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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン7 【悪魔男爵激闘編】(サリエル戦)

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闇の不在:異界の侵略者

「リーフィア、闇のソーサリーエレメントの所持者は?」

ハーベルが心配そうに尋ねる。


「それが、ルナシェイドだけ連絡がつかないのよ…。」

リーフィアの声には、微かな不安が滲んでいた。

「そうなのか…。」

ハーベルは何か嫌な予感がしていた。


闇のソーサリーエレメントは、全ての属性を凌駕する可能性を秘めた、最も強力で危険な力だ。それが、今、誰の手にあるのか、あるいは……。


ホムラたちがその言葉を聞き、真剣な表情になる。


ルナシェイドと連絡が取れないという事実は、彼らの間の結束を固めつつあった空気に、新たな緊張をもたらした。


「でも、こうしていても仕方がないですわ!」

リヴァイアが口火を切った。


「そうでござるよ…。この5人でも十分に強力なパーティーでござるからな!」

フウマも賛同する。


「ああ、闇のソーサリーエレメントの所持者のことは気になるが、今は置いておこう!どうだ、ハーベル?」

ホムラがハーベルに同意を求めるように肩に手を置いた。


ハーベルは考え込むように空を見上げた。


••••••••••

闇のソーサリーエレメントの保持者が誰なのか、そしてその行方が分からないのは気がかりだが、目の前のサリエルに対処する必要があるのも事実だ。

••••••••••


「……分かった。今は、サリエルを倒すことに集中しよう。」ハーベルが頷くと、ホムラたちは安堵の表情を見せた。


その瞬間、宮殿の入り口の空間全体が激しく歪み始めた。

地面が揺れ、天井から砂埃が舞い落ちる。

まるで巨大な何かが、この次元に強引に侵入しようとしているかのようだった。


「な、なんだ、これ!?」

ホムラが叫ぶ。


「空間が……裂けていますわ!」

リヴァイアが杖を構える。


「サリエルの刺客でござるか!?」

フウマが手裏剣を構え、警戒態勢に入る。


タオは黙って【大盾:ガイアウォール】を前に構え、ハーベルを庇うように立つ。


空間の歪みはさらに激しくなり、やがて宮殿内の空間に、真っ黒な亀裂が走った。その亀裂からは、形容しがたい異臭と、耳をつんざくような不協和音が漏れ出す。


そして、その亀裂の奥から、ゆらりと現れたのは――


「うっひょおおお! ここが例の美味しい世界っスかー!?」

陽気な声と共に現れたのは、奇妙な姿の集団だった。


彼らはまるで、おもちゃ箱をひっくり返したかのような、色とりどりの不気味な衣装を身につけている。


中には、頭にティーカップを乗せた者、全身がゼリー状にプルプル震える者、手足がタコの吸盤になっている者までいる。

彼らの眼はギラギラと輝き、この世界を好奇心と食欲の対象として見定めているようだった。


「こ、こいつらは……!?」

ハーベルは言葉を失った。

次回 次元を渡る食客:愛と胃袋の契約

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