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剣の舞~サムライと呼ばれた祖父に鍛えられ、いざ騎士育成学校に入学したら剣術一位だったのでこのまま世界最強剣士を目指すけど、ラスボスはたぶん実の姉~  作者: あっきー
第11章 学園大戦編

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百〇七ノ舞「居るだろ、目の前に」


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宿の部屋に入り荷物を置いて早々に外に出る。

シャルロットと外で待機していたサクを連れ、地形調査に出かけた。

馬車で通ってきた道の周辺がおそらくメインの戦場になるとは思うが、周りの山も今回の戦場として利用できる。

隠れうる場所は非常に多く、奇襲をしやすい反面受けやすくもあるといったところだ。

サクは単独行動なので撤退と決めたらすぐに隠れられるだろうが、3人1組で撤退となるとなかなかに厳しい。

あらかじめ合流地点を決めておくなどの対策は必要だな。


相手は団体戦のスペシャリストなので、当然奇襲を含めた伏兵は念頭においておかなければならない。

今回の大戦は敵総大将の撃破で勝利となるだけに、アスカ先輩にかかる負担はかなり大きい。

作戦の指揮を執れる人員が他に居ればまた違ってくるのだが。

ショウヤという選択肢もある。

実際アスカ先輩はショウヤを推薦してはいる。

しかし本人が未だに許可していないこと、そして遊撃としてグループを組んでしまっていることが大きな枷となっている印象だ。


いっそのこと遊撃部隊のメンバーを組み替えて、ショウヤを他のグループに入れるということも考えられる。

その場合はアリスとイオの魔法部隊をシャルロットが護り、俺とアカネの剣の部隊に分けるのが妥当かな。

それが叶えばアスカ先輩の負担は少なからず減るだろう。

しかし俺とアカネの回復手段が一切なくなり、一度でもダメージを受けたら遊撃としての役割を全うできるかは不安ではある。

そういう意味ではアリスとイオを分けておきたいところだが。


「むしろ私がユウリ様と同じ部隊に入って遊撃すればいいのでは?

