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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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30階層到達!ハーベル、新たな魔法への挑戦!

「とりあえず、30階層を目指しましょ!」

ネルが明るい声でみんなに呼びかけた。


「うん!」

全員が頷き、テルミットを構えた。その魔道具は、彼らの冒険を大いに助けてくれる頼もしい存在だ。


「この魔道具、マジで便利だな!」

カザキはテルミットの機能に感心しきりの様子だった。


「まあ、俺の師匠の自慢の品なので!」

ハーベルは少し得意げに胸を張った。


「一気に進むぞ!」

カザキが先頭に躍り出た。

前衛はカザキとフレアが担当し、後衛のクラリッサとノアールは、その優位な位置から前線のサポートに回った。


アクシアは、敵の討ち漏らしを冷静に弓で射抜いていく。


ネルは全体の状況を見ながら、的確な指示を出し、防御魔法で仲間たちを守護した。


ハーベルとフランは、パーティー全体の回復と魔力量のコントロールという重要な役割を担っていた。


「ネルの作戦通りに進むと、本当にスムーズだな!」

カザキとフレアは、その効果的な連携に喜びの声を上げた。


「もう、30階層まで来ちゃった…。」

クラリッサも、あっという間の進捗に信じられないといった表情を浮かべた。


「ホーリーバードか…。」

フレアは空中に現れた敵を見上げ、少し悔しそうな表情になった。

「チッ…。飛び回る敵は戦い辛いからな…。」

カザキも、その扱いにくさに舌打ちをした。


「ここは、僕に任せて!」

静かに、しかし自信に満ちた声で、ノアールが一歩前に進み出た。


「ダークネス・グラスプチェイン!」

ノアールが詠唱すると、床から二本の漆黒の鎖が稲妻のように伸び、素早くホーリーバードの足に絡みついた。


白い翼が慌ただしく羽ばたいたが、その動きは完全に封じられた。

「ノアール、ナイス!」

カザキが称賛の声を上げる。


「闇:第5応用魔法!ダークネス・ピアッサー!」

ハーベルが愛用のシックスセンスを掲げ、詠唱を始めた。彼の周囲に、無数の黒い光の矢が形成され、一斉に拘束されたホーリーバードへと放たれた。


無数の矢が命中し、ホーリーバードは光の粒子となって消滅した。

「やるな…。ハーベル!」

カザキは感嘆し、ハーベルの伸ばした手に勢いよく手を合わせた。


「ハーベルの詠唱もカッコいいな!」

カザキが純粋な賞賛を口にすると、

「ですよね!実は、以前クラリッサの詠唱を参考にさせていただきました!しかも、少しだけ攻撃力も上がるように工夫したんですよ!」

ハーベルは誇らしげに胸を張った。


「マジか…。」

カザキは驚きの声を漏らす。

「マジです!」

ハーベルは満面の笑みで頷いた。


「俺も、そうしようかな……。」

カザキは少し羨ましそうな眼差しをハーベルに向けた。


「まだまだ、余裕そうだけど…。」

ネルは周囲を見渡し、冷静に言った。


「いったい何階層まであるんだろ?」

フレアが疑問を口にする。


「外から見ると、100階層くらいに見えましたけど…。空間が歪んでいるみたいなので、正確には分かりませんね…。」

クラリッサは腕を組み、首をかしげながら答えた。


グーーー。


突然、控えめな音がお腹から響いた。

「あ、ごめんなさい…。お腹が空きましたわ…。」

アクシアは頬をほんのり赤らめ、お腹を優しくさすった。


その可愛らしい様子に、

「フフフ…。」

ネルが微笑み、

「ハハハ…。」

カザキが明るく笑った。


「じゃあ、お昼にでもしますか!」

ハーベルがそう提案すると、スキルの力でみんなを拠点へと転移させた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


