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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン5 【魔刻印者編】(逆襲)

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仕組まれた破滅 ~崩れゆく希望~

満天の星が夜空を埋め尽くし、大きく輝く満月が、まるでレオンたちの行く末を優しく見守るかのように、旧校舎を照らしていた。


レオンたちは、静寂に包まれた王立魔法学院高等部の旧校舎へと足を踏み入れていた。


その時だった。


「【MACOK】の皆さん…。ごきげんよう!」

予期せぬ人物が、なぜか旧校舎の正面で待ち構えていた。メルギド博士だった。


•••••••••

メルギド ♂ 【魔法陣使い】

【ヨッシュガルド王立魔法学院高等部 魔法陣研究室 教授】

種族:ヒューマン

魔法属性:闇属性、光属性

固有スキル:「分解」「偽装」

魔法陣:「空間魔法陣」「金属魔法陣」「岩石魔法陣」「召喚魔法陣」「締縄魔法陣」「高速魔法陣」「音魔法陣」

光:究極魔法10 神聖:見習い魔法1

闇:究極魔法10 虚空:究極魔法10

炎:応用魔法5 

水:応用魔法5 

風:応用魔法5 

土:応用魔法5 

•••••••••• 


「あれ……。予定と違う!」

レオンは、完全に意表を突かれ、動揺の色を隠せない。計画が狂ったことに、焦りの色が滲んだ。


「安心して…。レオン!」

サクナは、そんなレオンの肩に優しく手を添え、落ち着かせようとした。


そして、一歩前に進み出ると、サクナはメルギド博士に向けて静かに「魅了魔法陣」を発動しようとした。その瞳には、相手を惑わすための微かな光が宿る。


「博士、少しお話を聞いてください!」

サクナは、警戒心を解くように穏やかな声で話しかけた。


しかし、メルギド博士は嘲笑うかのように言った。

「ハハハ……。お前の魅了魔法陣なんか、全てお見通しですよ!」

「ええ…。何で?」

サクナは、自分の魔法が見抜かれたことに、心底不思議そうな表情を浮かべた。


メルギド博士は、不気味な笑みを浮かべながら、驚くべき事実を告げた。


「お前たちの行動は、全て私が仕組んだものだ!レオン、よくやってくれました!」

そして、まるで旧知の相手に挨拶するかのように、軽く会釈をした。

「はあ?知らない……。」

レオンは、事態が全く理解できず、混乱の色を濃くした。


「レオン…。どう言うことだ!」

トリガーは、信じられないといった表情でレオンに詰め寄った。


他の【MACOK】たちも、状況が把握できず、戸惑いを隠せない。


「すべては、私の計画通りに進みました。レオンには、何か褒美をあげなくちゃいけませんかね……。」

メルギド博士は、自分の計画の成功を確信し、愉悦に満ちた笑みを浮かべた。


「俺は、何も知らない!」

レオンは、心の底から湧き上がる叫びを上げた。裏切られたような、言いようのない感情が彼を支配していた。


「ここまで来て、私に逆らったりはしないですよね?」

メルギド博士は、レオンに向かってニヤリと不気味な笑みを浮かべた。その目は、獲物を追い詰めた狩人のように冷酷だった。


「くそ、いいから、予定通りに行くぞ!」

レオンは、もはやなりふり構わず叫んだ。


「ああ……。どうにでもなれ!」

トリガーも、覚悟を決めたようにレオンに続いた。


その時、メルギド博士が杖を軽く振ると、レオンたちの足元の地面に、今まで見たこともない巨大な魔法陣が瞬時に展開された。複雑な紋様が怪しく光り、中心からは黒々とした魔素が噴き出し始めた。


噴出した魔素が形を成すと、そこに現れたのは、巨大な鉄の塊のような異形の存在、アイアンゴーレムだった。


「はあ……。魔物?」

一同は、その圧倒的な存在感に言葉を失い、驚愕の表情を浮かべた。


メルギド博士は、大きく両手を夜空へと掲げ、狂気に満ちた声で叫んだ。

「ついに、私は魔物への魔法陣付与を完成させたのです!」


「なんてことしやがる!」

トリガーは、その信じられない光景に、落胆の色を隠せない。

「狂ってるわね…。」

サクナは、事の異常さに、深い溜息をついた。


レオンは、依然として状況を完全に把握できず、ただ立ち尽くしていた。


ブォーーー!


アイアンゴーレムは、金属が擦れ合うような不気味な雄叫びを上げ、レオンたちに向かって重量感たっぷりに突進してきた。


トリガーは、迫りくるゴーレムの脅威を感じ、とっさにレオンを引き寄せると、全員を包み込むように「防御魔法陣」で強固なバリアを展開した。


しかし、その直後、アイアンゴーレムの質量と勢いに押され、バリアはまるでガラスのように砕け散り、衝撃波で全員が吹き飛ばされた。


「うわーーー!」

「キャーー!」


メルギド博士は、勝ち誇ったように冷笑した。

「お前たちの魔法陣は、全て把握済みだと言ったでしょう!」


地面に叩きつけられ、体勢を立て直そうとするトリガーは、苦悶の表情で言った。

「くそ、あのアイアンゴーレムの固さは尋常じゃない…。」

それでも、トリガーは諦めなかった。

「これでも食らえ!」と叫び、「砲弾魔法陣」から巨大なバズーカを取り出し、容赦なくアイアンゴーレムに向けて砲弾を放った。


ドカーン!


爆発音が夜空に響き渡ったが、煙が晴れると、アイアンゴーレムは微動だにせず、無傷でそこに立っていた。


「うう……。ぐっは…。」

トリガーは、激しい衝撃を受けたのか、口から鮮血を吐き出した。


レオンたちには、もはや為す術がなかった。圧倒的な力の前に、彼らはただ立ち尽くすしかなかったのだ。

次回 星降る夜の終焉 ~砕かれた絆と残された絶望~

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頑張って続きを書いちゃいます!

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