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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン4 【聖域巡礼編】(第二幕)
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魔物は食材!?驚きの食文化!

師匠が帰り支度を整えながら、穏やかな声でクラリッサに語りかける。

「クラリッサ、この『ゴーレムの心』を預けておくわ。もしかしたら、何かの役に立つかもしれないから。」


クラリッサはしっかりとうなずき、その小さな宝物を受け取った。

「師匠、分かりました。」


すると、ハーベルが優しい笑顔で尋ねる。

「師匠、零式でお送りしましょうか?」


しかし、師匠は優雅に微笑みながら首を横に振った。

「いいえ、他にも寄りたいところがあるから、ホウキでゆっくり帰るわね。ありがとう。」


「分かりました。」


師匠は皆に向かって軽やかに手を振る。

「じゃあ、みんなありがとう。行くわね。連絡待ってるわ。」


「師匠、気を付けて!」

「お気をつけて!」


仲間たちの声に見送られながら、師匠はホウキに乗り、美しい髪を風に棚引かせながら、優雅に空へと舞い上がっていった。

その姿はどこまでも自由でありながら、どこか切なさを感じさせた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


ハーベルたちはリーフィアを送り出すと、次の目的地であるサンドリア王国を目指して飛んでいた。


「みんな、風の神殿に行く前に町へ寄ってもいいかな。」

「もちろんですわ!」

ハーベルの絨毯に乗っていたアクシアが微笑みながら答える。


「一度、戦利品を整理しておきたいんだ。」

「私たちも買い物をしたいから助かるわ!」

クラリッサがそう言いながら、綺麗な羽を翻して飛んでいた。


「うん、賛成!」

フレアはお腹が空いている様子でお腹を擦っていた。


「ハーベル、私もついていっていい?」

ネルが可愛く目を潤ませながらしがみつく。

「もちろん!」

ハーベルの気分は晴れやかだった。


「クラリッサ、近くに町はあるかな?」

「ええ、さっき『千里』スキルで確認したら、北の方角にそれなりの大きさの町があるみたいです。」

「ありがとう。」


ハーベル一行は進路を北へと調整して町へ向かうことにした。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


その頃……。

薄暗く、嫌な臭いの充満した部屋で、レオンは項垂れていた。


「くそ…何でハーベルばっかり…。」

苛立ちを隠しきれない様子だ。


レオンたち【MACOK】の部屋は、常にメルギド博士によって監視されている。


「ハーベルが…憎い…!」

そう呟きながら、暗器のナイフを壁の的に素早く放った。


ズバッ!


的のど真ん中に刺さったナイフが振動を帯びている。


「フフフ…素晴らしい!レオン、その感情をもっと蓄積させるのです!」

監視していたメルギド博士は嬉しそうに気味悪い笑みを浮かべた。


「そして、感情を爆発させ、心を完全に破壊するのです…!」

メルギドは自慢の魔法陣を眺めながら呟く。


こうして、レオンの心は少しずつ蝕まれ、崩壊の一途を辿っていった…。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


「まだ距離があるみたいだから、この辺りで休んでいこうか。」

ハーベルが皆に声をかける。


「はい!」


ハーベルは、大きな樹の陰に家を設置すると、ネルとクラリッサが率先して食事の準備を始めた。


「ごめん、料理は苦手で!」

フレアはそう言いながら皿を並べるのを手伝う。


「いいえ、大丈夫ですわ!」

アクシアはサラダを担当しているようだ。


「アクシア、お姫様なのに料理もできるなんてすごいな。」

フレアが感心して褒める。


「ええ、淑女の嗜みですわ!」

アクシアは微笑みながら答えた。


「左様ですか…。」

フレアは少しふて腐れながら食器の準備を進める。


「でも、フレアだって野宿の時は料理するんでしょ?」

クラリッサが尋ねる。


「ああ、キラーラビットの串焼きとか!」

「はあ?」

クラリッサは露骨に嫌な顔をする。


「魔物は食べられないでしょ?」

クラリッサは眉間にシワを寄せる。


「何言ってるんだ?食えるぞ!アイテム化する前に魔昌石を取り除けば解体して焼くだけさ。」

「うっそ…。」


一同が絶句する。


「そう言えば、ハーベルも同じようなことを言ってた。」

クラリッサが思い出したように呟く。


「以前、『分離』スキルをキラーバットに使ったら、死体が残ってたって…。」


「ああ、キラーラビットなら魔昌石と角を取り除けばいいんだ。」

フレアは得意げに言う。


「マジですか…。」

「マジだ!」

フレア以外はドン引きしていた。


「ってことは…焼きガニも間違ってなかったの…?」

それを聞いたクラリッサの脳は、以前のハーベルの話を思い出して混乱を極めていた。


次回 操られし剣士と漆黒の影

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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