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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン5 【魔刻印者編】(逆襲)

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悪夢の終焉と希望の芽生え ~自由への翼~

「アルカ………。」

サクナの瞳から、ゆっくりと光が消えていった。

彼女の最後の言葉は、愛する姉の名だった。

•••••••••「ミリア……。ミリア…!」

「ミリア…。大丈夫?」

優しいレオンの声に、ミリアはゆっくりと意識を取り戻した。


「ああ…。レオン!」

安堵したように、レオンはミリアを強く抱き締め、しばらくその温もりを確かめ合うように動けなかった。


実際は、あの時………。


「ミリア…。行くぞ!」

レオンは呟くと、ミリアをしっかりと抱き締めたまま、「空間魔法陣」でメルギドの後方へと移動していた。


そのまま、レオンが背後からメルギドを羽交い締めにすると、


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


二人は、一瞬にしてフィラルティア公国の夜空に移動していた。


空中で静止したレオンは、下方にいるメルギドを見下ろしながら言った。

「メルギド博士…。今までありがとうございました!」

そして、そのまま拘束していたメルギドを勢いよく突き落とした。


この時、ミリアの静かながらも強力な「無効化」スキルの効果によって、メルギドが使おうとした「空間魔法陣」は既に封じられていた。


それよりも前に、密かに発動していたミリアの「白昼夢魔法陣」によって、メルギドは深い夢の中に閉じ込められていたのだ。


メルギドは、そのまま地面に叩きつけられ、意識を失い、血まみれになりながらも、かろうじて息がある状態だった。


レオンは、優しくミリアを抱き起こすと、再び強く抱き締め、安堵の思いを分かち合うように動けなかった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


レオンたちは、意識を失い、瀕死のメルギドを運び、高等部の旧校舎へと戻っていた。


旧校舎では、トリガーたちが巨大なアイアンゴーレムと激闘を繰り広げていた。


アイアンゴーレムは、メルギドの施した「頑丈魔法陣」によって、信じられないほど防御力が強化されていた。


「コイツ、メチャクチャ硬いんだが!」

トリガーは、渾身の攻撃がまるで通用しないゴーレムに、焦りと苛立ちを募らせていた。


トリガーの放つ銃弾や爆撃は、ことごとくアイアンゴーレムの硬い装甲に弾き返されていた。


「通常の攻撃では、埒が明かないわ!」

サクナは、状況を打開しようと声を上げた。


「じゃあ、どうする!」

トリガーは、もはやお手上げといった様子だった。


その時、サクナがアイアンゴーレムの前に毅然と立ち塞がった。アルカは、辛うじて「蛇鞭魔法陣」でゴーレムの動きを牽制していた。


サクナが静かに「魅了魔法陣」を発動させると、巨大なアイアンゴーレムの動きに、わずかながらも明らかな揺らぎが見られた。


「ええ、そんなもので本当に効くのか?」

トリガーは、半信半疑といった表情で首を傾げた。


「サクナ…。よくやった!」

リセは、その一瞬の隙を見逃さなかった。ふらつくアイアンゴーレムを素早く「布陣魔法陣」の中に閉じ込めると、トリガーは、その機を逃さず、「砲弾魔法陣」から取り出した火炎放射器で、閉じ込められたアイアンゴーレムを高温の炎でドロドロに溶かしてしまった。


「やった!」

サクナは、喜びのあまりアルカに飛びつき、抱き合った。

「お疲れ!」

トリガーは、リセと笑顔でハイタッチを交わした。


何とか四人で協力し、強敵アイアンゴーレムを撃破したのだった。


そこへ、レオンとミリアが、意識を失いかけたメルギドを引きずってきた。

「死ぬ前に、早いとこ頼めるか?」

リセは二つ返事で答えた。

「もちろん!」

そして、素早く「布陣魔法陣」でメルギドを小さな繭の中に封印した。


「終わった!」

レオンは、手のひらに乗るほど小さくなったメルギドの繭を拾い上げ、静かに言った。


「一時はどうなるかと思ったわ…。」

ミリアは、安堵の表情を浮かべた。


「レオンが裏切ったのかと…。」

アルカは、複雑な思いを吐露した。


「僕の方が驚いたよ…。最後まで手間のかかるヤツだ…。」

レオンは、明るい声で言った。


「まあ、終わりよければすべてよしとするか!」

トリガーがドカンと大きな音をたてて座り込んだ。


サクナは、空を見上げ、うっすらと涙を浮かべながら言った。

「これで、本当に自由になれたんだね…。」


リセは、感慨深げに呟いた。

「長かった…。【MACOK】としての人生か…。」

そして、涙ながらにアルカとサクナに強く抱きついた。


「レオン、これからどうするの?」

ミリアが問いかけると、レオンは静かに答えた。


「ああ、この人生は、すぐには変えられない…。僕は、みんなで新しい組織を作って、生活の基盤を作りたいと思っている…。」

彼は、仲間たちに未来への希望を込めた提案をした。


その言葉に、ミリアは迷わず手を挙げた。

「私はレオンについていくわ!」


トリガーもすぐに賛同した。

「俺も、しばらくレオンに付き合うよ!」


サクナとアルカ、リセも声を揃えて言った。

「当然、私たちもついていく!」

「私だって!」

「満場一致だね!」

サクナは、嬉しそうに笑った。


とりあえず、レオンたちは、当面の拠点として、メルギドが使っていた高等部の旧校舎の地下室を利用することにした。

新たな生活への第一歩を踏み出すために…。


次回 表の世界へ ~秘められたる力とそれぞれの願い~

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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