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The lie that has nothing
静寂に包まれたこの空間。そこに独り佇む一人の影。
厳粛なこの空気を引き裂いたのは無機質なベルの音だった。
音の正体はどうやら携帯だったらしく影は音源を手にし、中身を確認する。
『
どもども。よたちゃん様くんです!
どうせまだあの計画は続行中なんでしょ?
まったくてたくんは真面目だなぁ(笑)
そんなこんなでどんなこんなかはわからないけど今僕もせっせと働いちゃってますよー(笑)
だからてたくんも気を抜かず期を待って気負わないでねー!
んじゃアイラビューてたくんー(笑) 』
てたと呼ばれたその男は少し口角を上げたかと思うとすぐに感情をなくし、動き始める。
―さて、 いつものはじまりだ。
The lie that has nothing (何も持たない嘘)