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星光記 ~スターライトメモリー~  作者: 松浦図書助
前編
43/144

第10章 木星会戦 02節

 イーグルを決戦に誘い出すにあたり、イシガヤは義勇軍を編成している。正規の戦闘用サイクロプスが殆ど無いとはいえ、中型小型の労働作業用のサイクロプスなどは多く存在するし、それらはCPG関連企業が多く運用しているのである。イシガヤ家が圧力を掛ければ、これらをある程度動員する事は不可能ではない。

 「厳島様の件、残念でした……」

 実務面で圧力を掛ける担当であったアークザラットがイシガヤにそういう。単なるお悔やみ、である。

 「終わったことだ。」

 「はっ……」

 「地球はセレーナが守り、カナンティナント中佐が後ろ盾になれば治まる。火星はマーク中佐が善く治めている。木星の宇宙ではギンがイーグルに勝つだろう。いや、勝ってもらわなければ困る。そのとき、我ら、しくじって恥をかくなよ。」

 「はっ。」

 その言葉に、アークザラットをはじめとして、イシガヤの周囲にいる部下たちが揃って頷く。完全にイーグルを敵に回した今、彼らにとっても死活問題である。負けるわけにはいかない戦いになったのだ。

 「錦の御旗を掲げよ!」

 畏れ大きその旗。天皇に赦された大義の象徴。朱色の錦織に黄金色の十六葉八重表菊の紋様や日の丸をあしらったもの。そしてそれは全軍に対する合図だ。

 「警官隊は、電気ガス水道等、主要施設の確保。」

 労働者はイシガヤ側につくが、主要施設を占拠するにはそれなりに兵力が必要である。それを補うために警官隊がフォローに回る。

 「民は公道でデモ行進を。貴族、議員の子弟はこの先頭に立つべし。何かあれば、貴族、議員の子弟が民の盾となるのだ!貴族の恥を晒すなよ!」

 武器を持てぬ人達にも、活躍の場は必要である。自ら勝ち取らず与えられたものを享受するだけでは、民衆はそれらを自らの事と思わない。責任のある行動をとらせるには参加させるのが一番である。そのなかでデモが一番安全かつそれなりの効果がある。メディアによって民を喚起し、世論を味方につける。大事な事だ。

 「さて、我々も行くか。小型サイクロプス各隊、出撃せよ!港湾施設を占拠し、その勢いを駆って敵本拠、軍管轄首都第二コロニーを制圧する!」

 「時間の予定は?」

 「各コロニーの占拠はニ時間以内に。ニ時間半後迄に合流し、同時刻に第二コロニーへ突入する!」

 コクピットの計器に置く彼の手が震える。武者震いだ。

 「アークザラット参軍、時間等の戦術調整と指示は任せる。」

 「御意に。」

 義勇軍の先頭に立つイシガヤの代わりに、参軍として本陣指揮をアークザラットが務める。アークザラットは戦争指揮は初めてではあるが、平時よりCPGという大企業の人々を動かしているため統率技術についてはそれなりに信頼できるためだ。譜代家臣ではあるが決してお飾りではなく、自己の研鑽に支えられた俊傑である。そして彼の補助官としては、信用できる軍の退役者等を複数人配置していた。

 「さぁ、我に続け!」

 イシガヤ機が偽装倉庫よりコロニー内に出撃する。専用機を隠すなど、イーグル占領下のコロニーでやりたい放題ではあるが、それを出来るのがCPGの力である。多くの民衆もまた、彼らの味方であった。

 「イシガヤ少佐、敵警備小隊!」

 彼の手勢となった義勇兵が報告を上げる。コロニー内での戦闘など過去に経験した兵はほぼいない。緊張が走る。

 「数はっ!?」

 「中型サイクロプス、5機です!」

 正規警備用の機体であろう。イーグルが接収したものだ。作業用中心で集めた小型サイクロプスにとっては脅威である。装甲強度や運動性能に当然ながら差があるためだ。

 「トリモチ弾で支援を。かかるぞ!」

 だが、イシガヤ機にとってみれば敵にはならない。彼の妻ヤマブキの血を吸い、エンペラー・ペルセウスと名付けられ、先の大破から改修、復帰したこの銀色鎧の巨人は、専用機として恥ずかしくない圧倒的な装甲性能、加速性、突破力を有しているのである。コクピットを不用意に開けなければ、そうそう落ちるような機体ではない。彼の機体にコロニー内仕様の攻撃力を低下させた武装で敵中型機は挑むが、ペルセウスの装甲の前に弾かれるだけである。敵はそれに慌てるが、トリモチ弾で動きを制限されたところを、ペルセウスの大ランスで吹き飛ばされ潰される。パイロットの生死は不明だが、完全に機能停止だ。

