表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン5 【魔刻印者編】(逆襲)
131/133

雷帝の陥落~悪夢の終焉~

レオンはそのまま、仲間たち全員を連れて、犯罪ギルド【ルナアークの翼】の本部へと、一瞬で空間を跳躍した。


レオンが連れてきた場所は、無機質なコンクリート打ちっぱなしの広々とした倉庫だった。そこには、所狭しと盗品と思われる木箱が積み上げられ、雑然とした雰囲気を醸し出していた。


そんな殺風景な倉庫の一角に、場違いなほど豪華な革張りのソファが置かれ、その周囲だけがスポットライトのように明るく照らされていた。


「おお、お前ら何だ!」

ソファにゆったりと腰掛けたまま、その男はこちらを一瞥し、まるで落ちているゴミでも見つけたかのように、全く驚く様子もなく、むしろ退屈そうに言い放った。


その男、ガルシアは、堂々とした体躯を大きなソファに預け、両手を大きく広げて悠然とこちらを見据えている。


•••••••••

ガルシア ♂ 【魔法陣使い】

【国宝専門盗賊団 ルナアークの翼 団長】

種族:ヒューマン

魔法属性:風属性、光属性

固有スキル:「合成」「恫喝」

魔法陣:「豪腕魔法陣」「解錠魔法陣」「爆破魔法陣」「窃盗魔法陣」「逃走魔法陣」「壁抜魔法陣」「布陣魔法陣」「音魔法陣」

光:究極魔法10 

闇:応用魔法5 

炎:応用魔法5 

水:応用魔法5 

風:究極魔法10 雷鳴:究極魔法10

土:応用魔法5 

•••••••••• 


テーブルに投げ出された太い足は、ゆっくりと組み直された。その態度には、この上ない自信と余裕が滲み出ていた。


「ガルシア!」

リセは、その姿を認めるや否や、憎悪と恐怖が入り混じった声で叫んだ。


「お前が、ガルシアか…。ここで死ね!」

レオンは、リセの叫びに呼応するように、冷たい眼差しでガルシアを睨みつけ、吐き捨てるように言った。


「リセ!……こっちへ来い!」

ガルシアは、いつものように、凄みのある低い声でリセを呼びつけた。その声には、抗えない威圧感が宿っていた。


「うっ……。」

リセは、ガルシアの声を聞いた瞬間、体がビクッと震え、まるで条件反射のように、彼の元へ一歩踏み出そうとした。

過去の支配から完全に抜け出せていないことがうかがえた。


「リセ…。もういいんだよ!」

レオンは、リセの肩に優しく手を置き、その動きを制止した。


その声には、温かい労りと強い決意が込められていた。

そして、ガルシアに向かって、レオンは怒りを込めた声で言い放った。

「お前は、ここで再起不能にする!」


「ハハハッ…。大きく出たな!どうだ、その心意気に免じて、一度だけ許してやる!俺の組織に入れ!」

ガルシアは、レオンの言葉を鼻で笑い飛ばし、信じられないことに、彼を自分の組織に勧誘してきた。


その傲慢な態度に、レオンの怒りはさらに増した。

「はん…。言ってろ!」

レオンもまた、ガルシアの言葉を嘲笑するように鼻で笑うと、


次の瞬間、

ズキューン、ズキューン、ズキューン……


トリガーが、間髪入れずにショットガンをガルシア目掛けて三連射した。


倉庫内は、炸裂音と同時に舞い上がった硝煙と埃で視界が悪くなった。

「殺ったか?」

トリガーが、煙の向こうを見つめながら呟いたその瞬間、


煙の中から、信じられないほど巨大な手がヌッと伸びてきて、トリガーの首元を鷲掴みにした。


「うううう……。」

トリガーは、喉を締め付けられ、苦悶の表情で足をバタつかせた。


その危機的状況に、とっさにレオンが反応した。

トリガーの腕を掴むと同時に「空間魔法陣」を発動させ、寸前のところでトリガーを安全な場所へと瞬間移動させた。


「ほお………。これを避けるかね!面白い。ますます俺の飼い犬にしたくなった。どんどん行くぞ!」

窮地を脱したにも関わらず、ガルシアは余裕の笑みを浮かべ、さらに勢いを増してそう叫ぶと、

「ゼウス・インフュージョン!」

ガルシアは、天に向かって力強く拳を突き上げた。


すると、彼の周囲に強烈な雷撃が迸り、その強靭な肉体を眩い雷が覆い尽くした。バチバチと音を立てる雷光は、尋常ではない力を示していた。


ゴクリ…。


その異様な光景に、トリガーは生唾を飲み込み、仲間に警告を発した。


「あんなの食らったら、即死だ!」

雷を纏ったガルシアは、猛烈な勢いでレオン目掛けて突進し、怒涛の如く攻撃を繰り出した。


レオンは、迫りくる雷の拳を、紙一重で「空間魔法陣」を駆使して辛うじて回避していた。


「オラオラ、どうした!殺すんじゃないのか!?」

ガルシアは挑発的な言葉を浴びせてくるが、レオンは冷静にその動きを見極めようとしていた。


「私に任せて!」

その時、アルカが素早く行動に出た。

「蛇鞭魔法陣!」

漆黒の鞭がうねりながら伸び、雷を纏うガルシアの巨体を拘束しようとした。


「これでおしまいよ!」

アルカの拘束と同時に、サクナがガルシアを真っ直ぐに見つめ、「魅了魔法陣」を発動させた。


サクナの瞳に、淡いピンク色の光が宿る。

ガルシアは一瞬動きが鈍り、わずかにふらついたが、強靭な肉体と精神力でサクナの魅了を振り払い、力ずくでアルカの鞭を引きちぎると、サクナ目掛けて巨大な手を伸ばした。


雷を纏ったその手は、触れたものを焼き焦がすような危険なオーラを放っていた。


「ああ………。殺られる…。」

サクナは、迫りくる巨大な手に恐怖を感じ、目を瞑って歯を食い縛った。


「いや、十分だ!」

レオンがそう呟いた、その瞬間、ミリアを抱きかかえたレオンは、信じられない速さでガルシアの背後へと回り込み、「白昼夢魔法陣」を発動させていた。


ビリビリ…ビリ……。


ガルシアの巨大な手が、サクナの細い首を掴む寸前で、まるで時間が止まったかのように静止した。雷の光がチリチリと音を立てている。


レオンは、そのまま動かなくなったガルシアを力強く蹴り飛ばし、床へと転がした。


「すまん、レオン!油断した……。」

トリガーは、冷や汗を拭いながら謝罪した。


「私も…。もう…ダメだと思いました…。」

サクナは、安堵からか、アルカの腕に力なく倒れ込んだ。


レオンは、優しくミリアを起こすと、リセは床に転がるガルシアを冷たい目で見下ろし、


「この、クソ野郎!」

憎しみを込めて足で一蹴りすると、素早く「布陣魔法陣」を展開し、ガルシアを小さな繭の中に閉じ込め、それを強く握りしめた。

次回 戦争狂の悪夢 ~涙の解放、静かなる脅威~

続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