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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン4 【聖域巡礼編】(第二幕)
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疾風の剣士と悪魔の影

カザキを連れて、宿屋の食堂へとやってきて腰かけた。


「ありがとう、ハーベル。」

「はい。」

カザキは少し辛そうに腰を下ろす。戦いの疲れが残っているのか、動きに違和感があった。しかし、休む間もなく彼の表情は険しくなり、不安げに口を開く。


「でも、またさっきみたいなことがあったらと思うと、オレも気が気じゃない……。」

カザキの視線はテーブルに落ち、拳を握りしめる。彼はまだ先ほどの出来事を引きずっているようだった。


「大丈夫ですよ。その時は、俺がまた何とかしますから!」

ハーベルは力強くカザキの肩を叩いた。その言葉には揺るぎない自信があり、仲間を支える覚悟が込められている。カザキはその手のぬくもりを感じ、わずかに笑みを浮かべる。


「ハーベル……、言うようになったな。」

「はい、安心して。」

ハーベルはニッコリ微笑んだ。その笑顔には頼もしさが宿っており、場の雰囲気が少し和らいだ。


「ちょっと、いいかしら。」

クラリッサが手を上げ、カザキの装備を指差した。彼女の表情は真剣で、すぐに話し出した。


「その羽のような装備、それが元凶です!嫌な魔力を放出していますよ!」

クラリッサは息苦しそうに言った。彼女は強い魔力を感じ取れる能力があり、その装備から発せられる異質な気配に顔を歪める。


「これは、風の神殿の55階層で、神器と一緒にドロップしたんだ…。空が飛べる便利なアイテムだ。」

カザキは少し戸惑いながらアイテムを取ろうと手を伸ばす。しかし、すぐに違和感を覚えた。


「あれ、外れない!」

カザキが四苦八苦している。装備はまるで自身と一体化したかのように動かず、どんなに力を入れても剥がれない。


ハーベルも外そうとするが、まったく微動だにしない。二人は顔を見合わせ、焦りが増していく。


「その【悪魔の翼】は呪われています!そのせいで悪魔につけ狙われているのです!」


クラリッサが断言した。その言葉に場の空気が一変し、皆が装備をじっと見つめる。


「神聖:第6応用魔法!ディバイン・パージ!」


ハーベルが【悪魔の翼】に手をかざした。


光の女神と共にまばゆい光が飛び散ると、


コトン……。


「ああ、外れた!」

ハーベルが拾い上げた。【悪魔の翼】は床に転がり、今はただの無機物のように見える。しかし、その不気味な気配はまだ消えていない。


「ハーベル、そのおぞましいものをどこかへやってください!」

クラリッサが汚物でも捨てるような口調で指示した。彼女はその装備を見るのも嫌な様子だ。


「了解!零式!」

ハーベルは一瞬で消えると、土の神殿の54階層へ飛び、装備を放り投げてきた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「おやおや、またしても邪魔が入りましたか…!あの坊や、目障りですね!」

どす黒くて怪しい影がスーッと消えた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


ブルッ……。


クラリッサは身震いして辺りを見回した。魔の気配が一瞬、背後に現れたような錯覚を覚える。


「クラリッサ、助かったよ。オレは、以前ネルとハーベルと同じギルドに所属していた。カザキと呼んでくれ。」


カザキがクラリッサに頭を下げて、みんなに自己紹介をした。


「ハーベル、よろしくな。」

「はい、先輩。」

「もう、先輩はよしてくれ。」

「分かりました。カザキさん。」


••••••••••

カザキ ♂ 【風の剣士】

種族・ヒューマン

武器・【神器・疾風剣】【神器・疾風脚】

魔法属性・風属性

固有スキル・「合成」

武器スキル・「神風」「舜脚」

光・応用魔法5

闇・応用魔法5

炎・応用魔法5

水・応用魔法5

風・究極魔法10

土・応用魔法5

••••••••••


【神器・疾風剣】

風属性を特大アップし、眼にも止まらない早さで斬撃を放つ。「神風」スキルで巨大な竜巻を起こしてすべてを吹き飛ばす。


【神器・疾風脚】

風属性を特大アップし、「瞬脚」スキルで眼に見える範囲なら一瞬で移動が可能だ。


「オレは、風の魔法が得意で、剣をこよなく愛す!」

カザキが疾風剣を構えた。


「フレアと気が合いそうだな。」

ハーベルがそう言うと、


フレアが少し照れながら、

「カザキ、よろしくな。」

「ああ、フレアよろしく。」


「カザキさん、アクシアと申します。よろしくお願いいたします。」


アクシアが丁寧に頭を下げた。


「こちらは、フランとノアールだよ。」

「カザキ、よろしくね。」

「どうも。」

軽く挨拶をした。


「ええ、ネコがしゃべった!?」

カザキが驚いていると、


「ああ、二人はもともとピクシーなんだよ。」

ハーベルが二人を抱いて紹介した。


「なんか、ハーベルらしい楽しいパーティーだな。」

カザキが嬉しそうに微笑んだ。


「これで前衛もかなり強化されたね!作戦も立てやすくなって大助かりだわ!」

ネルはカザキとハーベルに視線を向け、満足げに微笑んだ。


その様子を見て、一同の顔にも自然と柔らかな笑みがこぼれる。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「アイツら……全員……殺す!」

「隠蔽」スキルを使い、ずっとハーベル一行を監視していたレオンは、その光景を見つめながら低く呟いた。


次の瞬間、彼の姿は闇の中へと溶けるように消えた。


次回 幻影の塔に挑む者たち

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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