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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン7 【悪魔男爵激闘編】(サリエル戦)

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禁忌の知識:原罪魔法


その晩、ハーベルは自室に戻ると、おもむろにリーフィアに問いかけた。

「リーフィア…。」

「何か用かしら?」

リーフィアは眠そうな眼を擦りながら小首をかしげる。


「禁呪級魔法について教えておいて欲しいんだけど…。」

「そうだったわね…。」

リーフィアは大きく息を吸って気持ちを落ち着けた。


「まず、禁呪級魔法と呼ばれるには、それなりの理由があるからなのよ!」

「うん、例えばどんな理由があるんだ?」

ハーベルは興味津々の様子で尋ねる。


「禁呪級魔法は、各属性合わせて、全部で10種しか存在しないの…。総称して【プライマル・シン】(原罪魔法)と呼ばれているわ………。」

リーフィアは神妙な面持ちで話し始めた。


「原罪魔法……?」

ハーベルも真剣に聞き入っている。


「各属性のランクは10までしかないのは知っているわよね?」

「うん、確かに…。」

「原罪魔法は、本来存在しないはずの番号がそれぞれに宛がわれているんだけど…。」

「11以降が存在していると言うことなのか?」


「一般には知られていないから、本来その番号にあまり意味は無いのだけれど、【プライマルナンバー】(原始の数字)と呼ばれているのよ。つまり『この世界にあってはならない番号』と言う意味が込められていると伝承にあるわ…。」


「なるほど…。俺の元の世界では『プライムナンバー』は『素数』と言う意味があるんだけど、なんか意味深な感じだな…。まあ、それはいいか…。ごめん、話の腰を折って…。」

ハーベルは、罰が悪そうに顔をポリポリと掻いた。


リーフィアは気を取り直して話を続ける。

「そして、ここからが本題よ!」

「うん…。」

ハーベルも座り直して再び真剣な表情に戻る。


「光の【プライマルナンバー】は、

No.11 ディバイン・ディメンション

No.15 ジェネシス・ルミナス

No.20 アポカリプス・エクリプス

の3種類ね!」


「なるほど、他のナンバーには、別の属性の原罪魔法が入るってことか…。」

ハーベルは頷きながら聞き入っている。


「それぞれ、禁呪と呼ばれるだけあって、相当のリスクがあるから、覚悟して聞いて…。」

「分かった…。」

ハーベルは「ゴクリ…。」と息を飲んだ。

••••••••••

光の原罪魔法:その深淵


【No.11 ディバイン・ディメンション】


光を媒介として、限定的ながらも使用者自身が支配する異空間を創造できる魔法。


この空間内では、時間や空間の法則すらも使用者の意のままにある程度操作可能となり、傷ついた肉体の完全な再構築や、失われた魂の呼び戻しなど、あらゆる事象を光の力で書き換えることができる。


従来の回復魔法の延長線上にあるものの、その規模と作用は比較にならず、対象の再生だけでなく、環境そのものを作り変えることで、絶望的な状況からの完全な脱却を可能にする。


しかし、空間維持には膨大な魔力と精神力を要し、それに耐え得ることが出来ない場合は、使用者自身の存在が光と同化するリスクを伴うのは必然。


これは単なる魔力枯渇ではない。使用者の肉体と魂が光の粒子へと分解され、意識すらも世界の光の根源へと吸収されてしまう究極の代償だ。


【No.15 ジェネシス・ルミナス】


生命の根源たる光を呼び起こし、無から有を生み出す創造魔法。


枯れた大地に生命を吹き込み、失われた生態系を再生させるなど、世界の再生と再構築を可能とする。対象は生物に留まらず、物質、さらには概念にまで及ぶ可能性を秘めている。


「エターナル・ツリー」や「フェニックス・レストレーション」の思想をさらに高次元に昇華させた、まさに「創世」を司る魔法。この魔法を扱う者は、世界のあり方そのものを変えうる存在となるであろう。


しかし、この魔法は世界の創造に関わる領域であり、発動条件は極めて厳しく、使用者の生命力そのものが対価となる可能性をはらんでいる。


これは、使用者の命のロウソクが、創造される新たな存在へと完全に燃え尽きてしまうことを意味する。たとえ世界が再創造されても、その創造主の存在は、もはやその世界には残らない。


