第19話『崩れゆく世界。』
当時、友達に「ボケがクドい!」との感想をもらった回です。
後で読み返し「なるほどな」と納得したので、次話限りで終わらせることにしたのを覚えています。
それが無ければ、まだまだ続いていたかもしれません。
怖いですねぇ。。
(ドゴーーン!!) オルガの船から放たれた砲撃が船を揺らす。
「もうこの船はダメだ!ホワイト、早く降りるんだ!!」 店長が叫ぶ。
結局、ホワイトは矢野くんを説得する事が出来ずに船を降りた。
2撃目が甲板に直撃し、船はゆっくりと沈み始めた。
「あぁ・・・」ホワイトが思わず声を漏らす。
船首を残して沈みゆく船には、矢野くんの誇らしげな顔があった。
「矢野くーーーーん!!!」
海賊オルガの襲来を退けたウォーレン達は、平凡な日々を送っていた。
「やっぱり俺達にはこんな生活があってるよな」
なみなみに注がれたビールを片手にウォーレンが話す。
「そうだな、平和っていいよな」
ホワイトも枝豆を両脇に抱え、頷いた。
「あぁ、平和・・・その言葉だけで、ご飯何杯もいけちゃうよな」
ウォーレンが得意のアメリカンジョークを繰り出す。
「いやいやいや、お前ら客じゃねーんだから働けよ。あと、お前!枝豆、両脇に抱えなくても誰も盗らねぇって」
見かねて店長が注意する。
「あぁ、突っ込んじゃった。そのボケはスルーするべきだろ、今頃苦情殺到だよ」
ウォーレンが渋い顔で言い返す。
「誰からだよ!いいから働けって」
店長は呆れ顔で言った。
「しゃーねーな、手伝うとするか」
ウォーレン達が重い腰を上げようとしたその時、スイスのハーフ松岡が口を開く。
「トコロデ矢野クン大丈夫ダッタンデスカネ」
(チッ、空気読めよ) ウォーレンがモロに顔に出した。
それはもう、口に出した方がマシなくらいに。
(大丈夫なワケねぇだろ!) みんな、そう思ったが口には出せないでいた。
「・・・まぁ、いいんじゃねぇか?どうせパロディキャラだし。あんまり評判良くなかったじゃねぇか?オリジナルな奴等だけで頑張れば良いじゃん」
沈黙を破るようにウォーレンが言った。
「そうだな」 一人、また一人とその言葉に納得し、それぞれの持ち場に戻った。
(ガラララ!)
各自が仕事を再開しようとしたその時、勢い良く扉が開かれ一人の男が入ってきた。
「大変や!海賊が攻めて来たで」
「あっ、阿畠くん」 ホワイトがその男の名を呼ぶ。
「おいおいおい!今さっきオリジナルな奴等で頑張ろうぜって言ったばっかじゃん!?何で早速無視なんだよ」
「おっ、ウォーレンか!今度また特訓しよな」
ウォーレンの言葉もお構いなしで阿畠は言った。
「何だよ!知り合いって設定かよ!?てか、嫌だよお前の特訓すぐケガするじゃん・・・って何で知ってんだよ!怖えぇよ!!」
ウォーレンと阿畠の他愛ないやりとりの間に、海賊服に身を包んだ眼鏡の男が入ってき
た。
「お前ら、よくも裏切ったなぁ。許さないでヤンヌ!」
「や、矢野くん・・・生きてたんだね」 矢野の登場にホワイトが思わず呟く。
「オイラもダメかと思ったでヤンヌが・・・あの男に助けてもらったでヤンヌ」
(あの男!?) 一同が疑問に思ったその時、不思議な音楽が鳴り響いた。
(♪でんでんでんでんでんでんでんでん、でんでんでんでんでんでんでんでん)
「こ、この音楽は!?」