拠点に戻ると、ネルたちがテキパキと動き出した。

「私たちは、食事の準備をするから少し待ってて!」

そう言って、ネル、クラリッサ、アクシアは楽しげにキッチンへと向かった。


「カザキさんの部屋も作るので、少し手伝ってもらえますか?」

ハーベルがカザキとフレアに声をかけた。

「おお、もちろんだ!」

カザキは快く頷いた。

「私も、手伝うよ!」

フレアは料理よりも、こういった作業の方が得意なようだ。


「何からすれば?」

カザキが尋ねると、ハーベルは周囲の木々を指さした。

「とりあえず、その辺の木から木材を切り出してもらえますか?」

「お安い御用だ!」

カザキとフレアは顔を見合わせ、ニヤリと笑って森の中へと駆け出した。


ハーベルが部屋の設計図を確認するために少し目を離していると、騒がしい音が聞こえてきた。

「はあ?やり過ぎですよ!」

戻ってきたハーベルは、目を丸くして驚きの声を上げた。


カザキとフレアの周囲には、信じられないほどの量の木材が積み上げられていた。まるで小さな山のようだ。

「あれ、多すぎた?」

フレアはへへっと笑って言った。

「いや、つい楽しくなってきて、やり過ぎた…。」

カザキも額の汗を拭いながら、どこか満足そうに言った。


「でも、ここからどうするんだ?」

フレアが不思議そうに首を傾げた。

「こうするのさ!」

ハーベルは積み上がった木材に手をかざし、「設定」スキルを発動させた。


すると、巨大な丸太の山が、みるみるうちに小さな積み木のようなサイズへと変化していった。


「何だ……。その魔法…。」

カザキとフレアは、目の前で起こった信じられない光景に、言葉を失い、ほんの少し後ずさった。


ハーベルは小さくなった木材を手に取り、慣れた手つきでナイフを走らせた。

「これをナイフで、ちょちょいとすると…。はい!部屋の出来上がり!」

あっという間に、一人用の簡素ながらも温かみのある部屋が完成した。


「マジか…。」

カザキは唖然とした表情で呟いた。

「マジです!」

ハーベルは涼しい顔で頷いた。


「あとは、家自体を小さくして、この部屋を付け加えれば完成です!」

ハーベルは、まるで当たり前のことのように説明した。


「全くついていけん…。」

カザキは頭を抱えた。

「同感…。」

フレアも深く頷いた。二人は、ハーベルの魔法の応用に、完全に混乱しているようだった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


食事が始まり、カザキは目の前の料理を勢いよく頬張った。

「この飯、うま!」

フレアもデザートを味わい、目を輝かせた。

「デザートもメチャクチャうまいんだけど!」


「クラリッサが手伝ってくれたの!」

ネルは嬉しそうに二人に伝えた。


食事が一段落した頃、ハーベルが少し真剣な表情で口を開いた。

「みんなに聞きたいんだけど、以前クラリッサにも聞いたことあるけど、「召喚」について詳しい人はいる?」

一同は顔を見合わせ、揃って首を横に振った。


「ハーベル、「召喚」に興味があるのかい?」

ノアールが静かに問いかけた。


•••••••••

ノアールによると、「召喚」には、やはり魔法陣が不可欠であり、呼び出す魔物に対応した魔法陣を習得する必要があるため、事前の準備に相応の時間を要するとのことだった。


さらに、「召喚」を行うためには、基本的に、召喚する対象と同等以上の魔力量が必要となるため、一人で強力な魔物を呼び出すことは非常に困難であることが多いという。


他にも、召喚の際には供物や生け贄を必要とするものや、特定のアイテムを媒介とする特殊な方法も存在するらしい。

ただし、比較的低級な魔物であれば、必要な魔力量も少なく、簡略化された魔法陣でも呼び出すことが可能であるため、「召喚」の基礎を身に付けたいのであれば、そういった低級な魔物から練習を始めるのが賢明だろうとノアールはアドバイスした。


続けて、ノアールは「契約」についても詳しく説明してくれた。


魔物を「召喚」するためには、まずその魔物と「契約」を結び、その後に対応する魔法陣を取得する必要があるらしい。

そして、「契約」を結ぶためには、その魔物を従わせるだけの力が必要となる。


具体的には、その魔物を戦闘で打ち破り、その後、回復魔法などで手当てを施し、友好的な関係を築くことができれば「契約」は完了するという。


ちなみに、魔物とは必ずしも言葉で会話する必要はなく、思念によるコミュニケーションが可能である場合が多いとのことだった。


ただし、非常に稀なケースとして、自分よりも遥かに強力な魔物を「召喚」する方法も存在する。それは、生け贄や自身の生命力を代償として、強制的に「契約」を成立させるという危険な方法であり、大抵の場合は失敗に終わるか、仮に成功したとしても、良い結果には繋がらないことが多い、とノアールは警告した。

•••••••••


「なるほど…。ノアール、詳しく教えてくれてありがとう!」

ハーベルは感心したように頷き、感謝の気持ちを込めてノアールの首筋を優しく撫でた。


「みんな、明日、早速、「召喚」を試してみてもいいかな?」

ハーベルは目を輝かせながら提案した。


一同は彼の熱意に押され、快く頷いた。


「分かった…。手頃な魔物がいたら、すぐに声をかけてくれ!」

カザキはハーベルの肩を力強く叩き、協力を約束した。

「はい、カザキさん!」

ハーベルは満面の笑みで応じた。


こうして、明日はハーベルの「召喚」の練習を手伝いつつ、ダンジョンの40階層を目指すことが決まった。

次回 聖獣王、ホーリーウルフ~光輝なる盟約~

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頑張って続きを書いちゃいます!

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