レオンの闇:禁呪級魔法の深淵
ハーベルたちがヴェルエ村で子供たちを襲った悪魔の影と戦う一方、魔界の男爵サリエルの宮殿では、レオンがその真の姿を現し、新たな力を手に入れていた。
彼がサリエルの前で見せた忠誠は、復讐という甘美な毒に彩られた、巧妙な欺瞞に過ぎない。
レオンは、与えられた魔界の魔力に酔いしれつつも、その奥底では、サリエルすら出し抜く冷徹な計画を練っていた。
彼がサリエルの宮殿で密かに手に入れたものが何なのか、そしてその真の目的が何であるのかは、まだ闇の中に包まれている。しかし、彼がサリエルとの会談で得た「真なる闇の力」が、彼の復讐の刃をより鋭く研ぎ澄ませたことは確かだろう。
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レオン ♂ 【MACOK】
種族:ヒューマン
ソーサリーエレメント: 闇属性
武器:【神器:ソウルレンダー】
召喚獣:【闇の大精霊:ルナシェイド】【ダークネスドラゴン】
魔法属性:闇属性
固有スキル:「分解」「隠蔽」
武器スキル:「殲魂」
魔法陣:「空間魔法陣」「金属魔法陣」「岩石魔法陣」
「召喚魔法陣」「音魔法陣」
光:見習い魔法2
闇:上級魔法7
炎見習い魔法:3
水:見習い魔法3
風:見習い魔法2
土:見習い魔法3
召喚術: 極限10
原罪魔法: No.13 エクリプス・ノヴァ
No.19 アビス・ディザスター
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サリエルの宮殿を辞した後、レオンは自室へと戻った。
彼は、手に入れた新たな力と、胸中で渦巻く復讐の念に高揚していた。しかし、彼の計画にはまだ不明な点がある。特に、サリエルが言及した「ソーサリーエレメント」と、それに抗するための「禁呪級魔法」の全貌を知る必要があった。
レオンは静かにルナシェイドを呼び出した。
空間に漆黒の影が揺らめき、そこから純粋な結晶のような姿のルナシェイドが顕現する。彼女の瞳は深淵のようで、レオンの心を見透かすかのようだった。
「ルナシェイド!禁呪級魔法について、詳細を教えてくれ。」
レオンの声には、微塵の迷いもない。彼の目的のためならば、どんな知識でも利用する覚悟だ。
ルナシェイドは、その深遠な瞳をレオンに向けた。
「レオン。禁呪級魔法…【プライマル・シン】(原罪魔法)についてね。その知識は、扱う者を選ぶ、禁忌のものよ。」
彼女は静かに語り始めた。
「原罪魔法は、この世界に各属性合わせて10種しか存在しないの。その一つ一つが、世界の理を歪め、使用者の存在そのものに甚大な代償を要求するからなの。通常の魔法のランクが10で限界とされる中、これらは【プライマルナンバー】(原始の数字)と呼ばれる、本来存在し得ない『11』以降の番号が割り振られている。それは、この世界にあってはならない、あるいは世界そのものを根源から揺るがす力を意味するわ。」
ルナシェイドは、自身の主であるレオンの奥底に宿る闇の力を感じ取りながら、説明を続けた。
「闇の【プライマルナンバー】は二つ。あなたがその力を宿す、No.13 エクリプス・ノヴァ、そしてNo.19 アビス・ディザスター。」
彼女の言葉に、レオンの目が鋭く光る。彼はすでに原罪魔法をその身に宿している。その代償と真の力が、彼の復讐を確実に達成させるための鍵となるはずだ。
「それぞれの効果について、詳しく聞かせろ。」
レオンの命令に、ルナシェイドは微かに首を垂れ、闇の深奥に秘められた禁忌の知識を語り始めた。
ルナシェイドは、レオンの冷徹な問いかけに対し、迷うことなく原罪魔法の恐るべき真実を語り始めた。彼女の声は、宮殿の暗闇に響き渡り、一つ一つの魔法の描写は、レオンの内に秘められた野望をさらに燃え上がらせた。
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【No.13 エクリプス・ノヴァ 】
闇属性の原罪魔法。 レオン自身が放つ闇の究極禁呪。
対象とその周囲を、光を一切透過しない「絶対的な闇の球体」で包み込む。この闇の内部では、生命力が急速に吸収され、あらゆる魔法効果が打ち消すだろう。
対象は、光も希望も持たない絶望の闇の中で、存在そのものが消滅へと向かうしかない。
【No.19 アビス・ディザスター 】
闇属性の原罪魔法。 虚空と精神を操る禁呪で、対象の精神深層に直接干渉し、無限の奈落を幻視させる。
対象は自身の内なる恐怖や絶望に直面し、精神崩壊を引き起こす。同時に、肉体もその精神に引きずられるように弱体化し、最終的には魂が肉体から乖離し、虚空へと消え去るほかない。
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ルナシェイドは、レオンがこの魔法をも扱う力を得たことに、深い懸念を抱いているようだった。
ルナシェイドの説明を聞き終えたレオンの顔には、高揚した笑みが浮かんでいた。
「なるほど…これが【プライマル・シン】…!実に興味深い。特に闇の力は、僕の復讐を完遂するに相応しい…。」
彼の視線は、自分の掌を見つめている。
そこには、禍々しい紋様が、確かに刻まれているかのように感じられた。しかし、ルナシェイドは、レオンのその表情の裏に潜む、さらなる深い闇と、彼がこれから歩むであろう過酷な道のりを予感していた。
「レオン…。これらの魔法は、使用者にも甚大な代償を要求します。その力を完全に制御できなければ、あなた自身の存在すら…。」
ルナシェイドが警告しようとしたその時、レオンは冷たく言葉を遮った。
「代償など、今更どうでもいい。僕の目的を達成できるのならば、この身がどうなろうと構わない!」
彼の瞳の奥には、狂気にも似た決意が宿っていた。
ルナシェイドはそれ以上何も言えず、静かに闇の中に溶けていった。
レオンは一人、深淵なる闇の力を手に入れたことへの満足感に浸りながら、来るべきハーベルとの再会、そして自身の復讐の成就を夢見ていた。
次回 決戦前夜:希望への扉
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