ある程度離れていても互いの考えていることは分かると思いますし。」


悩んでいるとサクがこんな申し出をしてきた。

たしかにそれはかなりアリだ。

ショウヤを浮かせることができ、アリスとイオを別グループで遊撃に使用できる。

しかし単独行動ならではの利点を全て消すことになってしまうのが欠点だな。

そんな会話をしながら道の東側の山を登っていると、どうやら山頂に到着してしまったようだ。


「ユウ、この場所かなり良くない?」


シャルロットに言われるがまま顔を向けると、馬車で通ってきた道はもちろん、向かい側の山まで見渡すことができていた。

ここを取れれば戦況の把握はもちろん、奇襲がどの位置に居るのかもおおよそ把握できるだろう。

まさかこんな穴場があるとは思ってもいなかった。

戦術の基盤とし、伝達することができれば攻守にわたって有利に働くこと間違いない。

そしてアビスリンド学園には、サクという情報伝達のスペシャリストが居る。

後でアスカ先輩たちを集め、進言するとしよう。



ひとまず大きなアドバンテージを得たということで、この日は街に戻ってきた。

帰りに3人で魚料理を扱うお店に入り、食事を摂る。

サクは肉も魚も食べない方ではあるが、せっかくセントラルポートに来たのでと今日だけは食べるようだ。

まあ開戦まであと丸3日あるからな。

明日も地形調査と作戦会議に多くの時間を費やすだろうし、匂いは気にしなくてもいいだろう。

シャルロットは焼き魚定食、俺が煮つけでサクは刺身を注文。

それぞれが少しずつ交換しながら美味しくいただいた。

アビステインで食べる魚よりも脂がのっていて旨味があったが、やはり食べ慣れている味の方がいいと全員の感想が一致した。



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宿に戻り、一番大きな広間にて全校生徒で集まった。

その場でサクが今日の視察の結果を報告。

東の山を最速で拠点にし、そこを中心に攻めるのが良いのではないかと案を出し可決された。

敵の総大将が誰かは正直検討もつかない。

言い方は悪いが相手の3年生にはルカリ・ネス・チップが抜けた以上、あまり目立った選手は居ない。

2年のヘノッヘは個人戦でもベスト8に入る猛者ではあるが、彼の『導線誘導』の特性上攻撃に置きたいところだ。

あと可能性があるとすれば今年の団体戦MVPである、アンジェリーナだろうか。

彼女であれば攻守にわたりうまく立ち回ることもできるし、何より団体戦を制した自信もある。

正直他の上級生が務めるよりも、よっぽど厄介だな。


話しが脱線したが、議題は指揮者について。

やはりショウヤを推薦するアスカ先輩と、俺を推すショウヤ、アスカ先輩派と意見が割れる。

俺の指揮はおそらく1年がついてこないからダメだと説明し、アスカ先輩かショウヤの二択に。

結局最後まで折り合いがつかず、この日は解散となった。



シャルロットと共に部屋に戻り、交代で風呂に入って長旅の疲れを癒す。

そういえば姉さんに任せていた残り2人の助っ人枠はどうなったのだろう。

未だに連絡もないまま今に至り気にはなるが大して心配はしていない。

姉さんは破天荒ではあるものの、有言実行お化けだ。

言ったら必ずやる性格なだけに今回もギリギリになって連れてくるとかだろう。


驚いたのはレイ先生は事情があって大戦に出られないということ。

まあ深くは詮索しないが、出られないのであれば仕方ない。

他の教員は出てくれるとのことでそちらに期待するとしよう。

授業中寝てばっかりでどんな先生が居るのか正直知らないけど。


シャルロットが部屋に戻ってきて、風呂上りで久しぶりに髪を下ろしているのを見れた。

やっぱりおろしていた方が似合うんだけどなあ。

イオはおろしているよりもローツインテールの方が似合うと思うから、単純に長い髪が好きというわけではないのだけどなんだろう。

身長とかの問題だろうか。


「そんなにまじまじと見られると、さすがに恥ずかしいんだけど・・・?」


「わり、久しぶりに髪おろしてるの見れたなと思って。」


「おろしてるほうがいいの?」


「んー、シャルルはそっちの方がいいと思うぞ。」


「そう・・・覚えておくわ。」


最近では板についてきたポーカーフェイスで返された。

特に気にしてなさそうだし、怒ってもなさそうでよかった。

その後は互いに武器の手入れをしながら他愛のない会話をして過ごす。

といっても木刀はヒビが入っていないかのチェックだけなので、途中からシャルロットの剣の手入れを見ながらだったが。

シャルロットも助っ人には興味をもっているようで、誰が来てくれるのかと心躍らせている。

ルーナ隊長は出られないけど、それ以外のツテってあるのだろうか。

人気なようで意外と交友関係狭い人だからな。

どちらかと言うと友達よりパシリにしていた人数の方が多そうだ。

そう思うと前途多難に思えてきてしまった。



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翌日。

朝早くからサクとアスカ先輩が来訪し、再び地形調査に出ることにした。

シャルロットが髪をおろしたままで出てきたものだから皆気にしている。

どうしたのかとアスカ先輩がたまらず声をかけると。


「イ、イメチェンよ!イメチェン!」


顔を髪色と同じくらい真っ赤にしながらそっぽを向いて言うシャルロット。

サクにこっそり何かあったのかと聞かれ、昨日の会話をそのまま伝えるとニヤニヤとしていた。


「可愛いですねー、シャルロットちゃん。」


まあ否定はしない。

ポニーテールの時とは違って、いいところのお嬢様感が出るんだよな。

実際貴族の娘だからお嬢様ではあるのだけど。

口を開けばいつものシャルロットなのだが、見た目はずいぶんと印象が変わって確かに可愛いと思う。


そんなこんなで今日は道の西側の山を登ることに。

東の山と違って道が険しく、登るのにだいぶ苦労した。

山頂へと到着した頃にはお昼を大きく過ぎ、帰る頃には夕方なのではないかと思えるほど時間をくってしまった。

やはりこういう面で見ても東の山の方が陣取るには向いている。

こちらからは険しい山道が陰になって、地上の道は半分程度しか見えない。

逆に言えばこちらから奇襲する分にはあまり見えないということだろう。

それが分かっただけでも収穫ではあるな。

ひとまず小休憩をはさんで下山。

時間も遅くなってしまったので宿に戻ることにした。



宿に戻り受付に行くと、アリスが箒と大きなカバンで両手をいっぱいにしながら待っていた。

遅いと怒られてしまったが、まさか予定の前日に飛んでくるとは思わないじゃん。


「だって少しでも早く旦那様に会いたかったんだもの。

授業が終わってそのまま全力で飛ばしてきたのに、部屋に鍵がかかって入れないしで散々だったわ。」


それで受付で待ちぼうけしていた、と。

イオに事情を話して入れてもらえばよかったのに。

そんな会話をしていた俺たちの背後に、今まで味わったことのないほどの鋭利な殺気を感じた。

思わず俺とシャルロットは振り向いて剣に手を置く。


「よう。良い反応だなお前ら。」


「こんな街中で殺気を出すんでないわ、バカタレ。」


「師匠!!」


「ジジイ?!」


そこに居たのは、姉さんとサムライの2人。

だがその纏うオーラは今まで俺が知っていた2人のものよりも数段研ぎ澄まされていた。


「ポーランも助太刀ありがとうな。

これで出場する全員が揃ったし、作戦会議でもしようぜ。」


「助っ人ってやっぱりジジイかよ。

ツテって言われた時点でそんな気はしてたけど。

で、あと1人はどこに居るんだ?」


「居るだろ、目の前に。

学長を辞めてフリーになった『神速の剣姫(アタシ)』が。」



「「「えっ?」」」



アリス、シャルロット、俺がまったく同時に素っ頓狂な声をあげてしまった。


相変わらず姉さんのやることは理解が追いつかねえ。



拙い作品ですが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします!

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