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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン5 【魔刻印者編】(逆襲)
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アズール王国潜入 ~奪われた自由のために~

リセのアジトのあるアズール王国は、開かれた国策によって多くの国々と友好的な関係を築き、様々な種族が活発に交流する豊かな貿易国家として知られていた。


そのアズール王国において、ひときわ賑わいを見せる交易都市が【トレードウィンド】だった。


この都市の中心にそびえ立つ、まるで巨大なデパートのような七階建ての壮麗な建物こそが、【トレードウィンド】全体の商業活動を統括する商業ギルドの本部だった。


この商業ギルドの会長を務めるサルマンは、温厚な人柄でありながら、卓越した経営手腕を持つ人物として広く知られ、その功績は国からも高く評価されていた。


しかし、アズール王国は経済的な繁栄とは裏腹に、犯罪発生率も高く、決して治安が良いとは言えなかった。


当然のことながら、サルマン会長もまた、その地位と富ゆえに命を狙われることが少なくなかった。そのため、彼の周囲には常に厳重な警備体制が敷かれていた。


そんなサルマン会長の命を執拗に狙っているのが、隣国ダルメシア帝国の商業ギルド長を務めるバルダックだった。


バルダックは、表向きは温厚な会長として振る舞っていたが、その裏では強大な力を持つ存在だった。

そして、彼はトリガーのマスターである【魔法陣使い】その人だったのだ。


バルダックの主な「副業」は、武器の密売や横流しであり、彼は世界中に紛争の種を意図的にばら撒き、平和な世の中を混乱の渦に陥れることを何よりも喜ぶ、狂気に満ちた闇商人だった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


アズール王国のサルマン商会は、国王への献上品として、国宝級の貴重な品々を数多く扱っていた。それらの品々は、当然ながら厳重な警備体制の下に保管されていた。


一方、リセは南国の豊かな自然に囲まれたアルマニアで生まれた。優しい両親に愛情深く育てられ、何不自由のない穏やかな日々を送っていた。


しかし、ある日、両親と共に船と馬車で隣国へ、故郷の名産である果物を卸しに行く途中、悲劇が彼女を襲った。


獣人専門の猟師、ハンターたちに襲撃され、両親は無残にも殺害されてしまったのだ。


ハンターという職業は、アルマニア以外の地域では珍しい存在だった。


その時、奇跡的にリセの命は助かったものの、彼女は人買いに捕らえられ、【ルナアークの翼】と呼ばれる、国宝の窃盗を専門とする犯罪組織へと売られてしまったのだ。


【ルナアークの翼】のボスは、ガルシアという屈強な男だった。彼は並外れた喧嘩の腕を持ち、格闘においては右に出る者はいなかった。そして、このガルシアもまた、【魔法陣使い】だったのだ。


リセがガルシアに最初に命じられたことは、彼の「ペット」になることだった。


猫の獣人であるリセは、その可愛らしい容姿からガルシアに気に入られ、彼の傍に置かれることになった。


しかし、その扱いは酷いものだった。気に入らないことがあると足蹴にされ、ガルシアがソファに座る際には足置き場として扱われるなど、まるで生きた道具のように扱われていた。


彼女の住処は、薄暗くじめじめとした穴蔵のような檻であり、食事は二日に一度与えられれば良い方だった。


そんな絶望的な日々の中で、リセは【MACOK】としての盗みの依頼で、アズール王国の首都マルカスを訪れたレオンと出会ったのだった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「次は、リセのところだね!」

レオンは振り返り、少し緊張した面持ちのリセに明るく微笑みかけた。


「うん、ガルシアはとにかく強いから、みんな気をつけて!」

リセは不安げな表情でレオンを見つめた。その瞳には、拭いきれない過去の記憶が宿っているようだった。


「大丈夫!この六人なら、絶対にガルシアを打ち破れるはずだ!」

レオンの瞳には、揺るぎない自信が宿っていた。彼の言葉は、仲間たちの心に静かに力を与えた。


レオンはそっとリセの手を握りしめた。その温もりに応えるように、他の仲間たちの手も、優しく二人の手に重ねられていった。


「一気に片付けるぞ!」

レオンの号令に応え、その場にいる全員の瞳が、決意を秘めた鋭い光を放った。


「うん!」

リセも小さく頷き、仲間の温かさに勇気づけられた表情を見せた。


そして、レオンはそのまま、仲間たち全員を連れて、犯罪ギルド【ルナアークの翼】の本部へと、一瞬で空間を跳躍した。

次回 雷帝の陥落~悪夢の終焉~

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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