表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ガラス越しの恋

作者: Rana

いつもは、大勢の人たちがこちらに見向きもせずに通り過ぎて行く店の前で、1人の女性がふと足を止めた。

僕に目を合わせるようにじっと見つめて、少し頬を赤らめるとそのまま急ぎ足で去って行った。

彼女の後ろ姿を追うこともできず、ただその場で彼女の顔を繰り返し思い返す。


次の日も、彼女は店の前で足を止めた。同じようにじっとこちらを眺め、今度は少し困ったような表情を浮かべて足取り重く帰って行った。

その日も、彼女に声すらかけることが出来ずただ見ているだけだった。


それから数日間、彼女の姿を見ることは無かった。たった2日間で、彼女の存在はとても大きなものになっていた。この感情は何なのだろう?


明日は、彼女は来てくれるだろうか?


どうして、来なくなってしまったのだろうか?


なぜ、あんな表情を見せたのだろうか?


あぁ今日も、彼女は来てくれなかった••••••。


雨が降った午前中とは打って変わって眩しい陽射しが差した午後。彼女は久々に店の前へとやって来た。

彼女の姿をみると胸が一気に高鳴った。これは何なのだろう?初めて感じる思い。僕には、言葉の知識が足りない。君にこの事を伝えられたら、教えてくれるだろうか?


そんなことは、無理だとわかっているけれど、望んでしまう。君と会話ができる奇跡を••••••。


けれど奇跡など起こることはなく、君はただ僕を見上げる。

ーー初めて見る知らない男性と。


彼女と彼は、僕の前に立ち笑顔で語り合う。


そして、初めて店へと足を踏み入れる。彼と一緒に。


僕の背後で初めて聞こえてきた彼女の声は、とても可愛らしく透き通るようなキレイな声だった。


「すみません、あそこのマネキンが着ている結婚衣装予約させてもらえませんか?」


彼女がそう言いながらこちらを指差す姿が、目の前のガラスに反射して見えた。


それからどのぐらいの月日が経っただろう?


僕は、あの日とは違う衣装を身に着けて同じ通りを眺めている。


〜END〜

こんにちは初めまして。

Ranaと申します。更新はかなり遅めですが、頑張って作品を書いて行こうと思います。

趣味でやっておりますので、小説なんて呼べる物にはなっておりませんが、一人でも面白いと思ってくださると嬉しいです。

読んでくださった方は、是非感想を下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵なお話でした。 [気になる点] 他の方の感想と同じですが、 あと1000字くらい心情や背景描写を増やすと 最後で心に響くものがもっと出るのではないかと 思いました。 [一言] いくつか…
[良い点] アイデアがとてもいい。 [気になる点] もう少し長くして心情描写を増やしてもいいと思う。 [一言] 初コメ失礼します。 この小説、とてもよかったです。 最後の部分の意外性が自分好みです。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