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プロローグ
遠い、遠い存在。
すごいと思った。
やりたい事を形にした君を。
羨ましいと思った。
思い描くものを表現出来るその才能を。
眩しいと思った。
強く生きるその背中を。
それはどれも自分になくて、君にあったもの。
逃げてばかりの自分と比べるなんて、次元が違う。
そう、分かっていた。理解していた。
それでも。
比べずにはいられなかったし、見ずには居られなかった。
君の存在は、その才能は、背中は、大きかった。
そんな君を見つめた。この感情の名前は、__。