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ファクト ~真実~  作者: 華ノ月
第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする

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13.


 眞子がミルクティーを飲みながら真奈美にそう尋ねる。


「えぇ、もう大丈夫よ」


 真奈美もミルクティーを口に運びながらそう答える。


「なんか、散々でしたね……。でも、真奈美さんならあんな奴よりもっといい人が見つかりますよ!」


 眞子が握りこぶしを作りながらそう言葉を綴る。


「ありがとう、眞子ちゃん」


 真奈美がその様子に微笑みながら答える。


「……そうだ、真奈美さん。やっぱり例の資格を取るのって相当問題が難しいんですか?」


「うーん……。そうねぇ……。努力次第って言うのもあると思うわよ?」


 眞子の言葉に真奈美がそう答える。


「努力次第か……。よし!頑張ります!!今日もよろしくお願いします!真奈美さん!」


 眞子がそう言って真奈美にその資格の勉強を教えて貰う。


 その時だった。


 眞子のスマートフォンが鳴り響き、誰かからメッセージが来たことを告げた。




「……お待たせしました~!!」


 眞子がラフな格好で紅蓮と透のところまで走ってくる。


「こんにちは、眞子ちゃん♪急に呼び出してごめんね?」


 紅蓮が駆け寄ってきた眞子にそう声を掛ける。


「いえ!大丈夫です!今日は透さんも一緒なんですね!」


 そして、近くのカフェに三人で入り、紅蓮と透が眞子と対面になるように座る。そこへ、注文した飲み物が運ばれてくる。


「今日はどうしたんですか?」


 眞子が注文したメロンソーダを飲みながらそう声を発する。


「えーっと……その……」


 紅蓮がどこか言いにくそうに声を出す。


「……実は俺たち、警察官なんだ」


「……え?」


 透が発した言葉に眞子が一瞬理解できなくて固まる。


「その……ごめんね……。仕事の事、嘘ついていて……」


 紅蓮が申し訳ない顔でそう言葉を綴る。


「……ってことは何かの事件の関係で店に来ていたってことですか?」


 眞子がそう声を出す。


「あー……、まぁ……そんな感じ……」


 紅蓮がどこかもどかしそうに声を出す。


「なんか……」


 眞子がそこまで言って体が震えだす。その様子に紅蓮が「怒っちゃったかな?」と、不安に駆られる。


「……なんか凄いですね!!」


「「え??」」


 眞子がキラキラと目を光らせながら嬉しそうにそう声を出したので、その様子に紅蓮と透が呆気にとられる。


「うわー!!凄い!私今、捜査に協力しているって言う感じなんですよね?!ドラマで見るシーンに自分がいるみたいでなんかワクワクしますね!何の事件か分かりませんが何でも聞いてください!」


 眞子が意気揚々とそう言葉を綴る。


「あ……、じゃあ、ちょっと見て欲しいものがあるんだけど……」


 紅蓮が眞子の言葉に毒毛を抜かれてスーツの内ポケットから一枚の写真を取り出す。


「この人、知ってる?」


 紅蓮がそう言って写真に写っている人物を指さす。


「……下井さんですよね?」


 眞子が写真を見てそう声を出す。


「知っている人?」


「最近は見かけなくなりましたが、前は良く店に来ていましたよ。私はこの人にあまり指名されたことが無いんですが、麗美さんはよく指名を受けていましたよ?」


 透の言葉に眞子がそう話して、紅蓮と透が「やはりな」と言う感じで頷き合う。


「下井さんがどうしたんですか?」


 眞子が不思議そうに聞く。その問いに、答えようか悩むがネットにはその出来事が流れているので、隠す必要は無いと思い、思い切って話す。


「亡くなったんだ……」


「え……?」


 紅蓮の言葉に眞子が驚きの声を出す。


「亡くなった……?だって、昨日見かけた時は元気そうだったのに……?」


「「え??」」


 眞子の言葉に紅蓮と透が声を上げる。


「昨日、この人に会っているの?!何処で?!」


 紅蓮が驚いたように早口でそう聞く。


「いえ……、見かけただけです。買い物の帰りに見かけてホテルに入っていきましたよ?」


 眞子がそう話す。


「……ちなみに、他に知っている人でそのホテルに入った人は見ていないかな?」


 透がそう問いかける。


「いえ……、その後すぐに帰ったので……。もしかして、下井さん、殺されたんですか?」


 眞子がそう声を上げる。


「詳しいことは話せないんだ……。ごめんね」


 紅蓮がそう話す。


「もう一ついいかな?」


「何ですか?」


 透の言葉に眞子が返事をする。


「昨日、麗美がいつもと違う雰囲気で帰ってきたって言ってたよね?それって何時ぐらいか分かるか?」


「……えーっと、確か夕方の五時頃です」


 眞子の言葉に紅蓮と透が顔を合わせる。


「ぴったりだな……」

「あぁ………」


 眞子の言葉に紅蓮と透がそう声を出す。


「なんか……、かっこいいですね!!」


「「……え??」」


 眞子が突然発した言葉に二人がまた同時に声を出す。


「警察官ってなんか堅いイメージがあって真面目君の集まりかと思っていたんですが、なんだか二人ともフレンドリーな感じの人で、ちょっと警察官のイメージが変わりました!特に紅蓮さんは楽しい方だし!」


 眞子が笑顔でそう言葉を綴る。


「でも、二人とも捜査には真剣に取り組んでいるんだなって思って、そんな真剣な顔を見て、なんだかカッコイイって思いました!……よしっ!私も勉強頑張るぞ!!」


「勉強?」


 眞子が二人に何かを感化されたのか、力強い声でそう叫ぶ。その出てきた言葉に紅蓮が反応する。


「はい!実はですね……」



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