表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣の舞~サムライと呼ばれた祖父に鍛えられ、いざ騎士育成学校に入学したら剣術一位だったのでこのまま世界最強剣士を目指すけど、ラスボスはたぶん実の姉~  作者: あっきー
第9章 団体戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/167

八十三ノ舞「完全に宣戦布告」


午前10時。

団体戦の組み合わせ抽選が行われるため、クノッサス大闘技場には出場選手そして多くの観客が集まっていた。

その最前列に陣取る少女は、大闘技場前で配られていた号外を手に目を輝かせている。

茶色い真っすぐな髪を背中まで伸ばし、左耳の後ろに黒いリボンを結んだ青い瞳の少女。

背丈は神速の剣姫のそれと大差なく、腰にかけられた刀が小さな身体に不釣り合いな長さだ。

そんな少女が輝かせた目で見ているのは、先ほど外で配られていた号外だ。

「団体戦要注目な学園と出場選手」と大きな見出しが出ており、それぞれの特徴が書かれている。



-----


やはり団体戦といえば要注目はノースリンドブルムだろう。

ここ数年団体戦の優勝を逃したことはなく、毎年出場2チーム共ベスト4以上の成績を収めている。

学園で行われている独自のカリキュラムが団体、組織としての力を伸ばしているのは間違いない。

今年は新人戦、個人戦と結果を残せていないだけあり、団体戦へかける想いは他の出場校よりも大きいだろう。


続いて今年の個人戦優勝のアリス・ポーラン選手、昨年準優勝のナナシー・ヘンドリクス選手を擁するマジックギルド。

個々の力だけで言えばノースリンドブルムをも超えているであろう曲者ぞろいだ。

出場する2チームのメンバーの内訳は分からないが、優勝争いに加われる実力は充分にある。

個人戦で結果を残しているメンバーが代表メンバーに多く居るだけあり、作戦にも期待がかかる。


最後に今年からの新規参入だったものの、新人戦優勝を掻っ攫い一気に名を挙げたアビスリンド。

個人戦でもベスト4以上に3人の1年生が名を連ねた。

何をしでかすか分からないだけに、先に挙げた2校が最も警戒している学園だろう。

中でも注目なのがユウリ・アマハラ選手。

先の個人戦で前述のナナシー選手、前回優勝のリー選手をことごとく打ち破る活躍を見せた。

他にも個人戦準優勝のアカネ・オオヒラ選手、ベスト4のイオン・フォン・アビステイン選手。

この両名の動向にも注目したい。


そんなタレント揃いの中でも筆者が一番注目しているのが、サクラ・イガ選手だ。

個人戦では優勝したアリス選手に敗れたものの、今大会はシノビの特性が生かしやすい大会なだけに侮れない存在になるはずだ。

今年行われている大会でいずれもダークホースとなっている学園に、今大会も注目の度合いは大きいだろう。



-----


集まった選手たちの中から号外に名前のある選手を見つけてはぴょんぴょん飛び跳ね喜ぶ。

はたから見たら初めて観戦しにきた少女と映るかもしれないが。

この決戦都市クノッサスの商会のトップに君臨しているアルチザーノ商会。

その会長の三女、クロエ・デリーニ・アルチザーノ。

屋敷を抜け出しては闘技場に足を運ぶ、大の闘技場オタクである。

そんなクロエの脳内では、勝手に自己流のアナウンスが流れている。


(ああっ、あそこにおりますのは、マジックギルド学院のナナシー・ヘンドリクス様!

わたくしと身体の大きさは変わらないというのに、なんと堂々たるお姿っ・・・!

全ミニマム系女子の目指すべきお方ですわ!

おや、少し遅れて登場されたのはノースリンドブルム学園のリード・ヘップマン様。

昨年の新人戦以来の公式戦出場、どれだけ成長されていらっしゃるか見ものですわ!

そして今大会もどこまで魅せていただけるのでしょうか、アビスリンド学園の皆様!

イオン様の可愛らしさも健在、ショウヤ様は逞しくなられましたわね。

アカネ様もお元気そうで、シャルロット様も出られるのですね!

ああ、そしてユウリ様!

わたくし、貴方の剣に魅入られてしまいましたの。

来年きちんと責任取ってくださいまし!!)



