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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン6 【六大精霊塔編】(エレメンタルスパイア)

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精霊石の眠る場所~交錯する運命~

みんながレオンの手の上にそれぞれの想いを重ねた。

次の瞬間、レオンは「空間魔法陣」を発動させ、一行は風の神殿の近くの街へと瞬時に移動した。


「やっぱり、レオンの能力は便利ね!」

リセは、その便利な移動手段を素直に褒め称えた。

「ああ、基本、情報さえあればどこへでも移動できるからな!」

レオンは、少し得意げな表情で答えた。


トリガーは、遠くの空にぼんやりと霞んで見える巨大な塔を見つめ、目を細めながら言った。

「あの塔か……。」


「遠いのか近いのかも、まだよく分からないわね……。」

サクナは、その距離感の掴みにくさに呟いた。


「見た感じだと、軽く100階くらいはありそうだな……。」

トリガーは、塔の巨大さを推測した。


「でかすぎだろ……。」

アルカは、その途方もない大きさに思わずツッコミを入れた。


「まあ、行ってみるしかないだろ!」

レオンがそう言うと、「そうね!」「了解!」と、他のメンバーも同意した。


「レオン、このままみんなで『空間魔法陣』で、あの塔の近くまで移動してみたらどうかしら?」

ミリアが提案した。


「よし、やってみよう!」

レオンはそう言うと、再び手を差し出し、皆がその上に手を重ねた。


しーーーん……。


しかし、何も起こらない。静寂だけがその場を包んだ。


「レオン…。」

ミリアが不思議そうに声をかけた。

「どうした?」

レオンは、困惑した表情で呟いた。

「何かがおかしい……。転移できない……。」


リセは、何か思い当たることがあるように言った。

「やはり、噂は本当のようね……。歩きはもちろん、空を飛んで行っても、あの塔には辿り着けないらしいから……。」

「転移もダメってことか……。」

レオンは、その事実に少し落胆した様子を見せた。


トリガーは、レオンの肩に手を置き、励ますように言った。

「何か、あの塔に入るための、特別な条件みたいなものがあるのかもしれないな!」

「うん……。」

レオンは、トリガーの言葉に小さく頷いた。


こうして、レオンたちは、とりあえず塔が見える方向へと、徒歩で向かい始めることにした。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


その頃、カザキと共に家に戻ったハーベルたちは、風の神殿の近くに突如として現れた謎の塔について話し合っていた。


ハーベルは、ネルが淹れてくれた温かいお茶を一口飲みながら、仲間に問いかけた。

「みんな、あの塔についてどう思う?」


クラリッサは、少し考え込むように言った。

「あの塔は、もしかしたら『エレメンタルスパイア』かもしれません!」

聞き慣れない言葉に、他のメンバーは顔を見合わせた。


「何だ……。そのエレメンタルスパイアって?」

ハーベルが、クラリッサに詳しく説明を求めた。


クラリッサは、神妙な表情で語り始めた。

「私も、古くからある伝承でしか聞いたことがありませんが、『エレメンタルスパイア』は、別名『六大精霊塔』とも呼ばれていて、この世に各属性に一つずつしか存在しない、『精霊石』と呼ばれる特別な物が奉られている塔だとされています。そして、その精霊石と契約した者は、この世を破壊し尽くすほどの強大な魔力と魔法を得ることができると言われています……。」

彼女の声には、畏怖の念が込められていた。


ハーベルは、その説明を聞いてピンときた。

「それって、ソーサリーエレメントのことだろ?」

「ああ、確か精霊石のことを、そうとも呼ぶらしいわね……。」

クラリッサは、ハーベルの言葉に補足した。


フレアは、目を輝かせながら言った。

「ってことは、あの塔を目指せば、そのとてつもない力が手に入るかもしれないってことか?」


ハーベルも、期待に胸を膨らませて言った。

「リーフィア師匠が、ずっとそのソーサリーエレメントを探していたんだよ!」

ネルは、ハーベルに優しく微笑みかけた。

「じゃあ、先に私たちが調査してみて、もしそうだったら師匠にも教えてあげなきゃね!」

「うん、そうだね!」

ハーベルは、ネルの提案に賛同した。


「じゃあ、これは行くしかないな!」

カザキが力強く言った。

「そうですわね!」

アクシアも静かに頷いた。


こうして、ハーベル一行も、謎のエレメンタルスパイアへと向かうことを決意し、早速移動を開始した。

次回 【MACOK】の呪縛~捨てられた紙切れの代償~

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