【No.20 アポカリプス・エクリプス】


あらゆる負のエネルギー、呪い、闇の力を光で完全に消滅させる、対邪悪特化の原罪魔法。


単なる浄化ではなく、存在そのものを光へと還元する。広範囲に渡る効果を持ち、対象の存在痕跡すらも消し去ってしまう。


「サンリット・ラディアンス」の究極進化系とも言え、闇属性への絶対的な優位性を持つ魔法。しかし、その力は諸刃の剣であり、無尽蔵に使えるものではないことは言うまでもない。


しかし、この魔法は光と闇のバランスを著しく崩すため、発動には世界の理への深い理解と、その代償を受け入れる覚悟が必要。最悪の場合、使用者の魂すらも光に帰してしまう可能性を秘めている。


これは、闇を滅ぼす代わりに、術者自身が光の根源に飲み込まれ、個としての意識を失い、世界の法則の一部となることを意味する。

••••••••••


リーフィアの説明を聞いて、ハーベルの心は「ゾワゾワ…。」と音を立てているようだった。


「つまり、自分自身の生命をも犠牲にしないと使用不可能なのが、禁呪級魔法と呼ばれる由縁なのよ…。」

「よく解ったよ…。リーフィア、ありがとう!」

ハーベルは何かを悟ったように頭を下げた。


その夜は、あまり眠ることができずに、寒空の美しい透き通った満天の星をいつまでも眺めていた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


翌朝、ハーベルは寝不足の目を擦りながら、あることに気がついた。 昨晩、リーフィアから聞いた禁呪級魔法の知識が、頭の中で鮮明に、あまりにも鮮明に再生されるのだ。


まるで、誰かに無理やり叩き込まれたかのように、一字一句間違えることなく、その詳細な効果やリスク、そして代償が、彼の記憶に焼き付いている。


「おかしい…。こんなに完璧に覚えているなんて…。いくら俺でも…あり得ない…。」

ハーベルは首を傾げた。


そして、ふと自分の右手を見た。その掌に、微かに光の紋様が浮かび上がっている。それは、今まで見たことのない、複雑で神秘的な紋様だった。


紋様は、彼の心臓の鼓動と同期するように、ゆっくりと、しかし確実に輝きを増していく。同時に、彼の体の中に、今まで感じたことのない、強大で純粋な光の魔力が渦巻いているのを感じた。


「これは…まさか…!?」

ハーベルは愕然とした。


••••••••••

昨晩、リーフィアから禁呪級魔法の説明を受けただけで、その力を己の中に宿してしまったのか?

それとも………。

••••••••••


彼の脳裏に、師匠の言葉が再び響いた。

「ハーベルは、この世界の『理』そのものに愛されている。」その言葉が、今、全く別の意味を持って迫ってくる。


彼は、自分がただの「魔法使い」ではないことを、改めて突きつけられた。そして、この新たな、そして恐るべき力は、果たしてサリエルとの戦いに、どのような影響を与えるのだろうか?


•••••••••• 

ハーベル ♂ 【医術師】【ネクロマンサー】【召喚士】

種族:ヒューマン

ソーサリーエレメント:光属性

武器:【神器:シックスセンス】

【神器:金剛の短剣】【神器:金剛の盾】

召喚獣:【光の大精霊:リーフィア】

【ホーリードラゴン】【ペガサス】

【ホーリーウルフ】【ムーンウルフ】

【グリーンスライム】など

魔法属性:全属性

固有スキル:「統合」

「破壊」「精製」「合成」「構築」「解析」「分解」

獲得スキル:「設定」「把握」「毒耐性」「召喚」「魔法陣」「ライブラリー」「分離」「蘇生」「切断」「転写」「怒号」「万華鏡」「反射」「自動回復」「魔法防御」「再生」

光:究極魔法10 神聖:究極魔法10 薬剤:上級魔法8

闇:究極魔法10 虚空:上級魔法9 召喚:究極魔法10 

炎:究極魔法10 黒炎:応用魔法5 解放:究極魔法10

水:究極魔法10 

風:究極魔法10 雷鳴:上級魔法8

土:究極魔法10 再生:応用魔法6

原罪魔法: No.11  ディバイン・ディメンション

     No.15  ジェネシス・ルミナス

     No.20  アポカリプス・エクリプス

•••••••••• 

次回 悪魔男爵の宮殿:新たなる影

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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