!闇召喚:第10究極魔法!デス・ミート!」
ハーベルのネクロマンシーと「召喚術」によって、ブッチャはハーベルの傀儡としてブロッサムに襲いかかった。
「今のうちに回復をリヴァイア!」
「任せて!」
リヴァイアは【宝杖:アクアミスト】を掲げ、パーティー全体に治癒の水滴を注ぎ、虹色に煌めく。
ブッチャが猛進して、ブロッサムに襲いかかった、まさにその瞬間だった。
「フン!」
ブロッサムが軽く手を振り払うと、一瞬にしてブッチャの巨体が消失した。空間に何の痕跡も残さず、まるで最初から存在しなかったかのように……。
「マジか!?」
ホムラの顔に動揺が走る。
「あの巨体を一瞬で?」
タオが驚きに目を見開く。
「何をしたんだ?」
フウマも状況を理解できない。
「全く分からなかったわ?」
リヴァイアの「識破」スキルでも、その原理を捉えきれない。
ハーベルだけが、その一瞬の現象を見抜いていた。
「別の空間に飛ばしたな!」
彼の「解析」スキルが、ブロッサムの使った魔法の片鱗を捉えていた。
「ほー、気づきましたか。素晴らしい!」
ブロッサムの表情に、微かな驚きと興味が浮かぶ。
「ハーベルさんといいましたか?あなた、私の眷属になりなさい!」
ブロッサムがハーベルに手を差し出す。
「ふざけるな!」
ハーベルは即座に拒絶する。
「ちょっと本気だったのですが、まあいいでしょう。では、ここで死んでもらいます。」
ブロッサムが、一気に間合いを詰めてくる。
その動きは、まるで空間そのものを滑るようだ。しかし、ハーベルは間一髪で「零式」で移動し、その攻撃を回避する。
「なるほど、あなたもですか…。」
ブロッサムの視線がハーベルの「神速」の動きを捉えていた。
「まずは、あの動きを止めなければ!」
ホムラが焦燥感に駆られる。
「でも、どうやって?空間を移動しているのよね?」
リヴァイアが眉をひそめる。
「移動前に、動きを封じればいいだけでござる!」
フウマが冷静に分析する。
「それができないから…。困っているだ!」
タオが現実を突きつける。
「俺が、なんとか足止めしてみる。その瞬間を見落とさないでくれ!」
ハーベルが仲間に指示を出す。
「解析」スキルで、ブロッサムの次の動きを予測しようとする。
「任せた!」
ホムラが力強く頷く。
「ハーベルくらいしか、あの移動にはついていけないものね!」リヴァイアが呟く。
「私を止めるですって?」
ブロッサムは嘲笑う。
「私が、移動だけだと思っているわけではないですよね!」
ブロッサムが魔法を唱える。その手から禍々しい闇の塊が無数に放たれようとした瞬間、タオが反応した。
「テラマティックシールド!」
タオは【大盾:ガイアウォール】を構え、大地から隆起させた強固な岩石の壁でブロッサムの魔法を受け止める。
彼の土属性究極魔法と極限防御が融合した、完璧な防御だ。
「助かった、タオ!」
ハーベルが感謝を述べる。
「良い連携ですね…。」
ブロッサムは称賛の言葉を口にしながらも、表情は変わらない。
••••••••••
ブロッサムが魔法を使う瞬間に微かな隙ができる。そこを突くしかない。
••••••••••
「さあ、どんどんと行きますよ!」
ブロッサムが次々と魔法を繰り出してくる。
次回 五色の協奏曲:ホーリー・エンジェルス
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