デスサイスの真実と新たな仲間
「ハーベル、クラリッサ、よくデスサイスを見て!」
ノアールが何かに気が付いたように叫んだ。
クラリッサがデスサイスを凝視すると、
「ハーベル、魂が丸い!」
「ああ、俺も今気づいた…。」
ハーベルはすかさず
「リヴェレーション・アルカナム・10!」
すると、呪文が頭の中に流れ込む。
「闇の精霊に感謝する。闇の帳より生まれし刃よ、我が命に従い、姿を現せ!デスサイス!闇召喚:第9上級魔法!テンペスト・リーパーズエッジ!」
死神の姿は、スーッと影のように消えてしまい大鎌が
「ゴトリ……。」と音を立てて床に転がった。
「おお、倒したのか?」
カザキが心配そうに尋ねる。
「いいえ、仲間にしました!」
「仲間に?」
フレアが不思議そうな顔をする。
「闇の精霊に感謝する。闇の帳より生まれし刃よ、我が命に従い、姿を現せ!デスサイス!闇召喚:第9上級魔法!テンペスト・リーパーズエッジ!」
ハーベルの詠唱で、紫色の禍々しい魔方陣が床に広がると、再び死神の姿が現れ、大鎌を拾い上げた。
「これで、みんなと話せるでしょ?」
ハーベルがデスサイスに語りかける。
「ええ…。お初にお目にかかります…。」
なんかモジモジした感じで話し出す。
「なんか、イメージと違う…。」
ハーベルがつい声に出してしまった。
「ああ、すいません、すいません、私は人見知りが激しくて…。」
デスサイスが焦った様子で答える。
「デスちゃん、なんか可愛いね!」
クラリッサが優しく声をかける。
「クラリッサさん、ありがとうございます!」
デスサイスも満更でもない様子だった。
「ところで、デスサイスさんは、どのような経緯でここへ幽閉されているんですの?」
アクシアが少し悲しげに尋ねる。
「ええ…と、特に経緯とかはありません…。」
デスサイスは困った様子で答えた。
「どういうこと?」
ネルが心配そうに尋ねる。
「ええ…と、ええ…と、私はただの呪われた武器ですから…。」
デスサイスは恥ずかしそうに言った。
「ええ?」
「ああ…。」
「そう言うことか…。」
一同が頷いた。
「この姿は、私が出している幻影です!」
デスサイスは死神の姿を消して、また「ゴトリ…」と床に落ちた。
「デスサイスさんは、武器そのものだったんですね…。」
「そうだったのか…。」
カザキは今頃気づいたようだった。
「そうだ、デスサイス!クラリッサに協力してあげてくれないかな?」
ハーベルが突然の提案をしてきた。
「協力とは?」
「クラリッサの武器になってもらいたいんだ!」
「ええ…私は構いませんが…。」
「クラリッサどうかな?」
「ぜひ!」
クラリッサの目は乙女のように輝いていた。
「デスちゃん、よろしくね!」
クラリッサがデスサイスを「クルクルクル…」と舞うように回転させながら、ポーズを決めた。
「めちゃくちゃ、強そうだな!」
フレアが少し羨ましそうに呟く。
「いや、実際にめちゃくちゃ強いだろ!」
「確かに…。」
カザキとハーベルが少し呆れたように言った。
「一度、家に戻って休みませんかしら?」
アクシアがお願いするように言うと、
「そうだね、一度戻ろう!」
ハーベルたちは、次々とテルミットで家へと転移していった。
それと同時に、静かに砂時計の最後の一粒の砂が落ちきると、
ドカーーーン!
凄まじい音を立てて部屋ごと吹っ飛んでしまった。
「チッ、運の良い奴らですね……。」
その時、謎の影がスーッと霧のように消えた。
次回 デスサイスの警告~悪魔の影と光の階段へ~
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