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剣の舞~サムライと呼ばれた祖父に鍛えられ、いざ騎士育成学校に入学したら剣術一位だったのでこのまま世界最強剣士を目指すけど、ラスボスはたぶん実の姉~  作者: あっきー
第5章 個人戦前編

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五十ノ舞「大注目のアビスリンド学園」


翌日。

シャルロットに無理を言い付き添ってもらい、Aブロック2回戦を観戦に来ていた。

第1試合には間に合わなかったが、周りの反応を聞くにノースリンドブルムの代表が勝ったらしい。

これから第2試合、トニーの試合だ。


「さあ個人戦も5日目、Aブロック2回戦第2試合!

マジックギルド学院1年、トニー・フレデリック選手。

ウエストテイン学園2年、シルバー・グービー選手。

今年の新人戦と昨年の新人戦、ベスト・オブ・マッチに選ばれた選手同士の闘いが始まろうとしています!」


やはりAブロックはシードに強者が揃ってるな。

イオ側には問題なく勝てる程度のメンバーしかいなそうだ。

そしてトニーの公式の試合を外から観るのは初めてなので、どんな闘いをするのかとても楽しみだったりする。

自分と互角の闘いを繰り広げただけに、外から観たらどれくらいなのか気になる。

シャルロットと『白狼 (ホワイトウルフ)』で来るのか『白虎(ホワイトタイガー)』で来るのかどっちだろうと話していると、対戦する2人が姿を現した。

対戦相手も帯剣していないので、トニーと同じく拳で闘うのだろうか。

それとも魔法で武器を作り出すタイプか。

トニーよりも筋肉質で、二の腕は俺の太ももくらいの太さがあるからおそらく拳だろうけど。


歓声に笑顔で手を挙げて応えるトニーを見ていると、ふと目が合った。

応援に来ると伝えてもいないのに、こんなにも超満員の中からよく見つけ出せたな。

ニヤリと笑い指を指してくるトニーに対して拳を突き出すと、右肩を回しながら対戦相手と向き合った。

どうやらやる気があがったようだ。


「それでは試合開始!」

擬獣化(ビーストモード)白虎(ホワイトタイガー)


発動と同時にトニーが仕掛ける。

白虎はスピードこそ出ないが、パワーはジャブですら俺が軽々吹き飛ばされる程の威力を持つ。

その重さの右ストレートが、完全に相手の腹を捉えた。

俺だったら間違いなく一撃でノックアウトされるであろうその拳を、シルバーはその場から一歩も動かずに受け止めた。

それも腹でだ。

どんな腹筋と脚力してんだよ。


「去年の個人戦では今の3年が結果を残し、今年は活きのいい1年が多くて困るぜ。

俺たちの世代が弱いと思われるのも癪なんでな。

ちょっと本気でやらせてもらうぜ!」


言いながら左手でトニーの殴ってきた腕を掴み、姿勢を低くして右手を後ろに引くと途端に恐ろしい量の魔力がシルバーの右腕を覆い始めた。

ウッディの破壊と創造の三叉槍(トリシューラ)と同等かそれ以上の危険さを感じるが、トニーは大丈夫だろうか。

掴まれた右手を振りほどけずに焦った表情になっている。

しかし咄嗟に左手で掴まれた腕を殴り、殴られる前に振りほどいて距離を取った。

こちらもこちらで鈍い音が響いたが、折れてはなさそうだ。

パワータイプ同士の闘いに会場は段々とヒートアップしてきており、割れんばかりの大歓声が響いている。



「本当なら、ユウリと闘う時の切り札にしたかったでよ。

でも使わんで結局闘えんようになるくらいなら仕方ないべ。」

トニーが1人で何か呟いてた。

口の動きが止まると同時に先程のシルバーと同じように右腕を引いた。

今までのトニーにはあまりなかった動く前の溜めの動作に、シルバーも思わず言葉を漏らす。

「良い闘気だぜ、お前!」

「パワーチャージ!」

その言葉の通り、殴る前に力を溜めるような動作だ。

時間が長くなるに比例して、感じる危険さも増している。

シルバーも同じことを感じ取ったのだろうか、トニーに向けて突撃。

その瞬間、トニーが拳を振り抜いた。


巨猿の拳キングコング・ナックル!」

完全に空を切った拳。

しかしその先から黄色に輝く半透明の巨大な腕が現れ、シルバーに向かって()()()

咄嗟にガードをしたシルバーをガードもろとも遥か後方の闘技場を囲う壁まで吹き飛ばし、壁は大きく壊れていた。


いやいやいや、あんなもの俺に向けて打つつもりだったのアイツ。

あんな筋肉モリモリの人ですら一撃ノックアウトじゃん。

普通に死ぬからやめてくれ。


「インファイター同士の闘い、決着ー!

