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ケースⅢ 阪口琴音 2章

………「私は亜久田と申します。昨今自殺をする人がたくさんいるでしょう。そんな人達に幸せな一時(ひととき)を過ごしてもらい安らかに死んでもらう。そんな商売をしています。」亜久田は琴音に対してそう穏やかな口調で説明した。「あの私別に死にたい訳じゃないんです…ただ…」思わず琴音はそう呟いた。

「ええ、分かってます。琴音ちゃんの様な美しい人が死んでしまうのは勿体無い。だから琴音ちゃんだけの特別な取り引きをしたいのです。」琴音は亜久田の言っている事はよく分からなかったが自分の容姿を褒めてもらっている事は理解出来た。その事がものすごく嬉しかった。こんな事を言ってくれたの大好きな祖母以来だったからである。

「その取り引きって何ですか?」琴音が問い返す。

「私はクライアントの方が望む事を最大1週間提供致します。そして本来なら1週間後に表向きは心臓発作で亡くなってもらいます。」亜久田は優しく語りかけた。

「本来なら?」琴音が問い返す。

「そうです。本来ならです。実は某国の金持ちが美しい日本人をお嫁に迎えたいと言ってましてね。そして探し当てたの琴音ちゃんなんです。彼の所へ行けば豪邸と美味しい料理と溢れる愛を得られるでしょう。」琴音は亜久田の言っている言葉を半分も理解出来ていないがその場所がとても居心地の良い楽園の様な場所である事は理解出来た。そしてこの話になるしかないという事も理解出来た。

「とても良い話なのですがルールはルールなので私は1週間琴音ちゃんが望むものを提供いたしましょう。何かありますか?」亜久田は優しく問いかけた。

「それならもう一回お婆ちゃんに会いたい。1週間なんて必要ない。1日だけでも良い。」

亜久田の顔に一切の変化は無かった。

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