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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン4 【聖域巡礼編】(第二幕)
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戦場の美しき花:剣士の誇り

その後も軽快に攻略を進めながら、一行はボス部屋の前までやって来ていた。


「フレア、次のボスで神器が出るといいね!」

ハーベルがニコニコしながら言うと、


「ハーベル、変わってないな!」

フレアの顔もほころんでいた。


みんなも微笑みながらそのやり取りを眺めていた。


「35階層のボスは…。」

「おお、蜘蛛ね…。」

「そう来たか…。」

「デカイ蜘蛛は苦手だな…。」

「私も苦手ですわ…。」


ハーベルが嫌々ながらボス部屋の扉を開ける。


そこは今までとは明らかに雰囲気が違っていた。


部屋全体に和の雰囲気が漂い、奥には大きな樹がそびえていた。その樹にはピンク色の炎でできた花が咲き誇っている。


その前には、炎でできた蜘蛛の巣が張り巡らされていた。そこから、大きな蜘蛛がスルスルとゆっくり降りてくる。


「強敵だな…。」

ハーベルはゴクリと息を飲んだ。


「クラリッサ、ネクロマンシーで足止めを!」

「了解よ!」


「アクシアは、初っぱなにデカイの頼むよ!」

「分かりましたわ!」

「その後は、援護にまわって!」

「はい!」


「フレア、俺と左右から同時攻撃だ!」

「おお、昔を思い出すな!」

フレアは嬉しそうに剣を掲げた。


「師匠は、サポートお願いします!」

「任せておいてね!」

リーフィアは的確に指示を送るハーベルを頼もしそうに見ていた。


クラリッサが召喚していた魔物たちをヘルズスパイダーへとけしかけ、動きを封じる。


ヘルズスパイダーは、鋭い足の突き攻撃と炎の糸で魔物たちを蹂躙し、次々と仕留めていった。


「あまり持ちそうにありません!」

クラリッサが合図する。


「アクア・ベヒーモス!」

アクシアが詠唱すると、津波と共に巨大なベヒーモスが現れ、ヘルズスパイダーを抑え込んだ!


「出た、第9上級魔法!」

ハーベルはアクシアの流れるような素晴らしい水魔法に感動さえ覚えた。


「ハーベル、行くぞ!」

「フレア、奴が怯んだ!今だ!」


二人はヘルズスパイダーの左右から飛びかかると、フレアは剣で斬撃を、ハーベルはシャークバイトを使い、水の噛みつき攻撃を繰り出す。


ヘルズスパイダーはもがきながら、後ろにある炎の樹の花びらを散らし始めた。


「ハーベル、フレア避けて!」

咄嗟にリーフィアが叫ぶ。


ピンクの炎の花びらが、そのまま巨大な渦となって炎の竜巻のように二人を襲う。


「フレア!」

ハーベルが目一杯に手を伸ばした。

フレアはとっさにハーベルの手を掴むと、


「零式!」


瞬間移動の光が二人を包み込み、炎の渦をギリギリのタイミングで回避する。


「危なかった…師匠、助かりました!」

ハーベルがリーフィアに手で合図を送る。


その頃、アクシアはすでにディープブルーで蜘蛛の巣をほとんど排除してくれていた。


ギャピーーーーー!


ヘルズスパイダーが怒りを露にして咆哮する。


「フレア、止めだ!

水:第9上級魔法!レイン・ダンサー!」


ハーベルがフレアの剣目掛けて魔法を詠唱すると、激しい雨に包まれたように剣が唸り始めた。


「これなら行ける!」

フレアが剣を構えなおし、次の攻撃に備える。


ハーベルは飛び上がり、二刀流で回転しながら左足をすべて斬り落とした。その勢いで右足も上昇しながら斬り裂くと――。


ギャバーーーー!


ヘルズスパイダーが叫びながら地面へ落ちる。


「止めだ!」

フレアが頭上高く飛び上がると、水の斬撃を振りかざし、ヘルズスパイダーの頭から下まで真っ二つに切り裂いた!


スタンッ!


フレアが着地し、カッコよくポーズを決める。


「おお、フレア、かっこいい!」

みんなで拍手しながら歓喜の声をあげる。


「さあ、フレア、宝箱を!」

「ああ、開けるよ!」

フレアがドキドキしながら宝箱に手を掛けた。


宝箱の中には―― 。

【神器:紅桜くれないざくら:狂い咲き】

【神器:紅桜くれないざくら:乱れ咲き】

【神器:紅桜くれないざくら:爛漫】


「スゴイ!神器三種だよ!」

炎の神器の紅桜シリーズだった。


【爛漫】

鎧で紅桜三種を装備すると炎属性が特大アップ、防御力アップ。「幻夢」スキルで相手に短時間の幻覚をみせ、攻撃を必中にする。


【狂い咲き】【乱れ咲き】

両手刀。単体では使用できず、片方だけでは自分へ炎のダメージが返ってくる。

必ずセットで扱う必要がある。


【狂い咲き】

「明鏡止水」スキルで、一瞬相手の動きを完全に止める。


【乱れ咲き】

「百花繚乱」スキルで無数の斬撃が炎の花びらのように舞い、相手に止めを刺す。


「これが、神器か…スゴイ!」

「フレアさん、おめでとう!」

「いや、これはちょっと一人では貰えないよ!」


フレアはあまりの嬉しさにニヤケながら断る素振りを見せる。


••••••••••

フレア ♀ 【炎の女剣士】

種族:ヒューマン

武器:

【神器:紅桜くれないざくら:狂い咲き】

【神器:紅桜くれないざくら:乱れ咲き】

【神器:紅桜くれないざくら:爛漫】

魔法属性:炎属性

固有スキル:「破壊」

武器スキル:「幻夢」「明鏡止水」「百花繚乱」

光:応用魔法5

闇:応用魔法5

炎:究極魔法10

水:応用魔法5

風:応用魔法5

土:応用魔法5

••••••••••


「フレア、みんなの気持ちを無駄にしちゃいけないよ!」

「あら、あら、ハーベル、かっこいい!」

リーフィアが茶化す。


「では、遠慮なく!」

フレアは本当に嬉しそうにそう言い、神器を装備して堂々と構えた。


「おお、かっこいい!」

「素敵ですわ!」

「フレア、よっ、男前!」

「女だっつーの!」

フレアがハーベルの頭を軽くどついた。

次回 悪魔の封印:解かれる宿命

続きの気になった方は、

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リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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