 「我がペルセウスの前に出れば命の保証はしない。死にたくなければ降伏せよ!」

 イシガヤは外部音声に切り替えてそう通告する。例え愛するべき民が載っているとはいえ、反乱軍である。潰せるときには潰し、殺せるときには殺す。確実に動きを止めることが肝要だからだ。そうしなければ彼の部下や、味方となった民に被害が及ぶ可能性があるのである。それが戦争だ。きれいごとなど必要ない。



 「ペルセウス捕捉!」

 反乱軍の兵士が、コロニー警備隊を指揮していたサタケ大尉に告げる。彼の父であるサタケ元少佐はイーグルと共に出陣しているため、後方は彼が全権を委任されている。能力的にも充分高く、信頼できるということからの人選である

 「なんと、イシガヤ王自ら出てきたか……」

 イーグルもそうだが、この国の王族は自ら命を的にして前線に出撃してくる。特に先頭に立つなど、まさにイーグルを彷彿とさせる行動であった。

 「このコロニーは放棄!」

 ペルセウス出現の報告にサタケ大尉即時そう判断を下す。サイクロプスの中型機や小型機を幾らあてたところでペルセウスの敵ではないからである。かといって、高火力の銃器を使用すればコロニーに孔が開く。木星コロニーに生まれ育った彼である。流石にそこまでしてペルセウスを落とそうという気にはならない。被害が甚大になりすぎるのだ。

 「敵はどうせ我らの拠点に来るのだ、まとまってペルセウスを狙う!」

 「了解しましたサタケ大尉!」



 「ん、退いたか。」

 一方、進軍を続け敵機を粉砕していたイシガヤが呟く。

 「いかがなさいましたか、イシガヤ王?」

 そう問い返すのは本陣を預かるアークザラットである。

 「確信はもてんが、敵は退いたようだ。確実にここを解放し、敵の本拠を突く。」

 イシガヤの話にそって索敵情報を集めるが、実際に敵性兵力はコロニーの宇宙港や外へ出るためのハッチに向かっており、内容的には間違いが無いだろう。勘が良いのは実戦経験が多いからか、イボルブであるからか、いずれにしてもこの状況下では心服にたる技能である。如何せん、平和な木星圏で立ち上げた義勇軍の実戦経験は、明らかに乏しいのである。

 「流石は腐っても軍団長ですな。実際敵は撤退中のようです。しかし敵が退いたならすぐ攻めるべきでは?」

 「いや、足元が怖い。待つ時間を与えれば、それだけ危険ではあるが、しかし目下優先するべきは敵の殲滅ではない。先ずはコロニーを確実に解放し、本軍がイーグルと懸念無く戦闘できるようにするのが肝要だ。」

 「慎重ですな。勇武無双の猪武者ときいていましたが、事実無根だったようで。」

 戦時広報でしかイシガヤの戦場働きを知らないアークザラットからすれば、主君の評判はそんなものである。遊撃隊や女神隊は他国への援軍派兵が多く、特に遊撃隊にあっては貴族の子弟が多く所属する事から率先してその戦功が広報に使用される。撃墜数はそれほどではないが、戦場において最前線をペルセウスで突破し、狂ったように乱戦に持ち込むペルセウスの姿は、木星圏においては『狂将』の渾名を与えられて賞されるほどに子供たちに人気である。なお補足すると、人気なのは機体である。

 「んにゃ。通常の作戦なら、クオンやヤオネといった参謀がついて充分な後詰を務めてくれる。だが今はそれが無いからちと不安だ。俺は詰めが甘いしな。」

 「なるほど。」

 「戦にも女房役は大事さな。今は、確実に地歩を固めて予定時間通りに進むぞ。」

 「御意。」

 現状ではその女房役はアークザラットの役割ではあるが、彼は実戦経験が無く、資材管理と後方部隊を無難に動かす程度が現状では関の山である。有力な人間の多くは逃げ延びているか拘束されているので、退役軍人の登用にしてもさほど上手くいかなかったのである。無難に動かざるを得ない、というのは尤もな事であった。



 一方、コロニー防衛に回されていたイーグルの手勢をまとめるサタケ大尉は、見事な采配で撤兵を完了しつつあった。撤兵先は軍港を有する基地専用のコロニーである。戦闘が発生しても民間人への被害が出にくいというメリットはあるが、基地防御力はコロニー程度であった。

 「サタケ大尉、イーグル王が敵と交戦に入る頃です。」

 サタケ大尉に補佐官が告げる。

 「イーグル王と我が父上と、シルバー様との戦か……。勝つにせよ、負けるにせよ、幕府史に残る戦になる。」

 「名だたる敵将は、天下の名将シルバー大佐、希代の謀将モガミ中佐、木星軍の双璧ハラダ少佐とゴトウ少佐、地獄の番犬バーン大尉、神速カリスト大尉、といった所ですね。」

 彼の補佐官は敵の名前をウキウキとしながら並べ挙げる。地球圏に配属されていなかった者にとっては、親族が戦死したとしても戦争は遠い場所での話であり、物語みたいなものだ。それが今自分の前で行われる、そう言った高揚感に支配されているのであろう。他人事と考えればほほえましい所ではあるが、戦争である。

