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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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旅立ちの予感~【解放の書】が拓く未来の医療~

ハーベルが家に戻って見ると、他のみんなが集まって会議をしているところだった。


「ああ…。ハーベル、いいところにかえって来た!」

クラリッサが手招きをしながら言う。


「どうした?」

ハーベルが荷物を置くとみんなの集まるリビングへと向かった。


「ハーベル!」

ネルが抱きついた。


「何か相談ごと?」

ハーベルが気になって尋ねると、


「ハーベルが働きすぎって話を…。」

「そうだ、ハーベル!少し休め!」

カザキが肩を強く叩いた。


「どうしたんですか…。急に?」

ハーベルが怪訝そうに聞くと、


「パーティーも大きくなってきたから、二つに分けて交互に攻略しないか?」

カザキが真剣に提案する。


「なるほど、そう言うことですか!」

ハーベルは手をポンと叩いた。


「それで、構成は?」

「おお、話が早いな!」

「それは、私が!」

ネルが、パーティー構成を提案してくれた。


•••••••••

Aパーティー

ハーベル、ノアール、フレア、ウルン、カミナ


Bパーティー

カザキ、クラリッサ、アクシア、ネル、フラン

•••••••••


「おお、なかなか面白いパーティー構成だね!」

ハーベルが感心していた。


「じゃあ、俺たちから行くか!」

「おいおい、だからハーベルに休養をとらせるのが目的だって言っているだろ!」

カザキがハーベルの頭を軽くコツいた。


「痛てて……。」

ネルが頭を撫でてくれる。


「ということで、オレたちBパーティーが闇の階段の攻略に先に行ってくるよ!」

カザキが胸を叩いた。


「分かりました!俺も【解放の書】をもう少し検証したいので助かります!」

ハーベルが【解放の書】を取り出した。


「なんだそれ?」

カザキが不思議そうに尋ねる。


「ハーベル、上手くできたんだね!」

クラリッサが嬉しそうに駆け寄って【解放の書】を受け取った。


「うん、クラリッサのお陰だよ!まだ、もう少し検証が必要だけどね!」

ハーベルが微笑みながら答える。


「それで魔物を解放できるのですか?」

アクシアが不思議そうにクラリッサから【解放の書】を受け取った。


「ああ、見てて!風召喚:第5応用魔法!エアリアル・オーズ!」

ハーベルが詠唱すると、可愛らしい緑色のプルンとしたスライムが現れた。


「なんだ、魔物?」

「ああ、召喚獣です!」

「なんだ……。驚かせるなよ!」

「すいません…。」

カザキが一瞬で戦闘態勢に入ろうとした。


「この、スライムってなんかその辺にいるスライムとは違っていて、可愛く感じるのは私だけか?」

フレアがヒスイを抱き上げた。


「ヒスイ…。可愛い?」

「おお、スライムがしゃべった!」

フレアが驚いてヒスイを落としそうになった。


「ウルンとかと一緒で、ヒスイも思念で会話ができるんだよ!」

ハーベルがそう言って、ヒスイを抱き上げた。


「ヒスイは、すごいんだよ!「再生」というスキルが使えるんだよ!」

ハーベルが嬉しそうに言う。


「それって、レストレーションと何が違うの?」

クラリッサが尋ねた。


「レストレーションは傷を治す魔法だけど、「再生」は欠損や皮膚の移植なんかにも利用できそうなんだ!」

ハーベルはワクワクしているようだ。


「何を言っているのかよく分からないですわ…。」

アクシアがそう言うと、みんなが頷いた。


•••••••••

そうか…。医療の知識がないと理解できないのか…。

こちらの世界の医術でも再生医療はないからな………。

•••••••••


「まあ、とにかくヒスイはすごいってことで…。」

「じゃあ、そう言うことで…。」

みんなは、納得いっていない様子だった。


「オレたちは、闇の階段へ向かうよ!」

カザキがそう言ってメンバーに合図した。


「はい、気をつけてくださいね!」

ハーベルが心配そうに送り出した。


空は鉛色に薄暗く、今にも大粒の雨が降り出しそうな分厚い暗雲が立ち込めていた。その陰鬱な天気は、まるでこれから起こる不吉な出来事を暗示しているかのようだった。


次回 50階層の異変~獄毒サソリとの死闘~

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頑張って続きを書いちゃいます!

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