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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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闘技場の血戦~仮面の紳士と雷鳴の女神~

80階層に足を踏み入れると、一行は突如として、巨大な闘技場のような場所に出た。円形の広大な空間には、観客席を思わせる段差が設けられ、中央にはがらんとしたアリーナが広がっている。


「いったいこの中はどうなってるんだ?」

「闘技場!?」

ミリアが、困惑した表情でレオンに問いかけた。彼女の問いかけは、他の仲間たちの疑問を代弁していた。


「みたいだね…。」

レオンは、周囲を見回しながら呟いた。その声には、警戒と、わずかな好奇心が混じっていた。


彼がアリーナの周りを注意深く見回していると、どこからともなく、闘技場の中央に古びた甲冑の戦士がゆっくりと現れた。その姿は、まるで時間に取り残された亡霊のようだった。


「甲冑って、いつの時代だよ!」

トリガーが、その古めかしい姿に思わずツッコミを入れた。


甲冑戦士の兜の奥は、漆黒の闇に覆われ、その中央に真っ赤な目のような光が一つだけ不気味に光っていた。その紅い瞳は、彼らの存在を正確に捉えているようだった。


甲冑戦士は、巨大な両手剣をゆっくりと振り上げると、金属が不吉な音をギシギシと立てながら、重々しい足取りで攻撃を仕掛けてきた。


その一撃は、大地を揺るがすほどの重さだった。

その攻撃を、リセが身につけている【神器:テラ・ノヴァ】でがっしりと受け止めた。


彼女の小手は、まるで何物をも弾き返すかのように硬く、そして、その小さな体からは想像もつかないほどの力強さで、甲冑戦士の猛攻をいなした。


••••••••••

リセ ♀ 【MACOK】

種族:キャットフォーク

魔法属性:土属性

武器:【神器:テラ・ノヴァ】

固有スキル:「構築」「軽業かるわざ

武器スキル:「星砕せいさい

魔法陣:「布陣魔法陣」「音魔法陣」

光:見習い魔法1

闇:見習い魔法3

炎:見習い魔法3 

水:見習い魔法3 

風:見習い魔法2 

土:応用魔法5 

••••••••••


リセは、その巨大な両手剣をまるで棒切れでも放り投げるかのように、軽々とアリーナの端へと投げ飛ばしてしまった。その怪力に、トリガーは目を丸くした。


甲冑戦士が、剣を奪われ、一瞬の躊躇を見せたその隙を逃さず、リセは間髪入れずに反撃に転じる。


星砕せいさい!」


彼女は、【神器:テラ・ノヴァ】のスキルを発動させ、甲冑の腹めがけて渾身の一撃を打ち込んだ。その一撃は、甲冑を粉々に砕き散らし、そこから黒い霧のようなものがスーッと虚空へと消えていった。


兜の中に光っていた赤い目玉も、まるで電池切れのおもちゃのように、ぼんやりと点滅しながらゆっくりと消えていった。

甲冑戦士は、跡形もなく消滅した。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


90階層は、これまでの階層とは打って変わって、豪華な貴族の屋敷の中のような雰囲気の部屋だった。精巧な装飾が施された壁、上質な絨毯、そして中央には重厚な家具が置かれている。その部屋の中央には、紳士的な装いをした人間のような姿の存在が静かに立っていた。


その存在は、不気味に笑う真っ白な仮面を着けて、一行をじっと見つめているように見えた。


その視線は、彼らの心の奥底を見透かすかのようだった。斜に構えた漆黒の紳士の背中には、何本もの翼が生えており、その煌めく羽は様々な色に輝き、それぞれ異なる属性のオーラを放っているようだった。


