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恋や事件やオチャコの騒がしい物語  作者: 水色十色
消えたRと消えたL
39/72

犯行声明の真相

 でも爛丸が無事でなにより。これ名馬、じゃないか迷猫ならず名猫。へへ。

 突如、ここへまた来訪者が二人あった。最初に気づいたあたしが叫ぶ。


「あ、初等部の正親街おおぎまち先生と十吉の弟だよ!」

「ちょっと済みません。松平はいるかな?」

「はい先生、ここにいますよ」

「あ、久しぶりだな。元気かい?」

「はい」

「そうか。おう羽柴、丁度よかった。お前の弟、小梅男がイタズラをしたらしいから連れてきたんだ」

「先生、イタズラってこれのことですよね」


 松平くんが正親街先生に、犯行声明の書かれた紙と、浅井家の紋所が描かれている封筒を手渡す。


「おお、これのことだろうな。こら小梅男、ちゃんと謝れ!」

「ごめんなさい」


 小梅男くんは、松平くんに向かって頭を下げた。


「謝るなら、俺より、そっちの浅井だろ?」

「オチャコお姉さん、ごめんなさい」


 小梅男くんは、あたしに向かって頭を下げた。


「あんた、どうしてこんなイタズラしでかしたのよ?」

「そうだおー、お前おれっちの顔につばを塗ったんだぴょ」

「十吉、それを言うなら、唾じゃなくてどろだよ」

「そうだおー、お前おれっちの顔に泥を塗ったんだぴょ」

「なにも言い直さなくていいから。あ、それより、小梅男くん、ちゃんと訳を話してくれるかしら?」


 小梅男くんはコクリとうなずき、泣きベソ顔で話を始める。


「兄ちゃんが、《最近、オチャコはおれっちより明智なんかと話してばかりなんだおー》とか言ってばかりだから、そいでおいら、このイタズラを考えたおー」

「おー、お前、おれっちのためにやったのかおー!」

「そうだおー!」

「おー、小梅男ー!」

「おー、兄ちゃんおー!」


 おー、おー! と煩い二人だわねえ。

 兎も角、こうして《消えたR》事件の方も、無事に解決したのだった。

 終わりよければすべてよし、とは言えないあたしだけどね。だって今回もまた、明智くんにしてやられたって感じなんだもの。

 でもね、次こそは探偵オチャコが勝つんだからね。浅井の名に懸けて!

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