-----通常視点


視線を感じて客席に振り返ると、イオくらい小さな女の子が飛び跳ねながらこっちを見ていた。

笑顔で手を振ると、1歩後ろを歩いていたアカネも「いえーい!」と観客に手を振り始めた。

ちょっと狙いは違うが、観客が盛り上がってるからいいか。

さすがにこの雰囲気にも慣れたのか、試合になると真っ青な顔してた頃のアカネとは大違いだ。



「それでは只今より、団体戦組み合わせ抽選会を行いたいと思います。

進行はクノッサス守護騎士団2番隊隊長、ルーナ・フォルス・アイギスが務めさせて頂きます。

今大会出場は24チーム、トーナメント形式での対戦です。

参加チーム数の都合により、試合数が異なるブロックもございます。

予めご了承ください。」


壇上からルーナ隊長が声をあげると、場内の盛り上がり具合が5割増しになった気がする。

そんな喧騒の中でも綺麗に声が響くルーナ隊長だからこそ、毎回任されているのだろうけど。

今大会もシードがあるのか。

とはいえ個人戦の時とは違って、3チームで1ブロックという形に変わっている。

1回闘ったらシードのチームと闘って、という具合のブロックが8つ。

この方が試合数の違いで不公平が出にくいし良いのだろう。


「それではノースポート学園Aチーム、メンバーは・・・」


徐々にトーナメント表が埋まってゆく中、ショウヤに小突かれた。

「今大会の布陣で未だに迷っているんだが、ちょっと相談してもいいかい。」

「ああ、いいぞ。」

「アカネくんを攻守のどちらで使うのがいいと思う?」

「基本は守りで良いと思うけど、マジックギルド相手とかだとイオと入れ替えてもいいだろうな。」

「なるほどね。ありがとう、参考にするよ。」


ショウヤも色々考えてるな。

確かにこのメンバー、攻撃的なメンバーが集まっているだけにどう防御に人員を割くかが勝敗を分けそうだ。


「続きまして、マジックギルド学院Aチーム。

メンバーは、ナナシー・ヘンドリクス。アリス・ポーラン。トニー・フレデリック。リシリア・フェイド。ケイオス・グラッドニール。・・・24番。」


メンバーが発表された瞬間、場内がざわめいた。

皆さんが何が言いたいのか、はっきり分かる。

アリスとトニー、ナナシー先輩は説明不要の火力を有し、リシリア先輩は攻守万能型、そして索敵を含めたサポート能力の高いケイオス。

完全に優勝を狙ったメンバー構成だ。


そんなどよめきを聞きながらもどんどんトーナメント表が埋まっていき、最後にアビスリンド学園が呼ばれた。

そこでアカネですら、気づいてしまった。


「1回戦でノースリンドブルムBチームか、3回戦でマジックギルドAチームの2つしか空いてなくない・・・?」

「「上等!!」」


本当にこういうときのシャルロットとはよく意見が合う。

ついでに言えば3回戦を勝ち上がって準決勝に進んだら、ノースリンドブルムAチームと当たるだろう。

そこまでアカネは気づいていないだろうけど。


「アビスリンド学園Aチーム。

メンバーは、ユウリ・アマハラ。アカネ・オオヒラ。シャルロット・マリア・ヴァルローレン。イオン・フォン・アビステイン。ショウヤ・フォン・アビステイン。

・・・20番!」


大闘技場はメンバーが新人戦優勝と同じだということに盛り上がり、組み合わせを見てさらにボルテージを増した。

最後に先輩たちBチームの相手が自動的に決定。

サクの苦笑いは見慣れてはいたものの、今回は普段よりもかなり苦そうだ。

アスカ先輩はあまり表情の変化は見て取れない。

元々あまり顔に出すタイプでもないから見てても分からないか。


「アスカ先輩、嬉しそう!」


アカネのその言葉に振り返り、即二度見。

いやまったく分からないんだけど。


「普段と同じにしか見えないんだけど・・・」

「そうかなあ?最近よく笑うようになったんだよ!」


シャルロットも同じに見えていたようだが、アカネに言いくるめられていた。

まあこの1か月アスカ先輩の隣にいたしな。

そのアカネが言うのだから、きっとそうなのだろう。

俺には全く感じ取れないが。



そんなこんなで組み合わせ抽選が終了した。

出場選手が散り散りになってゆく中、視線の端にメラメラとしたものが映りそちらを向く。

あえて見ようとしてなかったのにな。


やる気満々といった表情で肩を回すトニー。

杖をこちらに向けているアリス。

その2人の前で仁王立ちして、こちらを指差すナナシー先輩。

やめなさいと、とめようとしているリシリア先輩と我関せずと高笑いのケイオス。


あらあら、やる気満々だこと。

ナナシー先輩が指で「かかってきな」と挑発をしてきた。

俺に、というよりは・・・シャルロットに。


シャルロットは1つ溜息をつき、剣を抜く。

それをナナシー先輩に向けて、ゆっくりと大きな十字を斬るように動かした。

まるで、十字架のように。

完全に宣戦布告だ。


あ、ナナシー先輩キレた。

そりゃそうだろう。

あの人、人のこと挑発するくせに短気なんだもん。

リシリア先輩とトニーが慌ててナナシー先輩を抑えているのを横目に、俺たちは会場を後にした。


イオとショウヤだけはきちんとお辞儀をしてから着いてきた。

トニーはともかく、リシリア先輩毎回すんません。


ひとまず、宿に戻って作戦会議といこうか。


拙い作品ですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