オチャコ推理中
今は体育館に集まって、二学期始業式の真っ最中。
あたしは学園長先生のお話を聞かない悪い子になっている。
そうよ、そうなの推理なの。あたしの推理脳をフルパワー全開モードで働かせているってことよ。つまり、あたしは、ずっと事件のことを考えているの。
《それにしても、犯人は男子だよね?》
脅迫状の手紙なんて、バカな男子がやりそうなイタズラだもの。
《それとも、大福くんを好きな女子なのかなあ?》
でも違うなあ。女子があんなにバカげたことをするなんて、ちょっと考えればあり得ないと分かる。だってそんなの一番嫌われる方法だからね。
それで今朝からのことを思い返していて、ふとあることに気づくのだった。
《やっぱり織田くんは怪しい!》
爛丸のことを、このあたしが追及した時、織田くんってば一瞬たじろいて、「そ、それは……」なんて口ごもっていたんだよ。心の内になんらやましさがないなら、十吉の弟から聞いたってスパリと答えられるはずなのに。豪胆な性格をしている彼にしては、あまりに不自然な態度だったわ。
それと、いつもの彼は松平くんたちと一緒にゲームの話をしたり、バカらしい遊びをしたりしているのに、推理も猫も興味ないって言いながらも、この捜査に参加したこと。
極めつきは、今朝トシヨンに話し掛けていた明智くんを激しく責めたこと。
これですべての糸が解けた。
《そうよ、織田くんはトシヨンが好きなのよ!》
あたしは確信した。後で彼をとことん追及してやらないとね。
やっぱりあたしの推理、ますます好調だわ。ふふふふ。