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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン4 【聖域巡礼編】(第二幕)
110/132

悪魔の封印:解かれる宿命

一行は、軽快にダンジョンを攻略し40階層まで降りてきていた。

「フレア、さっきの神器、試してみたら?」

ハーベルが神器の性能を期待して提案する。


「そうだな!」

フレアが軽く刀を振ると、両手刀を構えながらポーズを決める。


その瞬間、遠方から何かが接近してくる気配があった。


「ヘルリザードマンが来ました!」

クラリッサが警戒の声を上げる。


「フレア、お願い!」

「よし!」


フレアが左手の【狂い咲き】をキラリと輝かせると、静かな水面に一滴の水が落ちるように波紋が広がっていく。


「明鏡止水!」


それと同時に、接近していた30体ほどのヘルリザードマンの群れが突然動きを止めた。まるで時間が静止したかのような異様な光景だった。


さらに、右手の【乱れ咲き】を一振すると――。


「百花繚乱!」


フレアの剣が閃くたびに、無数の斬撃が深紅の花びらとなって舞い散り、ヘルリザードマンの群れは一瞬にして粉微塵になった。


静寂が訪れ、空間にはただ舞い散る炎の花びらが残されていた。


「強っ…。」

ハーベルがあまりの威力に思わず引いていた。


「ヘルリザードマン相手じゃ、オーバーキル過ぎるわね…。」

さすがのリーフィアも驚きを隠せない様子だった。


「フレアさん、かっこいいですわ!」

アクシアが感嘆の声を漏らすと――。


フレアは軽やかに着地し、フィニッシュのポーズを決めた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


45階層のボス部屋。


扉の前に立ったハーベルたちは、刻まれたシンボルを確認した。


「何?」

アクシアが不思議そうに尋ねる。

「壺かな?」

「ああ、壺か…。」

フレアがマークを指でコンコンと叩いた。


ハーベルが慎重に扉を押し開ける。


そこは、静寂に包まれた空間で一面真っ白な部屋だった。


部屋の中央付近に、なぜか二つの台座があり、その上には白と黒の壷が静かに置かれていた。


「なんだこの部屋?」

「不思議な空間ですね…。」

アクシアがそう言って壺を眺める。


「ここに何か書いてある!」

フレアが台座に刻まれた文字を見つけ、読み上げた。


•••••••••

ここを通りたくば、壺の中身を取り出してみよ!

•••••••••


「どういう意味かしら?」

リーフィアもひとつの壺を手に取り、中を覗き込んだ。


「中には何もありませんわよ?」

アクシアが黒い壺を逆さにしながら軽く振ってみた。


その時――。


「あっ!」

アクシアが手を滑らせ、黒い壺を落としかけてしまった。


「危ないな!落としたら死んじゃうだろ!」

「ええ、何?」


どこからともなく、可愛らしい子供のような声が響いた。


「えっ、壺が喋ったのか?」

ハーベルが驚いて、リーフィアから白い壺を借り、床に叩きつけようとする。


すると―― 。


「ああ、待って、待って、割れたら死んじゃう!」

慌てた様子で叫んだ。


「やっぱり、壺が喋ってる!」

「信じられない…。」

「なんだろうな!」


フレアが手荒に黒い壺を扱うと、壺の中からさらに慌てた声が聞こえてきた。


「やめろ!やめてくれ!」

「どうやったら、出せるんだよ!」

「僕たちも分からないんだ…。」

壺たちも困惑している。


ハーベルたちは混乱しながらも、その壺の正体を探ることにした。


「僕たちは、フランとノアールって言うんだけど、本当はマルーレ火山の麓に住んでいたピクシーなんだ!」

黒い壺が経緯を話し出した。


「なんでこんなことに?」

クラリッサが不思議そうに問いかける。


「数年前、火山で遊んでいたら急に現れた悪魔に捕まって、この壺に封印されちゃったんだよ…。」


ピクシーたちの悲しげな声が響く。


「うう、私よりも扱いがひどい…。」

クラリッサが壺を優しく撫でながら、気の毒そうに声をかけてやった。


「なんてことしやがる!」

ハーベルは拳を握りしめながら、怒りを募らせていた。

次回 封印の謎:壺の中の囚われし魂

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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