「ミリア!」

レオンが、その紳士の姿を見て、何かを察したようにミリアに声をかけた。


「ええ、エリス…さま…。」

ミリアは、その紳士の声に、まるで反射のように返事をしてしまった。彼女の顔は、苦痛に歪んでいた。


内部に響くミリアの幻聴

「ミリア、よくも私を裏切りましたね…。」

封印したはずのエリスが、まるで現実のようにミリアの目の前に立ちはだかり、過去の罪を詰問する。その声は、ミリアの心に深い罪悪感を植え付けていく。


「エリス様…。申し訳ありません…。」

ミリアは、心から詫びるように呟く。


「あなたを絶対に許しません!死ぬまでこき使ってあげますから覚悟なさい!」

エリスの邪悪で嫌らしい笑みと共に、ミリアへの精神的な嫌がらせが続く。彼女の心を蝕む言葉が、容赦なく浴びせられる。


「エリス様、もうお許しください…。」

ミリアは、もはや懇願するしかなかった。


「いいえ、許しません…。」

エリスは冷酷に言い放ち、ミリアの心をさらに深く傷つけた。


「ミリア、どうしたんだ!」

突如として気を失い、白目を向いて意識を失ったミリアを、レオンが心配そうに揺り起こした。彼女の体は痙攣し、うわ言を呟いている。


「アイツの攻撃か!」

トリガーが叫んだ。彼もまた、状況を理解しかねていた。


「精神系の魔法なら、ミリアに効かないはず…。違うのか?」

レオンは、困惑しながら考え込んだ。ミリアは精神系の魔法に耐性があるはずだが、今回の攻撃はそれとは違う性質のものだと直感した。


レオンの脳裏に響く声

「レオン!」

「ハッ…。メルギド?」

レオンの意識の中に、かつての敵であるメルギドの声が響き渡る。


「レオン、何を突っ立っている。跪きなさい!」

メルギドが、怒鳴りつけるように命令する。それは、レオンの誇りを傷つける言葉だった。


「はあ?死ね!」

レオンは、その声に激怒し、咄嗟にナイフを突き刺したが、メルギドの姿はスーッと消えていった。それは幻覚だったのだ。


「なるほど、意思の強さか…。」

レオンは、自身の幻覚体験とミリアの状況から、この攻撃が「精神攻撃」ではなく、相手の「意思の強さ」を試すものだと気がついた。


過去のトラウマや弱点を突くことで、精神を崩壊させようとしているのだ。彼は、迷わずミリアの頬に優しくキスをした。


「レ…レオン!」

レオンのキスが、ミリアの意識を取り戻させた。

彼女は、目を覚ますと同時に、背後にいたエリスの幻影に迷わず【神器:ニンバス・ロッド】を突き刺した。エリスの幻影は悲鳴を上げて消滅した。


「ミリア!」

「レオン、ありがとう!」

二人は、安堵の表情で強く抱き合った。彼らの絆が、この困難を乗り越えさせたのだ。


闇の紳士は、彼らの様子を見て、次の攻撃に移ろうとした瞬間、


••••••••••

ミリア ♀ 【MACOK】

種族:スプライト

魔法属性:風属性

武器:【神器:ニンバス・ロッド】

固有スキル:「合成」「無効化」

武器スキル:「嵐霆らんてい

魔法陣:「白昼夢魔法陣」「幻夢魔法陣」「意識魔法陣」「感情魔法陣」「音魔法陣」

光:見習い魔法3

闇:見習い魔法3

炎:見習い魔法2

水:見習い魔法3 

風:応用魔法6

土:見習い魔法1

••••••••••


ミリアは、手にしていた【神器:ニンバス・ロッド】を天高く振り上げた。彼女の全身から、凄まじい風の魔力がほとばしる。


嵐霆らんてい!」


スキルを発動すると、闇の紳士の真上、その脳天めがけて、極大の雷撃が一撃で落ちた。その雷は、空間を切り裂くような轟音と共に、闇の紳士を直撃した。


カラン…コロン………。


雷撃が収まると、白い仮面が床に音を立てて落ちた。

そこには、闇の紳士の姿はどこにもなかった。彼は、雷撃によって完全に消滅したのだ。



「私に精神攻撃をするなんて、万死に値するわ!」

ミリアの顔は、感情の「無」そのものだった。怒りとも悲しみともつかない、ただ冷徹な決意がそこに宿っていた。


「ミリア…。怖!」

トリガーは、ミリアのあまりの剣幕に身震いをし、思わず肩をすぼめた。彼の目には、新たな一面を見た恐怖が浮かんでいた。

次回 真闇の支配者~頂上で待ち受ける巨悪~

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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