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プロローグ 愚鈍な民衆
芸能人、スポーツ選手、創作家。その全てが首輪を付けられている。
首輪は、命令を強制するデバイス。
奴隷が家畜の見世物となり、それこそがエンターテイメント。
奴隷に家畜は、全て国の物。
不要とされたものは、豚小屋に送られる。
首輪を解放させるために戦う怪盗、それがナガハマ率いる黒の執行部である。
・・・「王様が変わってからこの国は、豊かになったわね」
「うん、それは素晴らしいことだよ」
「だけど、スポーツが盛り上がらなくなった気がする」
「スポーツは、見ないからわからないけど。ドラマや本も面白くない」
「何でだろうね?」
「ねぇ、こんな話聞いたことない?」
「えっ?」
「この国の有名人は、みんな首輪を付けられ。王様の命令にだけ従う奴隷だって」
「へ~そんな噂があるんだね。でも、噂でしょ?」
「そうそう」
「だけど何か、面白いことはないのかな~?」
「確かに」
「何だかツマラなくなったよね」
「同意~」
「まあ、それが平和ってことじゃない?」
「そうかもね」
「でももう少し刺激が欲しい」
「だね」