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剣の舞~サムライと呼ばれた祖父に鍛えられ、いざ騎士育成学校に入学したら剣術一位だったのでこのまま世界最強剣士を目指すけど、ラスボスはたぶん実の姉~  作者: あっきー
第5章 個人戦前編

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四十九ノ舞「完全敗北です」


1回戦全試合が終了し、2回戦との中日。

今日も今日とて病院のベッドの上で、何もやることがない。

シャルロットが見舞いに来て色々話を聞いているのだが、段々と話題も尽きかけてきている様子だ。

それでもなんとか話を続けようとしてくれているのが、本当にありがたい。


「そういえばこの前、お母さんから手紙が届いたのよ。

ちゃんと食べているか、友達はできたか、とかばっかりだったけどね。」

そこまで言い、俺の両親は冒険者で何処に居るのかすら分からない状態なことに気付いたのか、しまったと言わんばかりの苦い表情をしていた。

姉さんやアカネが居るし、そんなに気にしてはいない方だと思うから大丈夫なのに。

俺の家族のことは結構話している方だが、シャルロットの家族の話は聞いたことがない気がする。

母親というワードが出たことだし、聞いてみるか。


「シャルルの家ってどんな感じなんだ?」

「アタシの家?

うーん、お父さんは地方の貴族で、お母さんもどこだったかの貴族出身よ。

アタシは長女で、下に年の離れた弟が2人居るわ。」

シャルロットは面倒見のいい部分があるが、弟が居たのか。

貴族だというのも初耳だ。

そういえば入学式の時に、お嬢様特有のお辞儀とかしてたな。


「まあアタシは振る舞いが貴族らしくないと散々言われてきたし、弟も出来たことで割と自由な身ってところかしら。

縁談も全部断っているうちに来なくなったし、お父さんもそこは諦めているみたいね。」

縁談とかあったのか。ちょっと意外だ。

遠い目をしながら小さく溜息をつくシャルロット。

その辺りにあまりいい思い出は無さそうだな。


「アタシの家のことを話したんだから、次はサムライナギの道場について聞きたいわ。」

うちの道場のことなんか聞いて何が楽しいのか。

でもシャルロットはジジイに憧れて剣を真似してたんだったか。

長くなるだろうが、キラキラした目で見られては断れまい。


「話すと長くなるから、何か言いたいことや聞きたいことがあった時は手を挙げれてくれれば止めるわ。

アマハラ一刀流道場といって、門下生は500人くらいで・・・いきなりなんだよ。」

まだ何も始まってないのに、いきなり手を挙げられた。

最後まで説明するのに、何回手をあげられるかな。

「アンタの家、どんだけ広いの・・・?」

「山2つ丸々ジジイの所有物だな。

片方の山の5合目に家があって、山頂に道場がある。」

「・・・規格外過ぎて言葉も出ないわ。ごめん、続けて。」


「で、そのうちの20人くらいが道場に入ることを許されてるな。

それ以外はもう1つの山で修行やら、実践訓練やらをしてる。

ジジイに認められて初めて直々に剣を教えてもらえるって感じかな。

だからアマハラ一刀流の使い手は実際20人そこらしか居ない。

俺もアカネも最初の3年くらいは道場に入れなかったから、そっちの山で過ごしてたよ。

アカネは姉さんに付与術(エンチャント)を教わってから一気に伸びて、俺より3ヶ月早く道場に入れてた。

俺も姉さんに相談したら『疾風一閃(でんこうせっか)』を見せてくれて、お前にはこういう技の方が合ってるぞって言われたんだ。

真似してるうちに出来たのが、『壱式』だ。

それが完成して初めて道場に入れたのは良いんだが、毎日のようにボコボコにされてさ。

もう周りが強いのなんの。

まあ俺もアカネも6歳だったから大人に勝てるわけもないんだけど。」


一気に喋ったから喉が乾いた。

水を飲もうと話を止めると、シャルロットが「どこから突っ込めばいいか分からない」と口を半開きにしていた。

まあ確かに現実離れしている感はあるな。

残念ながら現実なのだが。


「2年経つ頃には奥義もいくつか使えるようになったのと、身体が成長するに連れて段々と勝てるようになってきたな。

んで10歳になる頃にはアカネと2人で、トップ5には入るくらいにはなってた。