 「厳しい戦いになろうが、勝機は充分ある。我らは、ここにてイシガヤ王を迎え撃つんだ。」

 実際の戦争は、そうほほえましいものではない。この戦闘でどれだけの人間が死ぬか、そして死ぬように命令を下さざるを得ないのか、血の絵の具で戦場を彩り飾るものこそが戦争であるのだ。

 「了解!」

 そんなことも考えずに、サタケ大尉の補佐官は元気よくそう応える。気楽なものだ。しかし、此処でイシガヤを討ち取れば、彼らにとって大きな勝機となる。イシガヤこそが、今の王族ではイーグルにとって最大の脅威であるからだ。その経済力と軍事力は、フルーレ家では対抗する事が出来ないほどである。だが、イシガヤの血筋は今はタカノブしかおらず、彼を殺せばクスノキ家が継ぐとしてもそう簡単な話ではなく、オニワ家やアークザラット、モガミなどと相争い、家は割れることは必定である。その状況下にあればイシガヤ家は脅威ではなくなり、バーン大尉やクラウン家、或いはロウゾ家辺りがトップに立つことによって和平等によりイシガヤ家の勢力を軍門に加えることも可能であろう。

 「ゆめゆめ油断するなよ。周辺を含め、戦力展開図を用意せよ!」



 「やはり、敵部隊は拠点に撤退したようですな?」

 コロニー内の監視カメラを確認しつつ、アークザラットがそう報告する。インフラ監視システムなどもCPGやその傘下、或いは協力企業などで多く管理している事に加え、情報工作戦に強い黒脛巾を抱えているイシガヤ側にとっては、この程度容易なものである。

 「コロニーの占拠は?」

 「順調で問題ありません。」

 イシガヤの質問にアークザラットが答える。既にほぼ制圧完了しており、一部での抵抗を排除している程度である。抵抗と言っても、敵性勢力側の人間で逃げ延びたものが多少暴れている程度なので、警官隊で十分対応可能である。

 「苦労した甲斐があるな!」

 「……御屋形様は、先の戦闘以後、何もしていらっしゃいませんがね。」

 「ちゃんとここに突っ立っていたぞ!」

 「それは何もしてないのと変わらないのでは?」

 「……或いはそうともいうかもしれないが、しかし大将というものはこうして後方に陣取り、床几に腰を据えて動かない事もまた仕事ではないだろうか?最前線で暴れるなど、端武者のやる事だろう?」

 「先ほど、最前線にいらっしゃいましたよね?。」

 「……。」

 「…………。」

 冷ややかな沈黙が辺りを包む。

 「さて、戯れ事はともかく、想定される敵の戦力はいかほどか、再報告せよ。」

 「またお忘れですか?コロニー防衛用のイーグル勢にて確認されているものは、小型及び中型サイクロプスで概ね約1000機程度、サイクロプス機で15機程、と言った所です。ただ……、その内の1機にタイタンタイプが居るようです。」

 「味方より総数は多いな。……タイタンタイプ?」

 「ご存じない?」

 「タイタンタイプと言えば、ツインカメラのサイクロプスだろう。幕府にもバーンのケルベロスや、イーグルのヘルがあるが……」

 サイクロプスの名前の通り、大半の機体は頭部に単眼のメインカメラが搭載されている。単眼カメラのメリットは廉価で整備しやすく耐久性が高い所であるが、複眼カメラ機に比べると情報処理能力に劣る。そのため、複眼カメラを搭載する機体は、エースパイロット用などの一部専用機に限られている実態があった。

 「おそらく、オルトロスです。」

 アークザラットが告げる。新型を国内で開発しようとすれば必ずCPGに情報が回るであろうし、他国で開発するとしても専用機であるため完全な情報封鎖というのは些か難しい。そうなるとフルーレ家の息のかかった既存機の可能性が高いが、現状で戦場に出ておらず現役での戦闘が可能なのは、消去法からオルトロス一機であるためである。

 「良く知らんな。どんな機体だ?」

 「バーン大尉専用機ケルベロスのプロトタイプです。有線制御式思念誘導型ビーム砲のホーネットを搭載した、近接戦専用機です。」

 ホーネット付きで近接専用というのもおかしな話ではあるが、無線式に比べると射程が短いせいである。無線式はイボルブ専用であるが、有線式の場合には集中力は必要なものの一般パイロットでも使用可能である。敵機の背後に回して砲撃するなど、アクロバティックな戦闘が可能だが、一般には組織戦に向かない事から多用されていない。

