あらすじ:第三章『合金の竜』※ネタバレ有
百合騎士団の副長、『カノ』に与えられた任務は『愚者』達の保護と観察であった。魔導師の館に迎え入れられるチャカ達は、そこで生温い日常を送る。罪の意識に苛まれるタイタン。書籍の世界へ逃避するナイトウ。精神のみならず肉体の変調に悩まされるチャカ。傍観者として立ち回る『ヒゲダルマ』。特に疲弊していたタイタンの精神が壊れる一歩手前で救ったのは、ナイトウのお節介であった。
それまでの疲労が祟り、風邪を引いたタイタンを置いて、トワ姫に呼び出された彼らに与えられたのは竜が原因ではないかと思われている『村消失事件』の調査試練であった。
村が消滅してゆく事件は『フェネク帝国』の非正規部隊の仕業であった。『戦争』の『協定』を破り、王国を弱体化させようと企む帝国の軍部の企てにより、既に数個の村が消失していたのである。チャカ達が調査の為に立ち寄った村が襲われてしまう。
非道の振る舞いを見たナイトウは怒る。怒りと共にかっての『英雄』に精神を乗っ取られそうになるナイトウ。その場に飛び込んできたのはかってのネームドモンスター『鉄鱗の魔竜』であった。
問答無用の災害である、鉄鱗の魔竜とナイトウは一騎打ちを繰り広げる。壮絶な戦いの末、魔竜はナイトウによって十字の呪いを解き放たれ、単なる大蜥蜴となって果てる。
一方、竜騒動はPK集団『無制限』の戦士『ムショ』が各地にとらばる十字架を破壊して周っていることが原因であった。自らが開放した竜とナイトウの死闘を高みの見物で見ていたムショと、単なる少年『アコニタ』の運命的な出会い。
師弟となった彼らはバイカへと向かう。そこで起きたのは因縁の再開。自分のギルドへ来い、と誘うムショと、それを断るタイタン。
相容れない者同士として、彼らが戦った結果は、タイタンの敗北に終わる。
「一度逝けば判る」とムショは言い残し、立ち去った。