まあそのせいで天狗になって、例の事件が起きるんだけどな。

そこから2年剣を振るえない精神状態と身体で、アカネも鍛錬の合間に様子を見に来て話してくれたり、リハビリを手伝ってくれたりしたよ。

2年後にまた剣を持てるようになって、アマハラ一刀流を習いつつアカネと一緒に剣の舞(ブレイドダンス)を作っていった。

そんで去年の年末にジジイに初めて勝って、入学が認められたって感じだ。

ジジイは日々の積み重ねが大事だとよく言ってて、大切な人を守るための剣を振れるようになれと教えてるな。」


とりあえず話せるのはこれくらいだろうか。

話しているうちに道場のことではなく、自分のことになってしまった。

だと言うのにシャルロットは嬉しそうな顔をしていた。

こんな話のどこが面白いんだか。


しばらくアマハラ道場一問一答をしていると、アリスとトニーが見舞いに来てくれた。

アリスに話していた内容を聞かれたので伝えると、「わたしも聞きたいわ」とシャルロットの隣に座ってニコニコしながら聞いていた。

トニーは2人の反対側に腰掛け聞いていたのだが、こちらもまた興味津々で色々と質問された。

なんでこんな過去の暴露大会になってしまったのだろうか。



-----イオ視点


明日の試合に備えて、マジックショップに顔を出しています。

定期的に杖をメンテナンスしてもらっていて、今日はその受け取りに来ました。

メンテナンスと言っても壊れたりしていないかの確認程度なのですが、最近は神話級魔法でかなり酷使してしまったので不安です。

本当はユウリさんの傍に居て運動を始めたりしないか見張っていたいのですが、こればっかりは外せない用事。

シャルロットさんにはキツく言っておいたので、大丈夫だといいけど。

もし破ったら、2人とも氷漬けの刑です。

杖を受け取り、何事もなかったことを確認して安心。

試合を観戦した感じでは問題なさそうですが、万全を期すに越したことはないですからね。


思っていたよりも早く用事が終わってしまいました。

シャルロットさんに邪魔に思われてしまいそうなので、病院に戻るのもな。

試合に疲労を残さない程度で何かしたいのですが、さてどうしましょう。

こういう時に兄さんが居てくれたら、と思います。

言っても仕方の無いことなのですけどね。


兄さんの将来のために、色々なところを一緒に見学するのが好きです。

私は正直王宮には居場所がないですし、将来的には何かの仕事に就き、素敵な方と出会えたらいいなと。

ユウリさんも素敵な方ではあるのですが、最近はカッコイイ兄のようだったり、手のかかる弟といった印象です。

恋と言うよりは憧れで、恋人というよりは家族ですかね。

同じ部屋で料理を作って一緒に食べるという生活に慣れてしまった、というのもありますけど。

アリスにヤキモチを妬いてしまうくらいには、思っていたよりも恋に近かったのだとこの前自覚してしまいましたが。


アリスやシャルロットさんのように、自分のことをアピールできるのは羨ましいです。

王女という意味の無いのに大きな枷がある私は、今の楽しい時間ができる限り続いてくれればそれでいい。

もちろん皆さんの成長スピードに着いていくために必死ですが、それもまた今にしか味わえない楽しさの1つ。


皆さんに着いていくためにも、この個人戦で良い結果を残したい。

結果を残せれば、将来就職する時も有利になりますし。

せっかく掴んだこの大きなチャンス、絶対に無駄にできませんね。



そんな決心をしつつ、ワッフルの誘惑に負けて購入してしまいました。

悔しいですが、大敗です。完全敗北です。

おのれワッフル。・・・美味しい。


甘いものには勝てない私ですが、明日の試合では勝ちますからね。

皆さん、ちゃんと見ててくださいね。



5月25日、累計10000PV達成しました!

16日間で5000PV増えて驚きです。

また徐々に頂けているブックマーク登録、たまに頂ける評価など、本当に励みになります。

読者の皆様には心からの感謝を申し上げます。


拙い作品ですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願い致します。

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