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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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ハーベル、職人モードに突入~【解放の書】の誕生~

ハーベルが何かに閃き、深く集中し始めたのを見て、クラリッサは「こうなると、時間がかかりそうだから、私は戻るね!」と声をかけ、テルミットを掲げてその場を後にした。


ハーベルはクラリッサの声にもほとんど反応せず、「うん…。」とだけ呟いて、目の前の課題に没頭していた。


最近、全く修行をしてなかった……。魔道具も作ってないし、自分だけで作れるか不安だ。


ハーベルの脳裏には、過去の修行不足がよぎった。しかし、彼はすぐに思考を切り替え、マクロの構想を練り始めた。


まず、彼は魔道具の核となる機能について考えた。

* 魔物の魂の形を認識する。

これには、自身のネクロマンサーとしての能力が必要となる。

* 丸い魂の魔物だけと契約し、即座に解放する。

これは、自身の召喚士としての能力が必須だ。


ハーベルは、これらの条件を満たすのはおそらく自分だけだと判断した。そして、媒介として使うのは先ほど魔法陣を転写した医術書で十分だと考えた。


彼はこれを仮に【解放の書】と呼ぶことにした。


具体的なマクロの内容は以下の通りだ。

* 【解放の書】は、半径Xm以内の魔物の中から魂の丸いものを自動的に判別し、その目印として額に赤い印をつける。

* 自身より弱い魔物に関しては、その場にいるすべての魔物を強制的に契約し、魂の丸いもののみをそのまま解放する。

* 同時に、魔法陣を自動的に【解放の書】に転写し、さらに召喚の呪文も転写する。

* もし仲間にしたい魔物がいた場合は、その都度話し合い、改めて再契約する。

* 自身の魔力量が1/3を切った場合は、自動的に発動を停止する。

* これらのマクロは「リヴェレーション・アルカナム・X」という呪文で発動するように設定する。


Xには半径の数値が入り、例えば半径10m以内なら「リヴェレーション・アルカナム・10」といった形になる。もちろん、この呪文は無詠唱でも使用可能である。


「ちょっと試して見るか!」

ハーベルはそう呟きながら、早速エレメンタルスパイアの風の階段の1階層で新しく構築したマクロを試すことにした。


周囲には、30匹ほどのグリーンスライムがうごめいていた。

「リヴェレーション・アルカナム・20!」

ハーベルが詠唱すると、彼の周囲20mにいるグリーンスライムたちが一斉に虹色の光に包まれ、そのまま消滅した。


だが、その中からたった1匹のグリーンスライムだけが解放されて残っていた。


「この数で1匹だけか…。」

ハーベルは残念そうに呟いたが、すぐに機能を評価した。

「まあ、機能としては問題なさそうだな…。トゲトゲの魂の魔物を召喚するとどうなるのかな?」

ハーベルは疑問に思い、試してみることにした。


「風の精霊に感謝します。再生の象徴、グリーンスライムよ、姿を現せ!風召喚:第5応用魔法!エアリアル・オーズ!」

ハーベルが詠唱すると、小さく可愛らしい魔法陣から、先ほど消滅したはずのグリーンスライムが召喚された。


ハーベルは戦闘態勢に入って様子を見たが、召喚されたグリーンスライムが襲ってくる気配は全くない。

「なるほど、魂はトゲトゲのままだけど、召喚士の命令には逆らえないみたいだ……。だったら…。」

彼はさらに唱えた。


「風召喚:第5応用魔法!エアリアル・オーズ!」

残りのグリーンスライムもすべて召喚してみたが、一体として襲ってくるものはなかった。


さらに、ハーベルから意識を伝えることはできるものの、相手からの返答は得られなかった。

「こうなると、言い方は悪いが使い捨ての駒みたいな扱い方くらいしかなさそうだな……。」

そう言って、ハーベルはすべてのスライムを一度、魔法陣へ戻した。虹色の光がキラキラと輝きながら、スライムたちは消えていった。


残されたのは、心優しい1匹のグリーンスライムだけだ。

彼の額には、目立つように赤い星印がついており、他のスライムと簡単に見分けがついた。


「君は、俺の仲間になってくれるかな?」

ハーベルが優しく尋ねると、グリーンスライムは「うん…。いいよ!」と返事をした。


「ありがとう!名前はヒスイってどうかな?」

ハーベルの提案に、グリーンスライムは嬉しそうに

「うん。可愛い!」と答えた。


ハーベルは改めて宣言した。

「君は、ヒスイだ!」ヒスイは「ヒスイ…。がんばる!」と応え、その緑色の身体がプルンっと輝いた。


•••••••••

自分より弱い魔物は、リヴェレーションを使えば一網打尽にしてしまえるな……。

•••••••••


ハーベルは、新しく作ったマクロの強力な効果を実感していた。


•••••••••

しかも、ネクロマンシーみたいに死体がなくても、召喚できるから結構便利かも…。ただ、強い魔物は、みんなで協力して倒してからでないと契約するのは難しそうだ…。

•••••••••


「それにしても、「設定」スキルって万能過ぎだろ…。こんな便利な能力を師匠はなんで俺なんかに教えてくれたんだろう?」ハーベルは自分のステータスを見つめながら、改めてその強力さを噛み締めた。


•••••••••

ハーベル ♂ 【医術師】【ネクロマンサー】【召喚士】

種族:ヒューマン

武器:【シックスセンス】【神器:金剛の短剣】【神器:金剛の盾】

召喚獣:【ホーリーウルフ】【ムーンウルフ】など

魔法属性:全属性

固有スキル:「統合」

「破壊」「精製」「合成」「構築」「解析」「分解」

獲得スキル:「設定」「把握」「毒耐性」「召喚」「魔法陣」「ライブラリー」「分離」「蘇生」「切断」「転写」「怒号」「万華鏡」「反射」「自動回復」「魔法防御」「再生」

光:究極魔法10  神聖:上級魔法7  薬剤:上級魔法7

闇:究極魔法10  虚空:上級魔法9  召喚:上級魔法7

炎:上級魔法8  黒炎:応用魔法5  解放:上級魔法7

水:上級魔法9

風:究極魔法10  雷鳴:上級魔法8

土:上級魔法9

•••••••••


「イメージの力があれば何でも作れてしまう気がする……。やっぱり、師匠は凄いや!尊敬する!俺にはまだ使いこなせないけど…。」

ハーベルは師匠への尊敬の念を新たにした。


ハーベルは家に戻ると、早速みんなに【解放の書】について説明し、今後の戦闘計画についても相談することにした。


彼の新たな魔道具とスキルが、今後の冒険にどのような影響を与えるのだろうか。


次回 旅立ちの予感~【解放の書】が拓く未来の医療~

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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