さくら舞う夜に
はじめまして燦華です
おそらく亀更新となるでしょう
よろしくお願いします
「…さむぅっ!!」
深夜3時
眠れなくて家を飛び出した私に冷たい風が容赦なく突き刺さる
もっと暖かい格好すれば良かったかな?
なんて考えたところで今更遅い
…のは分かってるけど
「うぅ…寒いよぉ…」
さすがに長袖2枚は足りなさすぎたみたい
そりゃ8度だもん。当たり前か
狭く、曲がりくねった道を勘で歩く
この巨大な街に引っ越してもうすぐ半年
だけど道はまだ覚えられない
ふらふら歩いて運が良ければ目的地に着くくらい
ただ、最寄りのバス停までは迷うけど主要施設まではバスで行けるからかなり助かる
―…ブワッ…―
「…わっ!」
ひときわ大きな風が吹き花びらが舞い落ちたことで
目的地にたどり着いたことを知る
「綺麗…」
ポツリとこぼし公園に入る
大きな桜の木とブランコ、ベンチがあるだけの小さな公園
私とあの人が好きな場所
ほら、今日もベンチで寝てる
可愛いな、なんて思いながら近付いて
「…わっ!!」
「ひゃっ!?」
「……んー?」
いつの間にか後ろに居た雪姉に驚かされた
「もうっ!驚かさないでくださいよ!」
「ごめんねぇ…つい?」
「語尾に"はてな"つけないでください!」
「…つい☆テヘッ」
「うわっ!イラッてなる今の!」
「別に良いじゃない…ね、春人」
「いや、キモい」
心底気持ち悪がる春兄を見て項垂れる雪姉
それを見て少しだけ笑う春兄
そんな2人を見ていると、なんだか癒されるような気がする