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転生医術師の魔法好きがこうじて神にまで上り詰めた件  作者: 吾妻 八雲
シーズン4 【聖域巡礼編】(第二幕)
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水の神殿と封じられし秘密

メルギド博士は、今回のターゲットについて説明をし始めた。

「レオン、ミズリアの姫は人魚です。」

「人魚ですか…。」

レオンは想像が追い付かなかった。


「人魚といっても、何時間かは人間のように行動ができるそうです…そこを狙いなさい。」

「なるほど、分かりました。」


「今度は、失敗しないように頼みますよ。」

メルギドの顔が一瞬、睨みを利かせる。

「お任せください。」

レオンは、影に隠れるようにいなくなってしまった。


レオンが水の神殿へ着くと、近くの茂みに身を潜めて辺りを偵察していた。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


その日は快晴で、雲ひとつない青空が広がっていた。海鳥が遠くで鳴きながら飛び去っていくのをぼんやりと見ていた。


「ハーベルさん、これをお届けに!」

アクシアが朝早くやってきて、回復用のポーションをいくつか届けてくれた。


「ああ、ありがとう。」

ハーベルはポーションを受けとると、家の扉を紳士のように開けてあげた。


「さあ、中でくつろいでいて。」

「恐れ入ります。」

アクシアは丁寧にお礼を言って中へと入っていった。


「あらあら、気の利くいい娘ね。」


「今回の目的は二つですね。【人魚の涙】をゲットすることと、15階層のボスを確認して倒せそうなら行く感じで。」

「あら、またゲットですわ。」

「了解。」

「分かりました…。」


「ああ、ダンジョン内部は一度スキャンしているので、トラップには気を付けなくてもオッケーだよ。」

ハーベルがそう言うと、


「私には、おっしゃっていることが分かりかねますが。」

アクシアは混乱しているようだった。


「ああ、アクシアには分かりにくかったか…ごめん。」

「いや、私にも分かりにくいですよ。」

クラリッサがまた怒っていた。


「ええ、迷宮内はスキルで一度確認してあるので、罠なんかは気にして進む必要はないので大丈夫ですということです。」

リーフィアがクスクスと笑いを堪えていた。


「師匠…。」

「ああ、ごめんなさい…ハハハ…。」


リーフィアがアクシアにも転生者の話も含めて説明してくれた。


「なるほど、そうだったのですね。やっと理解できました。魔道具もこの家も言葉も不思議なことだらけでした。」

「ごめんなさい。」

ハーベルは反省しているようだった。


リーフィアとクラリッサはまたクスクスと笑い始めた。


「もう…。」

ハーベルはすねてしまった。


⭐☆☆☆☆☆☆⭐


レオンは、水の神殿にアクシアたちが現れると戦闘態勢に入ろうとしたその時…。


「はっ!ハーベル!」

思わずレオンが声をかけそうになってしまった。


•••••••••

ハーベルに本当のことを打ち明けたい。

でも、今出ていったら、間違いなく姫を殺すことになる。

そうしたら、ハーベルたちとも…。

いや、それはどうしても避けたい…。

今は、我慢するしかないか…。

•••••••••


レオンは、【隠蔽】スキルでハーベルたちのあとをしばらく追跡することにした。


水の神殿の内部は、なぜか水中なのに空気があるという不思議な空間だった。しかも、魚が目の前を泳いでいる…


「不思議だ。」

ハーベルが不思議そうに周りを見回していた。


「じゃあ、行きますか。」

「アクシアは、何が得意なんですか。」

クラリッサが聞いてくれた。


「私は、水魔法なら任せてください。ポーション作りも得意ですよ。」


••••••••••

アクシア ♀ 【ミズリア王国の姫君】

種族:マーメイド

魔法属性:水属性

固有スキル:「精製」

光:応用魔法5

闇:応用魔法5

炎:応用魔法5

水:究極魔法10

風:応用魔法5

土:応用魔法5

••••••••••


「クラリッサはネクロマンサーで前衛を、俺は前衛も後衛もできるよ。師匠は主に回復とサポートをお願いしている感じかな!」

「分かりましたわ!私は、後衛で魔法攻撃を受け持ちましょう!」

「お願いします!」


「クラリッサのネクロマンシーで楽々進めるね!」

「自分だって使えるくせに…。」

クラリッサがハーベルにイヤミを呟く。


••••••••••

クラリッサ ♀【ネクロマンサー】

種族:ダークエルフ

武器:【邪神の杖】

魔法属性:闇属性

固有スキル:「分解」「蘇生」

武器スキル:「転心」

光:応用魔法5

闇:究極魔法10

炎:応用魔法5

水:応用魔法5

風:応用魔法5

土:応用魔法5

••••••••••


「さあ、15階層か!」

「鮫だね!」

「サメ…。」

「どうしますか?」


「行けるでしょ!」

「たぶん、俺一人で行けます!」

「お願い!」

リーフィアが肩を叩いた。


ボス部屋の扉を開けると、メガシャークが悠々と泳いでいた。


「また、デカイな!」

「15mはありそうね…。」


「いきます!」

「零式!」

ハーベルが一瞬でメガシャークの背中に移動すると、


「雷鳴:第4応用魔法!サンダー!」

ハーベルが瞬時に詠唱すると、一撃、強力な雷撃が落ちてメガシャークはそのまま裏返しになり、宝箱に変わってしまった。


「ええ、何が起こったんですの?!」

アクシアがついていけずに混乱していた。


「ハーベルは、ああ見えても強いのよ!」

クラリッサは、半笑いで言った。


「ああ見えてもは余計です…。」

「そんなことより、宝箱を!」

リーフィアがアクシアに指差した。


「ええ、私が開けていいんですか?」

「もちろん。さあ【人魚の涙】出ろ!」

ハーベルが一生懸命祈っていた。


アクシアが宝箱をゆっくり開けると、3つのアイテムが入っていた。


【シャークバイト】【海の唄】【人魚の鱗】


【シャークバイト】

水属性の短剣で、水属性アップと攻撃力アップの効果を持つ。「深海」スキルにより、所持している間は水中でも呼吸ができる。


【海の唄】

オカリナのような形をしていて、吹くと魚たちが集まってくる効果がある。


【人魚の鱗】

身に付けると一時的に人魚になれる。


「ああ、惜しいね。人魚違いか…。」

「そう、上手くはいかないわね…。」

「気を取り直して行こう!」

「はい!」


「【シャークバイト】だけハーベルに預けるわね!あとは、私が預かっておくわね!」

「お願いします!」


「今日は、ここまでかな!」

「ありがとうございました!」

アクシアが皆にお辞儀をした。


「アクシア、テルミットを!」

「こうですか?」

皆でテルミットを掲げると、


「あら、外ですわ?」

「お疲れ様!」

「アクシア、送っていこうか?」

「ええ、お願いできますか?」


「オッケー、零式!」

ハーベルが裂け目を作ると、アクシアに通ってもらった。


「あら、城のすぐそばですわ!」

「ハーベルさん、ありがとうございます!」


「うん?城?まあいいか…。」

ハーベルは気にせず帰ってしまった。


「アクシア姫、またお出掛けですか…。」

「はいただいま戻りました!」

「町をうろつくのも、ほどほどにしてくださいね…。」

アクシアは家臣の小言を聞かされていた。

次回 深淵の蟹王と雷鳴の刃

続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

リアクションと⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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