 「ホーネットは厄介だな。だが、近接戦専用機ならば、そう致命的でもない。」

 イシガヤが述べる。一対多の広範囲兵器を持っていない分対応は取りやすいというのは事実だ。イシガヤの手勢も小型サイクロプスなどが中心になる事から、その防御力は非常に低いのである。高火力の兵器を用いずとも、撃墜するのは容易であるのだから、威力は低くとも広範囲攻撃可能な武装の方が脅威であった。その点、ホーネットは基本1対1用の兵装であり、近接戦闘用という点からも、さほどの脅威ではない、という判断である。

 「しかし、まともにぶつかれば、相手になれるのはペルセウスくらいしかありませんが?」

 アークザラットが指摘する。ペルセウスが敵の小型機を相手に無双したように、オルトロスがこちらの小型機を相手にすれば無双するばかりであろう。

 「だが、ペルセウスであれば相手に出来る。しかし、まともにぶつかるのは嫌だな。……地図をくれ。」

 イシガヤもエースパイロットではあるが、オルトロスに載るパイロットは当然エースであろう。エースとはいっても、イシガヤはそこまで戦闘技能が高いわけではないのだ。それに加えて、手勢は相手よりも少ない。正攻法でぶつかっては、いささか被害が甚大になる事は予測できるのだ。

 「御意。これが周辺の宙域図です。」

 「……なんだ、ここは?」

 「ゴミ置場。……宇宙ゴミが集まったアステロイド帯です。」

 「CPGで金出して片付けろよ……。それで視界は?範囲は?」

 「視界は霧がかったように悪く、範囲も80km四方の広さはあります。」

 このアステロイド帯は当然大小の隕石片などが中心とはなっているが、生活ゴミなども紛れている。どうしても木星やその衛星、コロニーが発生させる重力の中和地点にそれらは集まってしまうのである。

 「にゃる。アークザラット、お前は、此処に誘き出せると思うか?」

 「難しい所ですな。敵も、伏兵で乱戦に持ち込めると考えれば、御屋形様を討てるチャンスは大きいですが、アステロイド帯では障害物が多く大軍を活かせません。少なくとも敵は我々よりは兵数がわずかでも多い。」

 「んむ。しかも、伏兵するならアステロイド帯、と、こちらも考えるしな。逆に反撃される恐れもある。」

 「えぇ。」

 「…………。小型輸送艇に攻城兵器、主にカタパルトを小分けに積め。相手にわかるように積んで、アステロイド帯を通って敵の拠点コロニーに向かわせろ。俺たちも行くぞ。」



 「サタケ大尉、敵に動きあり。カタパルト搭載の輸送艇がこちらへ向かって来ます。」

 コロニーを占拠するサタケ大尉に報告が上がる。流石の彼も幾らかの工作員は抱えており、ある程度のイシガヤ側の情報は入手する事が出来る。

 「経路は?」

 「アステロイド帯を通過する様子です。」

 「ふむ…………。」

 その情報にサタケ大尉は思案する。ハッキリ言って、コロニーに籠る事は失敗である。コロニーには防御力はほとんどない。籠城戦には全くの不向きで、カタパルトで港を破壊されてしまえば手詰まりになる。一方で、彼にはアステロイド帯でイシガヤを襲うという思案はない。余りにもリスクが大きいからだ。また、実戦の少ない彼は、それ故に慎重な行動をとってしまっている、という点もあるだろう。

 「……アステロイド帯付近には資源採掘衛星があったな?」

 「はい。希少金属採掘用のものが。」

 「内部構造と強度は?基地に使えるやつは無いのか?今すぐ探せ!」

 資源採掘衛星。その中には出入口の採掘抗が多く、内部で蟻の巣状になっているものがある。一定規模の資源衛星の採掘抗は、輸送船を乗り入れるためのバースもあり、軍港として利用可能だ。耐久性に関しても地質によっては岩盤組成が頑丈なものもあり、並のビーム程度ではびくともしないものがある。そういった衛星は過去から軍事衛星とされているのである。

 「資源衛星303なら、利用可能です。内部地図等も確保。」

 「よろしい。直ちに奇襲部隊の編成と輸送艦による資源衛星303への移動を開始。敵より早くつけるな?」

 「それはもちろん。しかしこのコロニーを棄てる?」

 兵が疑問を呈する。せっかく制圧下にある拠点である。手放すには何とも勿体ない。

 「たとえ民間人を盾にしても、カタパルトで攻められれば守りきれまい。民間人を殺さずとも、港さえ潰されてしまえばこちらは何もできない。まして世論は向こう側にある。不利だ。それに、戦争に勝たねば拠点などなにも意味は無いのだ。」

 そう言って、彼は兵をまとめるのであった。

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