四十一から四十五
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ロココ・バー 会って月並み 繋がりが 夏漲って ツアーは心
ろここばー あってつきなみ つながり(が なつみなぎって つあーはこころ)
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聞けやさぞ 季連る葡の葉の 真屋に来に 山の端昇る 月ぞさやけき
きけやさぞ きつるほのはの まやにき(に やまのはのぼる つきぞさやけき)
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戻る身を 今夜の鷺子来ぬ 背峰尾根 見せぬ心の 底を見るとも
もどるみを こぞのろここぬ せみねお(ね みせぬこころの そこをみるとも)
こ‐ぞ 去年。昨年。今夜。一説に昨夜とも。
ろ【鷺】
せ‐みね【背峰】馬の背筋のような長く連なった高地。
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白斑越し 噛むぞ子な母 真忌み已み 今は花こそ 昔話触らし
しらふごし かむぞこなはは まいみや(み いまははなこそ むかしこふらし)
しら‐ふ【白斑白斑】、しら‐ふ【素面/白面】
か・む 【醸む】、か・む【×噛む/×咬む/×嚼む】
こ-な 【子な】子供たち。妻・恋人などを親しんでも呼ぶ。
ま‐いみ【真忌】
昔話は民話のひとつ。「ムカシコ」
ふら・す 【触らす】( 動サ四 )広く人に知らせる。言いふらす。
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孫の狐 乳揉む楽日や 舞の夜の 今や引くらむ 望月の駒
まこのきづ ちもむらくひや まいのよ(の いまやひくらむ もちつきのこま)
きつ【吉】、きつ【乞】、きつ【吃】、きつ【橘】、きつ【狐】キツネの古名。
古語では<舞>は「まい」ではなく「まひ」。
……ということで直すと、以下な感じ。
孫の狐 乳揉む楽日や 毎の夜の 今や引くらむ 望月の駒
まこのきづ ちもむらくひや まいのよ(の いまやひくらむ もちつきのこま)