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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン7 【悪魔男爵激闘編】(サリエル戦)

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決戦前夜:希望への扉

翌朝、カザキが剣の素振りをしようと外へ出ると、ハーベルが何やら作業をしているのに気がついた。


「ハーベル、早いな!」

「ああ、カザキさん、おはようございます!」

ハーベルは、カザキの方に向き直り挨拶を交わす。


「何してるんだ?」

カザキが不思議そうに尋ねた。

「みんなで移動できるように、門を設置しようと思って…。」

ハーベルは、手頃な石をいくつか見繕っているようだった。


「門…?そんなのできるのか?」

カザキには全く検討がついていないようだった。

「ええ…。テルミットだと、せいぜい数キロ程度しか移動できないって、師匠が言っていたので、もっと遠くに一度に移動できるように改良をしようかと……。」

ハーベルは作業を進めながら説明する。


「うーん…。全く分からないや……。」

カザキが困った顔をしながら素振りを始めた。

ハーベルは、手元に石を丸いアーチ型に器用に積んでいくと、小さな門の形が見えてきた。


「その小さな門で移動できるのか?」

また、カザキが不思議そうに尋ねる。

「いいえ…。これを『設定』で、人が通れる大きさにして…。」

ハーベルがそう呟くと、大きな門を設置した。


「なるほど、スキルで大きくできるんだったな…。」

そう言って、その門をなんとなく潜ってみる。

「何も起こらないな……?」

「ああ、まだ片方しかないからです。まだ、ただの石の門ですよ…。」

ハーベルは苦笑する。

「そっか…。ハハハ…!」

カザキも大きく笑うと、再び素振りを始めた。


「俺が、サリエルの宮殿近くまで一度飛んでいって、向こう側にも門を設置すれば、いつでも移動が可能となります。」

「なるほど…。」

素振りを続けながらカザキは感心していた。


ハーベルが作業を終えると、

「じゃあ、一飛びして門を設置してきます!」

そう言って、一気に飛び上がると、一瞬で見えなくなってしまった。


「気をつけて行けよ…。って、もう見えないか…。」

カザキは少し心配そうにしながらも、素振りを続けていた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


一面銀世界の空を、風のように飛翔していくハーベル。遠くに渓谷が見えてくると、威厳のある壮麗な建築物が姿を現した。

「あれが、宮殿か…。思っていたよりも立派な建物だな…。」

ハーベルはその姿に一瞬で心を奪われた。


近くの森に降り立つと、早速、周りの石を拾い集めて小さな門を作り始めた。


「よし、大きくしてと…。」

ハーベルが大きな門を設置すると、何やら設定をし始めた。

「これで、オッケー!『サリエルのおたんこなす!』」

門に向かって合言葉を叫ぶと、門の内部が光りだし、渦のように空間が捻れると、内部に違う景色が現れた。


「成功!」

ハーベルは、満足そうに呟くと、

「そうだな……。テルミットゲートと名付けよう!」

ハーベルがそう言ってゲートを潜ると、一瞬で元のただの石の門に戻ってしまった。


「カザキさん!」

「おお、ビックリした!!」

カザキが、素振りをしていた手を止めて「ビクッ!」と跳び跳ねた。


「すいません…。驚かせてしまって…。」

ハーベルは申し訳なさそうに頭をかく。


「どうやって戻ったんだ?」

カザキは不思議そうに尋ねる。

「このテルミットゲートですよ!」

ハーベルは大きな石の門を「パシパシ」と叩いた。


「そんなんで帰ってこれるのか?」

「はい!テルミットゲートといいます!」

「なるほど…。あのテルミットを応用したのか!」

「その通りです。」

ハーベルは嬉しそうに手を叩く。


「これで、いつでも行ったり来たりできますよ!」

「いやいや、待て待て、それじゃ悪魔どももこっちに来れるってことだろ?」

カザキが慌てた様子で問いかける。


「いいえ、合言葉がないと作動しないんです!」

「合言葉?」

「はい!『サリエルのおたんこなす!』」

ハーベルが叫ぶと、門の内部に違う景色が現れる。

「マジか…。」

「マジです!」

「それにしても、なんか恥ずかしい合言葉だな…。おたんこなんとかってなんだよ?」

カザキが眉間にシワを寄せる。


「おたんこなすです。まあ、サリエルの間抜け!みたいな感じですかね……?」

「間抜けか…。それはいいや!ハハハ…。」

カザキは、腹を抱えて笑いだした。


「カザキ…。何がそんなにおかしいんだ?」

フレアが起きてきて声をかける。

そこへみんなも家の外へ出てきた。


ハーベルは、テルミットゲートの使用法について、全員に説明すると、一度試して見せた。

「おおーー!」

「すごいですわ!」

「はあ…。穴が開いてる…。」

「ハーベル…。天才!」

みんなが口々にハーベルを称える。


「これで準備は整った!明日は、最終決戦だ!みんな、準備を抜かりなく頼んだよ!」

ハーベルが全員に気合いを入れる。


「了解!」


一同の息はぴったりだった。

次回 絶望の夜明け:疑念の扉が開く時

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頑張って続きを書いちゃいます!

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