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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン7 【悪魔男爵激闘編】(サリエル戦)

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夜明けの攻防:無垢なる刃

しかし、その夜の出来事は、これだけでは終わらなかった。

「ハーベル、起きろ!まただ!」

朝が来る前に、カザキの緊迫した声が家の中に響き渡った。ハーベルが目を覚ますと、すでに村の女性たちが集まって来ていた。彼女たちの顔には、困惑と疲労が色濃く浮かんでいる。


「どうしたんだ?」

ハーベルが問いかけると、クラリッサが震える声で答えた。

「村の…子供たちが…また消えたのよ…!」

「何だと!?」

ハーベルは驚愕する。


••••••••••

あのガーゴイルが悪魔の手先で、村長が悪魔に操られていたのは理解できる。だが、子供たちがカザキさんによって救出されたはずではなかったのか?

••••••••••


「カザキさん、どういうことですか?」

ハーベルがカザキに詰め寄ると、カザキは気まずそうに目を逸らした。


「いや、その…オレが縄を投げたのは、確かに子供たちの縄なんだが、子供たち本人は…その場にはいなくてな…。」

カザキは視線を泳がせる。


どうやら、彼は子供たちの安否を確認する前に、早とちりして縄を投げつけてしまったようだった。


「はぁ…。」

ハーベルは深い溜息をついた。


昨晩のガーゴイルとの戦いは、彼らをおびき出すための陽動に過ぎなかったのだ。本当の目的は、別の場所で子供たちを連れ去ることだったのだろう。


その時、家の外から、微かな声が聞こえてきた。

「…助けて…。」

それは、子供たちの声だ。しかし、どこか異様な、響きを持っていた。


ノアールが窓から外を覗くと、驚愕に目を見開いた。

「ハーベル!あれを見て!」


全員が窓の外を見た。


そこには、村の子供たちがぞろぞろと集まってきていた。

しかし、彼らの目は虚ろで、まるで操られているかのように一点を見つめている。

そして、その背後には、闇に溶け込むようなローブを纏った、見慣れない人影が立っていた。


「くくく…これで準備は整った。愚かな人間どもめ…。」

ローブの人物が不気味に笑うと、子供たちは一斉に、ハーベルたちの家に向かって歩き出した。その手には、それぞれ小さなナイフが握られている。


「何なんだ、一体!?」

フレアが驚愕の声を上げた。


「これは…闇魔法…。ソウル・コンサンプションという精神を掌握し、存在そのものを浸食する、魔法よ…!」

クラリッサが顔色を変えて呟いた。彼女の言葉に、一同に緊張が走る。


「くそっ、子供たちを傷つけるわけにはいかないが…!」

カザキが剣を構える。


••••••••••

しかし、相手は無垢な子供たちだ。

下手に攻撃すれば、取り返しのつかないことになる。

••••••••••


ハーベルは、かつてないほどの怒りと焦りを覚えた。


サリエルは、ただ力でねじ伏せるだけでなく、心の隙間を突き、最も大切なものを盾にするような、卑劣な手を使う悪魔だ。


「みんな、落ち着け!子供たちを傷つけずに、あのローブの男を止めるんだ!」


ハーベルの言葉に、仲間たちは決意の表情で頷いた。


夜明け前の静寂を破り、新たな戦いが始まろうとしていた。

それは、肉体的な強さだけでなく、精神的な強さが試される、過酷な戦いとなる予感がしていた。

次回 夜明けの攻防:魂の解放者

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頑張って続きを書いちゃいます!

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