表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋や事件やオチャコの騒がしい物語  作者: 水色十色
図書館のミステリー
66/72

明智くんと織田くんたち

 六人がお弁当を食べ終えても、お昼休みは、まだ十五分以上も残っていて、あたしたちは引き続き、おしゃべりタイムを堪能しているのだった。

 でもここに、織田くんと彼の家臣たち、そして松平くんもやってくる。


「おいコラッお前ら、《ピクニックごっこ》は楽しいか?」

「あのねえ織田くん、あたしらのランチ・タイムは、《ピクニックごっこ》じゃないわ。これは《ピクニックそのもの》なの。あんた、分かるかしら?」

「教室の中でピクニックだと? そんな屁理屈、分かるかーっ!」

「であるか。是非もなし。おほほ」

「俺様のセリフを無断で使うなーっ!」

「あはは、ごめんごめん。あ、それより、なんの用かしら?」

「別に大した用じゃねえ。ポンカンがムカつくから、懲らしめにきたんだ」


 あたしは、最近になって気がついたことがあるのだけど、それを織田くんに教えてあげることにする。


「あんたって、ホントは光男さんの実力、認めてるのでしょ?」

「あ、なんで俺様が明智のことなんか、認めなきゃなんねえんだ!」

「織田くんは、気力、体力、腕力、背の高さなら、このクラスで一番かもしれないけど、知力と知識力に関して、光男さんにはテンで敵わない。織田くんが持っていない凄い能力を持つ、この明智光男さんのことを、あんたは心の底では認めているのよ。おそれてもいるのよ。だからいつもいつも、彼に突っ掛かってくるのよ。あたしの推理、どうよ?」

「ふん」

「なにが《ふん》よ、織田くん」

「俺様はな、そんなことを話し合いに、わざわざきてやったんじゃねえ。明後日がなんの日か、浅井でも知ってるだろが」

「明後日? そうねえ、真っ先に思い浮かぶのは、クリスマス・イブだわ」

「そうだ。それでな、お前らは、予定をもう決めてるのか!」


 ええっ、どういうこと?? 織田くん、あたしたちを誘いにきたのかしら?

 ここに明智くんが割って入る。


「実はね、僕の家でパーティーをやろうと思っているのさ」

「なんだとぉ光男! お前の家って、仏教の寺じゃねえのかっ!!」

「仏教でも耶蘇教でも回教でも、楽しいパーティーというのは、楽しいものなんだよ、織田くん」

「なっ、ポンカンの癖に悟ってやがる……」

「そうかなあ」

「是非もなし! この俺様も、お前が主催しようという、そのパーティーに参加してやるぞ。なあ共康?」

「そうだな、俺も参加させて貰うぜ。楽しみだ」

「おれっちも、おれっちも!」

「オレもな」

「まあ大福様! わたくしも参加させて頂きますわ。ええ是非もなく、大福様ともども、今後も神のご加護があらんことを願いまして。おほほ」


 こうして、明智くんのおうちで、クリスマス・パーティーが開催されることに決まったわ。もちろん、あたしとトシヨンも参加するわよ。

 とてもいいパーティーになりそうね。ふふふ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