模擬戦
久々の更新
「というわけで、模擬戦だ。さっさと第一闘技場に移動しろ。」
担任の第一声がこれだった。
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「全員揃ったな?」
草町は生徒を見渡して簡略化された出欠確認をする。
「よし、じゃあ二人組を作れ。」
一瞬空気が凍りついた。
俺は約束していた(させられた?)イギアを探した。
直ぐに見つけたのでよかったが・・・。
ふと担任を見ると
「おっ、お前余ったのか。そうかそうか、俺が組んでやろう。」
「え?いやちょっとまっ――」
・・・・・・。
見なかったことにしよう。
「さて、ペアは組めたな?今日は模擬戦をする。今回は学校側がお前らの現状を把握するためのものだ。一番得意なもんで戦え。出し惜しみすると点数引くからな、ストレス発散も兼ねて全力でヤれ。相手のことは気にしなくていいぞ。ただ教師が止めたらやめろ。」
担任は捲し立てるように説明をし始めた。
「全力でヤれだってよ。いい試合しようぜ。」
「わかったよ。それより俺たちの順番は最後だろ?端に行って観戦してよう。」
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「お、あれはトールと・・・誰だ?」
「ん?あああいつか。あいつは・・・誰だっけ?」
「ちっ。これだから使えん脳筋は・・・。」「いきなり酷くないか!?おい!」
ちっ、これだから使えん脳筋は・・・。
「おーい、フィーア〜。」
「・・・なに。」
「あれなに。」
「・・・わからない。」
「そっか。」
フィーアもわからなかったか。
終わったら本人に聞くしかないな。
「君はこの魔法によって倒れるのだよ!『蒼の流れよ、眼前の敵を包み込め』!」
「・・・ッ!」
詠唱が聞こえたので視線を向けると大量の水がトールを呑み込み円柱状に捕らえたところだった。
「フハハハハ!!どうです!僕の力は!!
先生!止めなくていいんですか!?死人が出ますよ!?」
しかし草町は動かない。
「先生!?止めないんですか!?」
「まだ勝負はついてないぞ。」
そう言い終わると同時に、黒い火柱が(・・・・・)天高くまで(・・・・・)燃え上がった。
一瞬して水が全て燃え尽きた。
中から戦闘前から何一つ変わらない姿、いや、ただ一つ黒い炎を纏ってトールが姿を現した。
「さあ、続けるわよ。」
平然としたトールの姿にただ一つ、生唾を呑み込む対戦相手の姿が目に残った。
トールって普通雷じゃねってのは無しの方向で