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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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デスサイスの警告~悪魔の影と光の階段へ~

ハーベルが朝早くに目を覚まし、外に出て新鮮な空気をいっぱいに吸い込んだ。あたりはまだ朝霧に包まれているが、心地よい風が吹き抜け、清々しい朝だった。


「はあ……。いい空気だ!なんか、良いことがありそうな気がする!」

ハーベルは大きく両手を広げながら、満面の笑みで呟いた。彼の心は、この清らかな空気に満たされていくようだった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


家へ戻ると、クラリッサの持つデスサイスから、何かしらの念話が届いた。それは、緊急性の高い報告のようだった。


「ハーベルさん、お伝えしておきたいことが…。」

デスサイスの声が、クラリッサを介してハーベルの脳裏に直接響く。


「どうした…デスサイス?」

ハーベルは、その声に優しく尋ねた。

「実は、皆さんが立ち去った直後、闇の階段の60階層が爆破されました…。」

デスサイスの言葉に、ハーベルは驚愕の声を上げた。


「はあ?」

「どうも、あの砂時計に、何者かによって時限爆弾の効果が付与されていたようです…。」

「マジか……。」

ハーベルは、その事実に驚きを隠せない。レオンの豹変に続いて、また新たな脅威が迫っていることを悟った。


「みんな、聞いてくれ!」

ハーベルは、リビングで談笑している仲間たちに注目させた。彼の神妙な面持ちに、皆の視線が集まる。


「何?」

「どうしたのかしら?」

アクシアとフレアが、ハーベルの様子に不安を感じて呟いた。


「闇の階段は、さっき俺たちが去った直後に何者かに破壊されたらしい…。デスサイスからの報告があった!」

ハーベルは、重い口調で真実を告げた。彼の言葉に、一同の間に緊張が走る。


「以前から悪魔に付け狙われている気配はしていた…。闇の階段は諦めた方が良い気がするけど、みんなの意見が聞きたい!」

ハーベルは、みんなの顔を見回した。彼の言葉には、仲間たちの安全を第一に考える配慮が感じられた。


「オレは、賛成だ!」

カザキが、迷うことなく手を軽く挙げた。

「私も異議ないわ!」

フレアも、同様に手を挙げた。彼らは、ハーベルの判断を信頼している。

「もちろん、私たちも同意見よ!」

ネルとアクシアも、即座に賛同の意を示した。彼らは、すでにレオンの件を経験しているため、危険を冒すことには慎重になっていた。


「では、光の階段の頂上を目指すことにする!」

ハーベルが提案すると、一同は力強く頷いた。彼らの目は、新たな目標に向かって輝いていた。


「光の階段は41階層からだろう?ハーベルがいれば、ボス以外は一網打尽だろ?」

カザキが、ハーベルの圧倒的な力を信じ、期待を込めて言った。


「分かりました。ボス階層以外は、一気に進みましょう!」

ハーベルは、その言葉に決断した。時間の猶予がないことを悟っていた。


「そうね、また悪魔がいつ襲ってくるか分からないから、急いだ方がいいかも!」

クラリッサが、その危険性を付け加えてくれた。彼女の言葉は、彼らの行動を促す。


「では、明日から光の階段へ、今日はゆっくり休んでくれ!」

ハーベルの労いの言葉と共に、皆は解散した。それぞれの顔には、疲労と、そして新たな決意が浮かんでいた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


翌日、彼らは光の階段の41階層へと足を踏み入れた。そこは、意外にも、鬱蒼と広がるサンライトベアの生息する森だった。


「何で、ここに森が…?」

カザキは、またもやその異質な光景に混乱しているようだった。彼の頭の中では、この世界の常識が通用しない。

「カザキさん、あんまり考えてもしょうがないですよ!」

ハーベルは、もはやこの領域の異常性を受け入れていた。彼の顔には、諦めにも似た、しかしどこか楽しんでいるような表情が浮かんでいる。


「リヴェレーション・アルカナム・50!」

ハーベルが、広範囲にわたる詠唱を開始した。彼の魔力が、森全体に広がる。すると、周囲にいたサンライトベアが、まばゆい虹色に輝き、一瞬で消滅していった。


「一気に50階層ね!」

クラリッサが、その効果に驚きながら確認するように言った。ハーベルの魔法は、雑魚を一掃し、彼らを次の階層へと進ませた。


彼らが進んだ先の50階層は、広大な空間だった。その中央に、巨大な影が蠢いている。


「光のミノタウロスって!?」

ネルが、そのミノタウロスの姿を見て、驚きのあまり叫んだ。その体は、光を帯び、これまでのミノタウロスとは一線を画していた。


「確かに珍しいな!ここは、俺たちに任せてくれ!」

カザキが、その強敵を前にして、むしろ闘志を燃やす。

「カザキ、行くわよ!」

フレアも、カザキに呼応するように声を上げ、二人は一気に光のミノタウロスへと飛び出した。


ブヒャーーーー!


ミノタウロスが咆哮するや否や、カザキの剣がミノタウロスの上半身を、フレアの剣が下半身を、それぞれ正確に捉え、一瞬にしてバラバラにしていた。その連携は、まさに芸術的だった。


「はや!」

一瞬の出来事に、ハーベルも驚きの声を上げた。彼らの速さと正確さに、目を見張るばかりだった。


「ボスは、任せろ!」

「私たちだって!」

「うん。」

アクシアとネルも、その戦いを見て、自分たちも力を込めて戦うことを誓った。


「60階層は、ゴーレムだ!」

クラリッサが、次の階層の敵を認識し、声を上げた。

「虹色に輝くゴーレムなんてはじめて見た!」

クラリッサも、そのゴーレムの姿に不思議そうな表情を見せた。その体は、様々な光を放ち、見る者を幻惑させる。


「ここは、私が!」

アクシアが、後衛から手にした【神器:ディープブルー】を構え、詠唱を開始した。彼女の魔力が、周囲の水を操り始める。

「水:第9上級魔法!オーロラアイス・アローズ!」

アクシアの詠唱と共に、水でできた無数の矢が、オーロラのように輝きながら、クリスタライトゴーレムへと向かって飛んでいく。


クリスタライトゴーレムは、その巨腕を大きく振り上げて「ドンドン…」と床を叩きつけると、そのまま回転を始めた。

その回転はどんどん加速し、こちらへ突進してくるつもりのようだ。


しかし、すでに放たれていたアクシアの矢が、いくつものオーロラを纏いながらクリスタライトゴーレムを覆い尽くしていく。すると、ゴーレムの回転はどんどん弱まり、そのまま全身が瞬く間に氷漬けになってしまった。


「今です!」

アクシアが、その隙を逃さず叫んだ。

「任せて!」

クラリッサが、デスサイスを「クルクル…」と軽やかに回しながら、氷漬けのゴーレムに接近する。


シュピーーーン!


デスサイスが、氷漬けのクリスタライトゴーレムを真っ二つに斬り裂いた。ゴーレムは「ドカーーーン…」と大きな音を立てて倒れ、その体が砕け散った。


「お見事!」

フレアが、手を叩いて喜んだ。彼女の顔には、仲間たちの活躍を心から喜ぶ笑顔が浮かんでいた。


こんな調子で、ハーベルたちは順調に階層を進めていった。

彼らの連携と、それぞれの持つ神器や魔法の力が、道を切り開いていった。

次回 《深淵の祭壇》と《光輝の召喚》~星辰の絆が拓く道~

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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