激しい撃ち合いが予想されていましたが、決まり手は飛ぶ拳!!

勝者マジックギルド学院、トニー・フレデリック選手です!」


歓声半分、どよめき半分といった盛り上がりを見せる闘技場。

いつの間にトニーはあんな攻撃を身につけたんだ。

成長しているのは、俺たちだけじゃないと言わんばかりに見せつけられたな。


「ユウ、あれをくらったらまた病院送りじゃない?」

シャルロットですら、この感想だ。

病院送りで済むかな。

・・・済むよね?



-----


お昼は一度外に出た。

シャルロットが気を利かせて、いつものホットドッグを買ってきてくれた。

談笑しながら食べ、イオの出番前に闘技場に戻ると座る席がない程の超満員だった。


「さあ、皆さんお待ちかねの試合が近付いて参りました!!

新人戦を制し、今大会でも全員が勝ち上がっている大注目のアビスリンド学園!!

その新人戦では『全能のアリス』をも倒し、今大会1回戦でも圧倒的な強さを見せてくれた、イオン・フォン・アビステイン選手!

見た目もそうですが、華やかな魔法でクノッサスの観客の心を踊らせてくれている彼女の試合を前に、この大闘技場は超満員の盛り上がりとなっております!!」


対戦相手からしたら完全にアウェーだな。

イオを応援したくなる気持ちは凄い分かる。

見た目は守ってあげたくなる系なのに、無詠唱で大技を連発する天才魔法使いだからな。

「アタシがこの声援をされたら、逆にやりづらいわね。」

シャルロットが苦笑いするのも、また分かる。

なんかうちの学園注目されてるみたいだし、今後はこういうのにも慣れていかないとだろうな。



しばらくしてイオが登場すると、鼓膜が破れるのではないかという程の大歓声があがった。

1回戦と同じく驚いた表情でペコペコとお辞儀をするイオの姿は、癒されるね。

いつものように丸眼鏡を闘技場の隅に置き、杖も置きっぱなしで壇上へとあがった。


シャルロットが思わず「イオー!杖ー!」と大声で叫ぶ。

大歓声で掻き消されてイオの耳には届いていなそうだ。

「それでは、試合開始!」

シャルロットの叫びも虚しく、試合が始まってしまった。

しかしイオの様子を見るに、忘れたというよりはわざと置いてきたという印象を受ける。

対戦相手とシャルロットは物凄い驚いているが。


光雷混成魔法(ホーリーライトニング)

イオが魔法名を口にした。

まさかこの短期間で『雷霆纏いし光の槍ジュピターズ・スピアー』を無詠唱で発動できるようになったとでも言うつもりだろうか。

しかしイオの動きを見て、その可能性はないと確信した。

まるで弓を引くように左手を前、右手を体の前に引いている。

確かにあの体制なら杖はない方がいい。


雷矢の雨サンダー・アローシャワー

おそらく神話級魔法を作る過程にできた技だろう。

上級か最上級かは分からないが、イオが右手を動かす度に前方に雷が飛んで行っている。

威力は神話級とは比べ物にならない程低そうではある。

しかし数打ちゃ当たるではないが、これだけ雷を飛ばされたら防御や回避はもちろん、攻撃に移ることすらほぼ不可能だ。

左手を掠めた一発目で身体の自由を奪い、続く二発目、三発目が身体に直撃。

対戦相手はなすすべもなく、地に伏した。


「勝者アビスリンド学園、イオン・フォン・アビステイン!!」


「1回戦に続き、2回戦も圧倒ー!!

しかも杖を使わずに無詠唱で混成魔法を見せてくれるというパフォーマンスもしてくれました!!

観客の心をつかむのが非常に上手いです!

アビスリンド学園イオン選手、危なげなく3回戦進出です!!」


やるなあ、イオ。

俺も剣なしとかやってみようかな。

「ユウって意外と顔に出るわよね。

さすがに剣は持って闘いなさいよ?」

鋭いなシャルロット。

流石にそれは俺の闘い方では無理があるのは理解している。


イオといい、トニーといい、本当に強い。

俺よくあんな2人に勝てたな。


少し驚きながらも、嬉しくなってしまう。

俺も、早く闘いたい。


シャルロットと談笑しつつ観戦しながら、闘うために身体を休ませる。

それでも心はまったく休まらなかった。



拙い作品ですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願い致します!

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