表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お前と私  作者: ぴろぱ
2/5

重なり



彼と出会って一週間

学校で会うことはなかった。

そんなある日のことだった


私と唯は休み時間、保健室に行っていた。その日は人が少なかったので先生と唯と3人で会話をしていた

「先生ー!まじ最悪!足!」

聞き覚えのある男の声。だが、そんなことはよくあったのでその男の方を何故か見ないようにした。


「あれ?」


うわー、気づかれたかな。


「あれれー川口ミツ。なにしてんのー?」


案の定。私は気づかれてた。唯との話に夢中になってるふりをして聞かないようにしていた彼の声。


その軽くかすんだ声が耳に響く


「なんだよお前。無視が得意だな」


「別にそーゆーいみじゃないけど!」とつい向きになってしまった。

彼の方を見ると口角をあげてこちらの心を読んだかのように


「ごめんねミツ」

と優しく言われた。

私は彼に軽く睨みをかけて唯に「行こう」と腕を引っ張った。唯は「う、うん」と言って保健室を後にした。


次の授業が終わり「ミツ!」と唯がこちらに駆け寄った。


「さっきはどうしたのさ!」

心配してくれる唯にはなんでも話してしまう。今思えば大げさに言ったのかもしれない。



「そんなことでおこるなんて、やっぱりミツの怒るツボが今だにわからない!」なんて笑い事だった


「まあまあ!そんなこと気にしないで保健室いこーよ!」



まだ名前も知らない彼に腹を立てる自分にも少しバカバカしい思いが芽生え、唯と保健室に向かった



そこにいたのはあいつだった「さっき言ってた人じゃない?」と小声で言う唯に私は口に人差し指をあてて「しーっ」と言った


「ねーねー川口ミツーー。俺の名前知ってる?」


話しかけられるとは思ってなくて「えー?」と思わず声に出てしまった

彼はふっと笑みをこぼすと



「俺ね、山口 雄大。覚えといてね先輩」



山口雄大。この名前が頭から離れなかった。

そして、私と同じ思いをした人が

近くにいるなんて思いもしなかった




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