表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

159/201

《深淵の祭壇》と《光輝の召喚》~星辰の絆が拓く道~

70階層に足を踏み入れると、そこには今までとは打って変わって、荘厳な雰囲気の祭壇がそびえ立っていた。祭壇の前には、威風堂々とした振る舞いの巨大なキメラが待ち構えている。


「キメラか…。」

クラリッサが、その異形の存在に恐怖をにじませながら呟く。


「さすがに、ここからは作戦が必要ね!」

ネルは即座に状況を分析し、細部にわたる作戦を立案していく。彼女の淀みない指示に、パーティーメンバーの視線が集中する。


「では、クラリッサの闇魔法を合図に!」

「行くわよ!」

ネルの言葉に、クラリッサが力強く応える。


「分かった!」

「了解!」

「任せろ!」

「お任せくださいませ!」

仲間たちの頼もしい返事が響き渡る。


クラリッサは、背中に背負ったデスサイスを揺らし、右手に握る【邪神の杖】を高く掲げる。その瞳に冷たい光が宿り、彼女の口から深淵なる闇の詠唱が紡がれる。


「闇の精霊に感謝します。闇の恐怖、セレスティアルキメラの自由を奪え!闇:第9上級魔法!ダークネス・グラスプチェイン!」


詠唱が終わりを告げると同時に、キメラの前後左右から漆黒の鎖が、まるで意思を持ったかのように足と翼目掛けて矢のように放たれた。鎖は瞬く間にキメラの四肢と翼に絡みつき、その巨大な体を完全に封じ込める。


キメラの動きが止まったその隙を逃さず、カザキの【神器:疾風剣】が鋭い唸りをあげる。


絶空閃ぜっくうせん!」


口から炎を吐き出そうと身構えていたセレスティアルキメラ目掛けて、目には見えないほどの超高速の突きが連続で放たれる。炎はかき消され、その圧倒的な攻撃の前にキメラの頑強な翼と手足は次々と打ち砕かれていく。


「止めだ!百花繚乱!」

フレアがスキルを発動すると、妖艶な炎の舞い散る花びらがセレスティアルキメラを包み込み、一瞬にして灰へと変えた。


完璧な連携だった。


「素晴らしい連携!」

ハーベルが惜しみない拍手を送り、仲間たちを称賛した。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


70階層での激戦を終え、一行は新たな階層へと進む。


「なるほど、なるほど、そう来ましたか!」

ハーベルが目を見開き、その光景に驚きを隠せない。


80階層のボスは、この世のものとは思えないほど美しい、純白のペガサスだった。その神々しい姿は、森の中の澄んだ水辺に静かに佇んでいた。


「ペガサスって、あんなに綺麗なんだ…。」

ネルはその美しさに完全に魅了され、我を忘れて呟く。


「美しさに騙されないで!ああ見えても強敵よ!」

クラリッサの鋭い声が、呆然と立ち尽くす全員に喝を入れる。彼女の言葉で、パーティーメンバーは我に返った。


ヒヒーーーン!


ペガサスはいななきと共に駆け出すと、光の粒を撒き散らしながら、夜空へと駆け登って行った。


そして、空中で美しい翼を「バサッ…」と大きく広げると、凄まじい数の雷鳴がパーティー全体に襲いかかった。


咄嗟にネルが反応する。

「テルリック・バルワーク!」

パーティー全体を包み込む頑強な要塞が一瞬で現れ、降り注ぐ雷から仲間たちを守り切った。


「ネル、助かった!」

ハーベルがネルの肩を軽く叩き、感謝を伝える。


「ハーベル!」

クラリッサがこちらを向き、合図を送る。


「ああ、分かっている!」

ハーベルは要塞から飛び出すと、天空にいるペガサスに向かって詠唱を開始する。


「リヴェレーション・アルカナム・10!」

ハーベルの魔法により、ペガサスの魂が丸く輝き、助けを求めているのが仲間たちにはっきりと見えた。


「光の精霊に感謝する。暁の聖騎よ、この地に降臨せよ!ペガサス!光召喚:第8上級魔法!ブライトウイング・ギャロップ!」


ハーベルの詠唱と共に、足元に虹色に輝く魔方陣が描かれる。その光の中から、先ほどの美しいペガサスが姿を現した。


しかし、そのペガサスは、先ほど襲いかかってきた敵ではなく、ハーベルによって召喚された存在だった。


「あなたが、助けてくれたのですね…。感謝します…。」

ペガサスは、まるで人の言葉を理解するかのように、深く頭を下げた。


「ああ、よろしく!」

ハーベルは優しく応える。


「ペガサスの名前は?」

ネルが目を輝かせながら尋ねる。


「そうね…。ショウキなんていかがかしら?」

アクシアが提案する。


「アクシア、カッコいいね!」

その提案にハーベルが頷く。


「君の名前は、ショウキなんてどうかな?」

「ええ、よろしくお願いいたします。」

ショウキは、神々しい姿で丁寧に頭を下げた。


ハーベルはショウキのたてがみを優しく撫でながら、温かい微笑みを投げ掛けていた。パーティーに、新たな仲間が加わった瞬間だった。


次回 《零度の絶唱》と《太陽の咆哮》~星を穿つ者たちの系譜~

続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