第8話『捨てる神あれば、ゴミ焼却する神あり』
ウォーレンとホワイトは大西洋の真ん中で漂流していた。
「・・・やっぱりゴムボートで大西洋横断ってのは無理だったな」
ウォーレンが呟く。
「いや、問題はゴムボートだけじゃねぇよ。食料がポリンキーだけって何だよ。あと、水筒の中、クラムチャウダーじゃねーか、余計喉乾くよ」
ホワイトはすかさず指摘する。
「あぁ、よく覚えてないけどスイスのハーフ松岡が悪いと思うよ。何か・・・名前とか」
「確かにそう言われればスイスのハーフ松岡が悪いような気がするな・・・顔とか」
2人はそんな事を話しながら、最後には『居ても居なくても迷惑な奴だな』という顔をして横になった。
(ボォォォォォォー) 大きな音に気付きホワイトが起き上がると前方に船が見えた。
「おぉ、船だ助けてもらうぞ!」 ホワイトはウォーレンを叩き起こし、船に近付いた。
前方の船はそれに気付いて、二人を甲板に引き上げる。
しかし2人は何故か船員たちに縄で後ろ手に縛られると、片手がフックで眼帯をつけた船長らしき人物の前に引っ張り出された。
「どうやら金目の物は持ってないようだな。よし、殺して海に捨てろ」
フックの眼帯はそれだけを言うと部屋に戻っていった。
「・・・アレっ海賊?」 ウォーレンはとりあえず口にしてみた。