第10話『ペタジーニのワガママに比べれば藤川のワガママなんて・・・』
「ウォーレン!ウォーレン!!」
ホワイトが声をかける。
「・・・うぅ、うん?あっっ、頭がクラクラするよ〜、ガブリエルぅ、ガブリエルぅ!」
「前の嫁じゃねーか。ウォーレン、とにかく起きるんだ」
ホワイトは、そう言うと前の方に視線をやった。
ウォーレンがその視線の先に目をやると、腰に手を当てた長身の女性が立っている。
「私が船長のオルガだ。先ほどは、すまなかったな。大丈夫か?お詫びと言っては何だが、近くの島まで乗せて行ってやろう」
オルガの言葉にホワイトは安堵の表情を浮かべた。
しかし、ウォーレンは小さな声でホワイトに話しかけた。
「なぁ、ホワイトのダンナ。あいつをやっつけたらこの船は俺達のものだ。なぁに、船長は女だ。勝てるさ」
「ウォーレン、何て事を・・・えっ、それをくれるのか?何!?2つもくれるのか?・・・仕方ないな」
ウォーレンの言葉に一瞬戸惑ったホワイトだが、何かをチラ見せさせられた途端に何故か悪魔の取引に応じてしまった。
「死ねぃオルガァァァァ!」
ウォーレンとホワイトはオルガに襲いかかった。
「何!?血迷ったか!」
オルガは剣を抜き応戦する。
(シュッ) その時、目にも止まらぬ早さで黒い影がウォーレンに向かって来た。
「何者だ!」 ウォーレンが叫ぶ。
「俺の名はペタジーニ。この船の用心棒だ」