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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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悪魔サリエルの支配~魂の真実を求めて~

一行は、一度家へ戻り、カミナから詳しい話を聞くことになった。


ハーベルは、召喚したままのカミナを傍らに置き、仲間にこれまでの経緯を説明し始めた。


召喚獣との意識共有は、近くにいる仲間にも影響するようで、カザキは頭に直接言葉が流れ込んでくる感覚に「なんか…。頭のなかに言葉が流れ込んでくるみたいで慣れないな…。」と、少し不満げに眉をひそめた。


フレアは「まあ、まあ…。」と、なだめるようにカザキの肩を軽く叩いた。


カミナの話によれば、彼女たちを操っていた悪魔の名はサリエルといい、かなりの上級悪魔だという。


エレメンタルスパイアには多くの魔物が連れてこられ、サリエルの支配下にあるらしい。その支配は非常に強力で、一度囚われると魔物たちは逆らうことすらできず、完全に自我を失ってしまう。


ただ本能のままに人間を襲うことしかできなくなるのだと、カミナは悲しげに語った。


「じゃあ、解放すれば人を襲わなくなるのか?」

ハーベルが疑問を投げかける。しかし、カミナは悲しそうに首を振る。


「そうとは限りません…。魔物の中には悪い奴も多いので……。」

その言葉にハーベルも気落ちした様子を見せる。


カザキは投げやりに「やっぱり、そもそも魔物を解放するなんて無理なんだよ!」と吐き捨て、アクシアも「難しそうですわね…。」と悲しげに同意した。


クラリッサがポツリと呟く。

「サリエルを倒すのが一番早いのですが…。」

だが、ハーベルは悔しそうに唇を噛み締めた。

「今の俺たちでは難しいだろうな…。残念だが……。」

ネルもその言葉に同意し、「そうね…。残念…。」と悔しそうに呟いた。


しかし、ハーベルの目には闘志が燃え上がっていた。

「くそ、ソーサリーエレメントが手に入れば!」


•••••••••

師匠はどうしてるかな…?ソーサリーエレメントのことがもう少し詳しく分かったら、一度連絡してみよう!ソーサリーエレメントさえ手に入れば、強大な魔力と禁呪級の魔法が授けられるらしいし、サリエルも倒せるかも…。

•••••••••


ハーベルは心の中で、その可能性に希望を見出していた。


「そういえば、ウルンとカミナの魂を見せてくれるか?」

ハーベルは唐突に尋ねた。

ウルンとカミナは顔を見合わせ、「魂ですか?」「どういうことでしょう?」と不思議そうに聞き返す。


ハーベルは説明し始めた。

「俺はネクロマンサーでもあるんだけど、魂の形と色を見ることができるんだよ!」

二匹は快く承諾する。

「もちろん、構いません!」

「どうぞ!」


ハーベルが二人をじっと見つめると、ウルンの魂は強く輝く黄色い球体で、カミナの魂もまた真っ黒に強く輝く球体であることが見て取れた。


ハーベルは頷きながら考え込む。

「なるほど…。」

クラリッサが尋ねる。

「何か分かったの?」


ハーベルは仮説を口にする。

「もしかすると、二人みたいに丸い魂を持っている者は、いい心を持っているのかも?」

しかし、クラリッサは首をかしげる。

「私にも見えるけど、そうとも限らないような気もするけど……。」


ハーベルはクラリッサに協力を求めた。

「クラリッサ、少し試したいことがあるから手伝ってもらえるかな?」

クラリッサは快く引き受けた。

「ええ、もちろんよ!」


ハーベルとクラリッサは、みんなと別行動で検証したいことがあると言って、再びエレメンタルスパイアへと向かった。


ハーベルは、魂の形状と性質の検証を試みる。


エレメンタルスパイア付近には広大な森が広がっており、様々な魔物が生息している。ハーベルはクラリッサを連れて、少し離れた場所から魔物たちの魂を観察していた。


「ほとんどの魔物の魂がトゲトゲだね…。」

ハーベルは残念そうな顔で呟いた。

クラリッサも同意する。

「本当ね…。あっ!あそこにいるキラーラビットを見て!」

クラリッサが指差す先には、一匹のキラーラビットがいた。


「アイツは丸いね!」

ハーベルは素早く移動し、キラーラビットの背後から気絶させた。そして、即座に回復魔法をかけ、そのまま強制的に契約を試みる。


キラーラビットは混乱した様子で

「あれ、あれれ…。うん?」

と呟いた。


ハーベルは優しく語りかける。

「すまなかった、俺はハーベル…。少し話を聞きたいんだ…。」

キラーラビットはまだ混乱している。


「はっ…。何でしゃべれる?」

ハーベルは状況を説明した。

「実は君を召喚獣にしてしまった…。心配しないでも解放してあげるから、質問に答えてくれる?」

キラーラビットは渋々といった様子で承諾した。

「あ…。ああ、分かった…。」


ハーベルは穏やかな口調で尋ねた。

「君は、人間を襲ったりするのかい?」

キラーラビットは首を振った。

「いや、僕は人間とは会いたくないし、静かに森で暮らしていければそれで満足さ!」


ハーベルは安堵の表情を見せ、

「そうなんだね…。すまなかった。ありがとう!」

と感謝を述べた。


そのままキラーラビットを解放すると、彼は一目散に森の中へと走り去っていった。


「やはり、丸い魂はいい奴なんじゃ?」

ハーベルは同じような検証を何度か繰り返し、その仮説を深めていった。


クラリッサも納得した様子で頷く。

「ハーベルの言う通りみたいね!」


ハーベルは顎に手を当てて考え込んだ。

「そうなると、なるべく簡単にいい魂の魔物を解放できる方法を考えないとな…。」

クラリッサが提案する。

「ハーベルも師匠みたいな魔道具が作れるんでしょ?」


ハーベルは、自分の修行不足を痛感したように呟いた。

「魔道具か…。最近、新しいモノを全く作ってないや…。修行しなきゃいけないのに…。」


クラリッサは励ますように言った。

「ハーベル、一から自分で作ってみたら?」

その言葉に、ハーベルは何かを閃いたかのように、職人モードへと突入したようだった。


次回 ハーベル、職人モードに突入~【解放の書】の誕生~

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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