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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン4 【聖域巡礼編】(第二幕)
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深淵の蟹王と雷鳴の刃

「今日は、25階層のボスからだね。」

ハーベルがやる気満々で言った。


「蟹か。」

「カニね。」

「この蟹、食べられるかな?」

「いや、魔物は食べられないでしょ…。」

クラリッサが嫌そうな顔をして言う。


「そうね、魔物を食べるという発想はなかったわね。」

リーフィアが手を顎に添えながら呟く。

「食べられません。」

クラリッサが言い切った。


「楽しいパーティーですわね。」

そのやり取りを見てアクシアがクスクス笑っていた。


「さあ、開けますよ。」

ハーベルがそう言ってボス部屋の扉を開けた。


「うわ、デカイな。」

「こんな大きな蟹、初めて見ました。」

「すごいですね。」


ゴクリ… 。


「これ、本当に食べれないの?」

ハーベルは蟹に目がなかった。


「だから…。」

クラリッサは呆れていた。


「そんなこと言ってないで。来るわよ。」

リーフィアが気合いを入れ直す。

「はい!」


ビックシザーは、巨体のわりにはハサミの動きが素早く、高速の突き攻撃でハーベルに襲いかかる。


シャキーン、シャキーン、シュッ、シャキーン、シュッ…。


「早すぎるわ。」

アクシアが口に手を当てた。


ハーベルは、そのハサミをすべて避けていた。

高速移動と「零式」スキルで次々を襲いかかるハサミを見事に避けていった。


「ハーベルの動きも早すぎ…。」

「全然、目で追えないわね。」


ウキャーーーーーー!


怒ったビックシザーが、両手のハサミを大きく振り上げた。


「チャンス!」

「雷鳴:第5応用魔法!サンダー・ストライク!」

ハーベルの詠唱で三本の雷撃がビックシザーのハサミと本体を直撃したように見えた。


「やった。」

クラリッサがそう叫んだ瞬間…。


ブクブク、ブクブク、ブクブク… 。


ビックシザーが泡だらけになっていて雷撃は分散され、効果は薄いようだった。


「泡のバリアか…。」

ハーベルが悔しそうに呟く。


「闇と風の精霊に感謝します。闇の恐怖、暴風の力、ビックシザーに幻を。

幻惑:第4応用魔法!ピアシング・ファンタズム!」

クラリッサが詠唱しながら邪神の杖を振り上げた。


ビックシザーの目の前に幻影の大きな槍が六本輪になって現れると、一本ずつビックシザーの本体を貫いていった。


ビックシザーは振り払おうとするが、すべてすり抜けてしまった。

突き刺さった槍は、ビックシザーの精神を次々と破壊していった。


ビックシザーの動きが止まった。


「今です。」

「了解。」


「黒炎:第4応用魔法!ネザー・ブレイズ!」

ハーベルが、シックスセンスを杖のようにして掲げた。


シックスセンスの先から、漆黒の炎がフッと着いたかと思うと、ビックシザーが突然、黒い炎に包まれ一瞬で丸焼きになってしまった。


「何、今の黒い炎…。」

アクシアが驚いているようだった。


「今のは、闇と炎の合成魔法ね。」

リーフィアが説明しながら腕組みをしている。


「いったい、ハーベルは何属性なんですか!?」

アクシアが不思議そうに尋ねた。


「俺は、全属性みたいなんだ。」

「ええ、全属性って本当にいるんですか…。」

「私も驚いたわ…。」

クラリッサがウンウンと頷いている。


「焼きガニって美味しいんだよ。」

ハーベルがヨダレを垂らして言うと、


「もう、その話はいいですって…。」

クラリッサがプンプンと怒りながら腰に手を当てていた。


「うう、美味しいのに…。」

ハーベルは悲しそうに小さく呟いた。

次回 ゼリーの怪物と禁断の術式

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頑張って続きを書いちゃいます!

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