炊飯ジャー
夜、寝ている間。
枕の下から、聞こえてくる。
くつくつ、くつくつ。
ことこと、ことこと。
ぼすぼす、ぼすぼす。
中身は何かな。
ドアの隙間から。
鼻をくすぐる匂い。
そっと覗いてくる。
たくさんの、白い、白い、白い…
顔がない。
目もない。
口もない。
ぐつぐつ煮立って。
はちきれんばかりに水を吸って。
ふしゅぅっ。
ふたを開けると、気持ちが抜ける。
何段にも重なって、何列にも連なって。
しゃもじでひっくり返したら。
あ、また。
おこげがいるよ?
顔が書いて、あったかな。
真っ白だよね。
怖いよね。